京都「京都芸術センター」昭和初期築の小学校を改修した素敵建築をレポート

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今回は京都にある京都芸術センター(旧京都市立明倫小学校)を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・京都芸術センターを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・京都芸術センターの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・京都芸術センターの建築的な見どころや注目ポイント

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1.廃校となった小学校を活用したアートセンターを訪問

今日訪れたのは京都の中心街の烏丸駅・四条駅から程なく歩いたところに建つ京都芸術センターです。

京都芸術センターは、明治2年(1869年)に開校した下京三番組小学校をルーツとし、1931年に建設された京都市立明倫小学校の建物を改修したアートの創造・発信拠点です。

この小学校は後の学区制に先駆けた番町小学校としてつくられ、全国の中でも最も古い小学校のひとつとなっています。
旧京都市立明倫小学校の建物は1993年まで現役の小学校として利用されてきましたが、学区の再編成により閉校となり、その後2000年に芸術センターとして生まれ変わります。

2000年の大改修の改修デザインを手掛けたのは大手の組織設計事務所である佐藤総合計画。
佐藤総合計画といえばこのブログでも以前紹介した東京北区の中央図書館や、東京大田区の勝海舟記念館など古い建物を活用した改修デザインに定評がある設計事務所でもあります。
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ここ京都芸術センターでも元の建物を最大限に生かした形で芸術センターへの改修が行われています。

地下鉄の駅をでて5分ほど歩くと見えてくる建物の外観は、優しいクリーム色の外壁、当時流行していたセセッション風の門柱やスパニッシュ風の屋根などを取り入れたモダンなデザインとなっています。

京都の近代建築は去年、旧日本銀行京都支店(1906年)京都府立図書館(1909年竣工)旧京都中央電話局、東華菜館(1926年竣工)島津製作所旧本社ビル(1927年竣工)旧龍池小学校(1929年竣工)といった近代建築を紹介しました。
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銀行から始まり、図書館、電話局、レストラン、オフィスとモダンな建物が次々と建てられた後、新しい時代昭和の最新の小学校として建設されたのが旧京都市立明倫小学校なのです。

2.細部まで見どころ満載!貴重な建築をたっぷりと堪能

西洋の模倣から始まった近代建築ではありますが、明倫小学校では柔らかくも独特の色使いや、町家や祇園祭などの雰囲気を感じる和風の意匠との融合など、時代を経たからこそ実現した親しみが持てる小学校らしいデザインが随所にみられます。

門の先を進むと丸窓が可愛らしい大きなアーチのエントランスが見えてきます。

内部は小学校時代の建物を極力残しつつ改修がなされていて、懐かしさを感じながら散策します。

白い柱梁や天井と濃い木の色のコントラストがとても鮮やかです。
また、照明も程よく抑えた配置となっているので陰翳がとても豊かで印象的でした。

こちらは中庭。
現代京都の中心にぽっかり空いた昔と変わらない風景がちょっと不思議で面白いです。

廊下や教室は窓が大きく取られているのも特徴で、明るい自然光が内部に降り注いでいます。

廊下には小学校時代に使われていた古い備品が残されていて、写真のようなチラシやお知らせが置かれていました。

各教室はライブラリーやギャラリー、イベントスペースとして活用されていて、京都の文化・芸術の拠点となることが目指されています。

教室だけでなく廊下や多目的スペースなども有効活用されていて、ふらりと訪れやすい市民の居場所になっているような印象でした。

小学校建築ということで、階段や手洗い場など、普段私達が使っている建物のスケールとはちょっと違った子供目線のスケール感が楽しいです。

バリアフリー化や補修をしつつも、元の建物の多くの部分が残されているので、建築歴史ミュージアムのように昔の建物を空間全体で堪能できます。

3.建物1階にある素敵カフェでひと休み

京都芸術センターでは教室の一角にカフェ前田珈琲 明倫店があるので、ここでひと休憩します。

前田珈琲は、京都市内の歴史的建造物を改修した店舗がいくつもあり、いくつもある珈琲店。
このブログで紹介した建物だと旧日本銀行京都支店(現京都文化博物館別館)旧龍池小学校(現京都国際マンガミュージアム)に併設されたカフェも前田珈琲です。

内装は、古い校舎と現代的でスタイリッシュな壁が対比されるようなデザインとなっています。

ロフトやボルダリング風の装飾などの遊び心溢れるデザインも素敵です。
建物の余韻に浸りながらアイスブレイク。

今回頂いたのはドリンクのみでしたが、メニューはランチメニューや焼き菓子などもあるので、京都芸術センターを訪れた際は是非立ち寄ってみてください。

素敵な建築をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメの建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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・建築本「一級建築士矩子の設計思考」がスゴい!話題の本格建築漫画をレポート

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京都芸術センター(旧京都市立明倫小学校)
設計:京都市営繕課
改修設計:佐藤総合計画
所在地:京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
アクセス:四条駅より徒歩約3分、烏丸駅より徒歩約3分
開館時間:
 ギャラリー・図書室・カフェ10:00 ~ 20:00
 制作室・事務室10:00 ~ 22:00
休館日:年末年始
入館料:無料
竣工:1931年(1999年改修)
備考:国登録有形文化財
2002年BELCA賞
2006年公共建築賞 特別賞
公式HP:https://www.kac.or.jp/


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