今回は前回の記事に引き続き、私が訪れた静岡駅周辺の最新の建築について紹介したいと思います。
10.トップセンタービル(田中楯夫)
トップセンタービルは静岡駅と新静岡駅の中間にある店舗・事務所・劇場・放送局の複合建築です。
もともとはテレビ静岡が所有し、メディアシティ静岡という名前で静岡の情報文化発信基地として建設されました。
中央のミラーガラスでボリュームを分節しつつ、空高くそびえる姿は今見ても圧巻で、外装の細かいパターンからはポストモダニズムの最後の面影を今に伝えます。
設計:田中楯夫(田中忠雄建築設計事務所)
所在地:静岡県静岡市葵区伝馬町8-6
アクセス:静岡駅より徒歩約2分、新静岡駅より徒歩約6分
竣工:1994年
11.サールナートホール宝泰寺檀信徒会館(高木滋生)
サールナートホールは近くにある宝泰寺が運営するホールで、設計は静岡県立美術館の設計なども手掛けた高木滋生によるものです。
インドの仏教遺跡から着想したとされていて、タイルの質感とむき出しの鉄骨が特徴的な建物ですが、2階がホール、3階がミニシアターとなっていて一般の人も中を見ることができます。
設計:高木滋生建築設計事務所
所在地:静岡県静岡市葵区御幸町11-14
アクセス:静岡駅より徒歩約4分、新静岡駅より徒歩約4分
竣工:1995年
公式HP:http://www.sarnath-hall.jp/
ちなみに近くにあるクレディア本社ビルも高木滋生氏によるもので、近くを訪れた連れた際は一緒に見ておきたい建築です。
ここからは静岡駅からは1駅離れるのですが建築好きなら是非とも見ておきたい必見建築「グランシップ」があるので紹介していきます。
12.静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ(磯崎新アトリエ)
静岡県コンベンションアーツセンター、通称グランシップは建築家 磯崎新が設計したホールや図書館・貸会議室が一体となった複合施設です。
グランシップの名の通り全長200m、高さ約60mの巨大な船のような建築ですが、線路側の閉じた壁面とは対照的に、広場側の低層部は大きく広場に開いていているのが特徴です。
バルブ後とはいえどこを見ても豪華でダイナミックな建築は、今となっては建てられないであろう贅沢さを感じることができます。
失われた時代を感じることのできる巨大な古墳のようにも見えてきます。
設計:磯崎新/磯崎新アトリエ
所在地:静岡県静岡市駿河区東静岡2-3-1
アクセス:東静岡駅より徒歩約3分
竣工:1998年
公式HP:https://www.granship.or.jp/
13.NTTドコモ東海 静岡ビル(NTTファシリティーズ)
南側のグランシップを見た後は北側のNTTドコモ東海静岡ビルも合わせて見学しました。
こちらは古墳のようなグランシップとは対照的にスマートな建築です。グランシップ側から見ると、水平に広がる東静岡駅と垂直に伸びるNTTのビルが1つの建物のように見えるのが面白かったです。
こちらの「さいたま新都心の建築見学におススメの作品10選」でも紹介したNTTドコモさいたまビルと同じく建物の上に巨大なアンテナが乗る様も必見です。
設計:NTTファシリティーズ
所在地:静岡県静岡市葵区東静岡1-3-43
アクセス:東静岡駅より徒歩約3分
竣工:2003年
14.静岡大成中学・高等学校(長谷川逸子)
静岡大成中学・高等学校は静岡駅から程なく歩いたところにある私立中学校・高校で、設計はこの学校の出身者でもある長谷川逸子氏によるものです。
2003年に創立100年となることをもって計画され、長谷川氏が得意とするパンチングメタルの外装と、大きくせり出したボックスが特徴的な建物です。
せり出したボックス部分には生徒とのワークショップを通じて計画されたホールや特別教室が配置されていますが、単に教室を箱の中に押し込めるのではなく、せり出したボックスは生徒たちがのびのびと充実した学校生活を送るたに出来た形が表れたものだとすると素敵ですね。
設計:長谷川逸子
所在地:静岡県静岡市葵区鷹匠2-4-18
アクセス:静岡駅より徒歩約15分、新静岡駅より徒歩約6分
竣工:2004年
15.ペガサート(アール・アイ・エー)
ペガサートは御幸町・伝馬町第一再開発として計画された商業施設と集合住宅の複合施設です。
低層部の交差点に面したガラスの大ファサードが特長な建物です。
静岡市のアール・アイ・エーの建築はすべて一面ガラス低層部となっていますが、その中でも最もガラスの透明度が高く、建物内の人やモノの動きがスクリーンのように交差点に映し出されます。
設計:アール・アイ・エー
所在地:静岡県静岡市葵区御幸町3-21
アクセス:静岡駅より徒歩約7分、新静岡駅より徒歩約3分
竣工:2004年
公式HP:http://www.pegasart.com/
16.静岡県教育会館(ナカノ工房)
静岡県教育会館は別名すんぷらーざと呼ばれ、大小の会議室、 ギャラリー、図書コーナーなどからなる教育会館です。
教育関係者だけでなく一般市民にも広く開放されています。
通り側はガラスの緩やかな曲線と吹き抜けが配されていて、街に対して優しい表情を創っていますが、建物の各面で色々な表情を見せる建物です。
設計:ナカノ工房
所在地:静岡県静岡市駿府町1-12
アクセス:静岡駅より徒歩約7分、新静岡駅より徒歩約3分
竣工:2006年
公式HP:http://www.s-kyoiku.com/
17.日本基督教団駿府教会(西沢大良)
駿府教会は新静岡駅から程なく歩いた線路沿いに建つ小さな教会で、設計は西沢大良氏によるものです。
キリスト教において重要な意味を持つ光と音をテーマに設計がされていて、外観を見ても見る時間によって表情が微妙に変わっていきます。
電車からもよく見えるので通勤などで行きと帰りで全く違った表情を見せたりするのかなと想像すると興味深いです。
設計:西沢大良/西沢大良建築設計事務所
所在地:静岡県静岡市葵区相生町15-1
アクセス:静岡駅より徒歩約15分、新静岡駅より徒歩約5分
竣工:2008年
公式HP:https://www.sunpukyokai.org/
18.葵タワー(アール・アイ・エー)
葵タワーは紺屋町再開発事業によって建設され、商業、オフィス、美術館、結婚式場などが入る複合施設です。
高さ125mは静岡市内で最も高く、空に溶け込むようなブルーのガラスは存在感がありながら透明感もある独特の雰囲気を醸し出しています。
3階に入る静岡市美術館はいつも面白そうな企画展やイベントを行っており、訪れた際は是非合わせて見ておきたい美術館です。
設計:アール・アイ・エー
所在地:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1
アクセス:静岡駅より徒歩約2分、新静岡駅より徒歩約5分
竣工:2016年
公式HP:https://www.aoi-tower.jp/
ちなみに静岡駅の反対側には葵タワーの他にもアール・アイ・エーの設計した建物がもう1つ建っています。
こちの駅南口駅前に建つ駿河スカイタワーで2016年の竣工です。
こちらも低層部一面がガラスのスクリーンとなっていて、夜の美しさに注目です。
19.ザ・呉服町タワー(石本建築事務所)
ザ・呉服町タワーは呉服町通りにおける市街地再開発事業として計画され、低層部は店舗や立体駐車場、高層部は共同住宅となっています。
低層部は静岡の伝統工芸である駿河竹千筋細工をデザインモチーフとしたファサードが特長で、1階には蔦屋書店静岡本店が入って街に賑わいと伝統の中にある新しさをもたらしています。
反対側のファサードは表側とはがらりと印象が変わるのでこちらも注目です。なんとなく隈研吾氏の高崎駐車場を彷彿とさせます。
設計:石本建築事務所
所在地:静岡県静岡市葵区呉服町1-20
アクセス:静岡駅より徒歩約10分、新静岡駅より徒歩約7分
竣工:2016年
20.静岡赤十字病院(山下設計)
静岡赤十字病院は静岡市の中核医療を担う465床の都市型病院です。
あったりした外観で、垂直に伸びるガラスと外壁パネルはまっすぐに覆い立つ木々の集まりのようです。
一見して何階建てか分らないようになっていて、立方体のキューブのように見えるのが面白いです。
設計:山下設計
所在地: 静岡県静岡市葵区追手町8-2
アクセス:静岡駅より徒歩約10分、新静岡駅より徒歩約7分
竣工:2016年
公式HP:https://www.shizuoka-med.jrc.or.jp/
↑静岡・清水のホテル・旅館・宿泊施設をじゃらん.netで見る
》一休から静岡駅周辺のホテル・旅館・おススメの宿を検索する
いかがでしたでしょうか。
近代から現代にかけて2回に分けて静岡駅周辺の建築をご紹介しましたが、各時代の建築がここまで充実している街も珍しいです。
見どころ満載の静岡建築、皆さんも静岡を訪れた際は是非堪能してみて下さい。
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