十条「北区立中央図書館」赤レンガ倉庫を改修した図書館をレポート

みなさんは北区の十条に築100年の赤レンガ倉庫を改修した図書館があるのをご存知でしょうか。

2008年にオープンした北区立中央図書館は今からちょうど100年前の1919年に建てられた旧日本軍の施設を改修した都内でも類を見ない市立図書館なのです。
今回はこの北区立中央図書館を見学してきましたのでご紹介したいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・北区立中央図書館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・北区立中央図書館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・北区立中央図書館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.北区立中央図書館とは

北区立中央図書館は北区十条にあった旧陸軍の煉瓦倉庫を改修した市立図書館で、2008年にオープンしました。

今でもすぐ隣の土地には自衛隊の十条駐屯地がありますが、戦前は東京砲兵工廠銃包製造所として広大な敷地に軍の倉庫や工場が広がっていました。
そんな中、1919年につくられたのが、今回ご紹介する赤レンガ倉庫です。
戦前は日本陸軍の軍施設の倉庫として、戦後はアメリカ軍に接収されて長らくはアメリカ軍の戦車の整備工場として使用されてきました。その後一部が返還された後も陸上自衛隊が入所するなどしていましたが、陸上自衛隊の防衛施設再編計画に伴いその管理が北区に移管されることととなり、この特殊な図書館が誕生しました。

設計は大手設計事務所である佐藤総合計画が担当し、日本図書館協会建築賞をはじめいくつもの賞を受賞しています。

ちなみに十条の残っている当時の 軍関係の建築は、こちらの中央図書館の他にはすぐ近くにある北区中央公園文化センターのみとなっています。
設計者は不明ですが、1930年ごろに建てられた軍関連の施設を改修した文化センターですので、 北区立中央図書館を訪れる際にはぜひ一緒に見学したい建物ですね。

近代建築を改修した図書館と言えば安藤忠雄氏が設計した上野の国際こども図書館の改修が思い浮かびます。
上野の建築は2期に分かれて1908年~1929年に建設されていますので、1919年とほぼ同時期の建設です。どちらも約100年の時を経て新たな建築として生まれ変わっているのは面白いですね。

2.施設情報-アクセスや開館時間など

北区立中央図書館の施設情報は以下の通りです。
駅から歩くと少し遠いですが、公園に隣接していることもあり散策がてら歩いて訪れることをおススメします。
王子周辺の建築見学におススメの建築はこちらの記事にもまとめていますので興味がある方はぜひご覧ください。

□アクセス
王子駅より徒歩15分、十条駅・東十条駅から徒歩12分
※王子駅、十条駅からは路線バスもあり

□開館時間
 平日・土曜:9:00~20:00
 日曜・祝日:9:00~17:00

□休館日
第1・3・5月曜日の他月一回の館内整理日、年末年始
※最新の情報はホームページ等の情報を要確認

□フロア構成
3階:閉架室書架、職員・ボランティアの方の為の事務スペース
2階:こども図書館、東側エントランス
1階:一般開架室書架、カフェ、北側エントランス

1階のエントランス隣にカフェが併設しているので、ちょっと休憩にテラスで珈琲を飲んだり、食事をしたりも出来ます。

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3.早速見学!過去と現在をタイムスリップ!

私は東十条からアクセスしたので、隣接する公園からのアプローチとなりました。
公園を進んでいくと遠くに赤レンガとコンクリートが合わさった不思議な建築が見えてきます。

コンクリートとガラスのきれいな矩形の建物から、飛び出すように赤レンガの倉庫が経っています。
赤レンガ部分は濃い外壁色と三角屋根が特徴的ですが、それに対してコンクリートの部分は白くて四角い形が特徴的です。
新旧2つの建物の色や形が対比がされるような工夫が伺えますが、実際に見てみるとより際立って特徴的なデザインにみえます。

実はこちらの北側が1階のエントランスとなっていて、向かって左の東側の道路は2階のエントランスに接しています。
建物の構成は明快に一階が一般書架、2階がこども図書館となっていてどちらからも外部の敷地に接してアクセスできるように計画されています。

北側が明快に公園側に開いていたのに対して、東側はガラスのスクリーンで光のみを取り入れるようになっています。また、大きなドライエリアがあり、視線は通さずに光を取り入れるような設計になっています。

ちなみに陸上自衛隊のある西側に回ってみるとこちらは昔の赤レンガ倉庫の外装が奥まで並んでいます。
東側から現代、北側で現代と近代、西側で近代と、建物をぐるっと周ると時代の移り代わりを外装で味わうことができて面白いですね。

4.内部も赤レンガ倉庫を巧みに活用している

外部だけでも近代と現代をタイムスリップするかのような体験ができますが、中でも同じ体験ができるのがこの図書館の凄いところです。

まず中に入ると左手に赤レンガ倉庫の外装がそのまま露わになったカフェがあります。
外から見てもわかる通り赤レンガ部分はかなり天井高が高いので、そのままカフェは天井高の高い開放的な空間になっています。

こちらは東側の入口を入った2階のエントランス部分。
奥に見えるのが子供の図書スペース。吹き抜けからは1階の様子がよく見えて、機能としては1階の大人用のスペースと2階の子供用のスペースを分けながら、アクセスは2つの開放的な空間で気持ちよく行き来できるようになっています。

こちらは2階のエントランスロビーから1階に降りる階段の部分。
1階は約3000平米の大きなワンフロアとなっていますが、階段を降りながら1階のフロアを眺めるとまさに壮観。また、この吹き抜けが階段があることで建物の構成もそのまま把握できるので迷うこともなく自分の位置を把握することができます。

こちらがもう1つの階段から見た赤レンガ倉庫の高架部分。
一番感心したのがこの赤レンガ部分の使い方で、本当に気持ちのいい空間でした。
規則的に並ぶ書棚に平行にトラスが並ぶ様は美しいだけでなく、書棚を窓側に向かって歩いて行った時にすっと天井が高くなり開放的な空間になる演出は素晴らしかったです。窓際の読書スペースは本当に居心地がよく、この赤レンガの建物を上手く活かすにはこの図書館以外なかったんじゃないかと思わされるほどでした。

こちらは南側の渡り廊下部分。この建築の特徴として、中庭やドライエリアなどとにかく外部空間に接する面積が多いことが挙げられます。このような外部空間があるおかげで明るく開放的な図書館が実現していることが実際に訪れるとよく分りました。

こちらは2階の中庭スペース。見学した日はあいにく雨でしたが、晴れていれば外で読書も出来るスペースとなり、自然の光や風を感じながら読書をしたり休憩したりすることができるのでしょう。

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いかがでしたでしょうか。
実際に訪れて見ると、築100年の歴史的建築という以上に、図書館空間としてもの魅力的な空間となるような細かい配慮が幾重にもなされた建築であることがよく分りました。
図書館建築は何十件も訪れていますが、北区立中央図書館はその中でもトップクラスに魅力的な図書館だったと思います。
100年の歴地の蓄積と図書館という知の蓄積を両方味わえる北区立中央図書館。みなさんも機会があれば是非訪れてその空間を体験してみて下さい。

北区立中央図書館
設計:佐藤総合計画
所在地:東京都北区十条台1-2-5
最寄り駅:王子駅より徒歩15分、十条駅・東十条駅から徒歩12分
竣工:2008年

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