小金井市「前川國男自邸」木造モダニズムの傑作をレポート

今日は、小金井市の江戸東京たてもの園の中にある建築家 前川國男自邸を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・前川國男自邸を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・前川國男自邸の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・前川國男自邸の建築的な見どころや注目ポイント

前川國男自邸はその名の通り、近代建築の3巨匠ル・コルビュジェの弟子にして、戦後の日本建築をリードしてきた建築家前川國男氏の自邸です。
元々は1942年に品川区の大崎に建てられたものでしたが、現在はここ江戸東京たてもの園に移築されて、保存・展示がされています。

前川國男自邸

前川國男は1905年生まれの日本の建築家で、日本にモダニズム建築を浸透・発展させた昭和の日本を代表する建築家です。

前川氏の作品は挙げればきりがないほど沢山ありますが、都内では上野の東京文化会館や東京都美術館が有名です。

東京文化会館
東京文化会館(1961年)

また、世界文化遺産にも認定された国立西洋美術館は、師匠であるル・コルビュジェの基本設計案をもとに前川氏をはじめ坂倉準三氏、吉阪隆正氏によって実施設計が行われました。
ちなみに国立西洋美術館の新館も前川氏の作品です。

前川は1928年に東京帝国大学(現東京大学)建築学科を卒業したその夜にシベリア鉄道を乗り継ぎ単身フランスに渡り、当時モダニズムの建築家として世界的に注目されつつあったル・コルビュジエのアトリエで修業したことでも知られる建築家。

1930年に帰国した前川は、当時世界を変えつつあったモダニズムの建築を日本人として消化・発展させました。
今回紹介する自邸は太平洋戦争の真っ最中だった1942年、前川氏が38歳の時に完成させた建物です。資材も不足する中での建築でしたが、自邸ということで前川氏の建築家としての思想が最も反映された建物となっています。

【東京】前川國男自邸2
こちらが玄関です。和風な佇まいの中に、シンメトリーの構成と三角屋根と格子窓の組み合わせから幾何学的で美しい図形が浮かび上がってきます。
【東京】前川國男自邸3

 
建物の構成は入口にあったこちらのをみるとわかりやすいですね。
とてもシンプルな構成で、大屋根の中央部分を吹き抜けの居間として、両脇に書斎、女中部屋と寝室、浴室、台所などを配しています。

【東京】前川國男自邸4

この家の面白いところは、どこにいても次の空間が見え隠れし、歩みを進めてしまうところです。
門からのアプローチも直線ではなく、雁行して玄関もS字の構成になっています。
それでいて開口や光の効果でその先の空間が見え隠れします。
師匠のル・コルビュジェは「建築的プロムナード」といって建築の中に動的な動きを取り入れましたが、前川はこれを小さな日本の住宅の空間の構成で実現しています。
【東京】前川國男自邸5

そして中心はサロンと呼ばれる吹き抜けのある居間です。
雁行した中歩みを進めていくと高い天井と前面から格子を通して振り込んでくる光に包まれまれる豊かな空間が現れます。

【東京】前川國男自邸6

限られた敷地を最大限に生かしながら、合理的な中に豊かで人間的な空間を作り出すというのはモダニズムが掲げた理想でしたが、前川氏はこれを日本の住宅で見事に実現してます。
この建築には鉄とガラス、近代建築5原則といった記号的なモダニズム建築の特徴はありませんが、前川氏なりにモダニズムの目指した理想が、日本建築の中で確かに達成されているように思えます。

前川の詩であるル・コルビュジエは、特に晩年の作品では近代建築5原則内よりも、内部と外部の関係や光の降り注ぐ豊かな空間について追求していました。
そしてコルビュジエが74歳の時に設計したサン・ピエール教会は三角屋根の形状に光が降り注ぐ建築でした。

用途は住宅と教会と違えど、前川の自邸とサン・ピエール教会には不思議と近いものがあります。
前川氏が自邸を設計したのは1942年ですが、この時から前川氏は表面的な近代建築の形式の先にある建築像をおぼろげながらとらえていたのではないでしょうか。

■まとめ
・戦後の日本建築をリードした前川國男氏の自邸で日本モダニズムの傑作
・小さな日本の住宅の中にある「建築的プロムナード」にも注目

■建築情報
名称:前川國男自邸
設計:前川國男
所在地:東京都品川区上大崎(現在は東京都小金井市桜町3-7-1江戸東京たてもの園内に移築)
アクセス:武蔵小金井駅よりバス5分
竣工:1942年
江戸東京たてもの園 公式HP:https://www.tatemonoen.jp/

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ちなみに前川國男自邸が建つ江戸東京たてもの園自体も建築好きにはたまらないスポット。

江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園は江戸・東京の歴史的な建物を移築保存する目的で都立小金井公園内につくられた野外博物館です。
小金井公園の広大な土地に、実際の建物を移転・復元してきて展示している贅沢な博物館です。

スタジオジブリの映画「千と千尋の神隠し」の製作時には、こちらのたてもの園に移築された銭湯や下町の商家建築を参考にしたこともあったそうです。

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