今日は東京渋谷で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築30作品について紹介していきたいと思います。
様々な人々とカルチャーが交錯する渋谷の建築は、どれも個性的で魅力あふれるものばかり。
是非建築巡り・街歩きの参考や、バーチャル建築巡りとして楽しんでいただければと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・渋谷での建築巡りを写真と文字でレポート
・渋谷の著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・渋谷の建築の見どころや注目ポイントを解説
ちなみに今回の記事では渋谷駅から徒歩10分圏内の建築を紹介しています。渋谷のその他のエリアについてはこちらの記事でも紹介していますので、興味のある方は合わせてご覧くださいね。
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1.渋谷駅
まずはじめにオススメしたいスポットは渋谷駅です。
渋谷駅といえば常に工事をしながら整備・拡張している駅舎でもありますが、著名な建築家のデザインした建築を一挙に見られる建築パワースポットでもあります。
例えばJRのハチ公口のファサードデザインは隈研吾氏によるもの。
巨大な広告で半分隠れてしまっているのが少し残念ですが、ガラスのファサードに雲の写真がプリントされていて、駅内部を透過したり、空を反射したりと不思議な風景をつくりだしています。
東京メトロの東急線の改札を入ると安藤忠雄氏がデザインした卵状の空間が広がります。
宇宙船の中に入るような丸いコンクリートのエントランスは、近未来的でもありながら、太古の昔につくられた遺跡に入るような不思議な感覚を呼び起こしてくれます。
渋谷駅の建築で一際注目なのは、2020年に竣工した東京メトロ銀座線の駅舎です。
こちらの駅舎は内藤廣氏がデザインに参加していて、巨大な生物の中に入り込んだようなM字のフレームは今まで見たことのない不思議なホームとなっています。
この他にも井の頭線のホームを内包した渋谷マークシティでは、岡本太郎氏の復元された巨大壁画「明日の神話」がみれるなど、渋谷駅は建築好き・アート好きにはたまらないスポットとなっています。
設計:安藤忠雄(安藤忠雄建築研究所)/隈研吾(隈研吾建築都市設計事務所)/内藤廣(内藤廣建築設計事務所)/日本設計/東急設計コンサルタント/東急建設ほか
所在地:東京都渋谷区道玄坂
2.渋谷スクランブルスクエア
渋谷スクランブルスクエアは、渋谷駅直結の地上47階地下7階、高さ約230mの超高層複合施設です。
デザインアーキテクトを日建設計、隈研吾建築都市設計事務所、SANAAが務めていて、都市と建築が交錯する改札前の吹抜けや、屋上の展望テラスSIBUYA SKY、フロアごとに印象が変わる商業デザインなど見所が満載です。
商業施設として利用できる地下2階~14階の中でも上層部の12階・13階はレストン・カフェフロアは店舗デザインと眺望の両方が味わえるオススメのエリア。
例えば13階の飲食フロアの北東側の一角に入るつるとんたん UDON NOODLE Brasserie 渋谷スクランブルスクエア店では、整形の天井のグリッドに対してH鋼型のデジタルバー交錯していて、渋谷の街や道路、人などの風景を切り取った映像が映し出されていたりと、渋谷カルチャーを存分に味わうことが出来るおススメスポットです。
詳細記事
・渋谷「SHIBUYA SKY」高さ230mの新名所を建築好きがレポート
・渋谷「つるとんたん渋谷店」内装デザインに注目のうどん店をレポート
設計: 渋谷駅周辺整備計画共同企業体(日建設計+JR東日本建築設計+東急設計コンサルタント+メトロ開発)
デザインアーキテクト :日建設計+隈研吾建築都市設計事務所+SANAA
内装設計(つるとんたん):DESIGN STUDIO CROW
所在地:東京都渋谷区渋谷2丁目24-12
アクセス:渋谷駅直結
竣工:2019年
3.渋谷ヒカリエ
渋谷ヒカリエは、東急文化会館の跡地に建てられた地上34階地下4階の超高層複合施設です。
まるで積み木のような外観デザインによって1000%を超える容積がリズミカルに積み重ねられてられているのが特徴で、単調になりがちな従来の超高層ビルにはない独特のリズムとスケール感をもって渋谷の新たな顔をつくり出しています。
地下深くから地上に貫くアーバンコアと呼ばれる巨大な吹抜けも見所のひとつで、都市を立体的に移動することの楽しさを味わうことができます。
設計:日建設計+東急設計コンサルタント
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1
アクセス:渋谷駅より徒歩約1分
竣工:2012年
備考:2012年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.hikarie.jp/
4.渋谷ストリーム
渋谷ストリームは旧東横線渋谷駅と線路跡地等の再開発によって誕生した複合施設です。
建物の内外にはSTREAM LINEと呼ばれる人や風、光の通り道がにデザインされていて、建物とデッキなどの土木構造物・渋谷川などが一体となった新たな空間がつくりだされています。
施設内の店舗はSTREAM LINE沿いの他、3階の奥の渋南テーブルという飲食エリアは割かし人が少なめなので、穴場のランチスポットとしておススメです。
設計:東急設計コンサルタント+小嶋一浩+赤松佳珠子/シーラカンスアンドアソシエイツ
オフィスロビーデザイン:SUPPOSE DESIGN OFFICE
環境演出:東急エージェンシー+TAKT PROJECT+WOW+evala
所在地:東京都渋谷区渋谷3-21-3
アクセス:渋谷駅より徒歩約3分
竣工:2018年
備考:第62回BCS賞
2019年度グッドデザイン賞
公式HP:https://shibuyastream.jp/
ちなみに渋谷ストリームを訪れた際は、渋谷ストリーム北端から続く渋谷ブリッジも合わせて見てみることをおススメします。
■渋谷ブリッジ
渋谷ブリッジは約200mに渡る旧線路跡地に建てられた商業・オフィス・保育所・ホテル等の複合施設です。
写真のライン状の照明をはじめ、線路の記憶を継承するデザインが満載の建築となっている渋谷の隠れた注目建築です。
設計:東急設計コンサルタント
所在地:東東京都渋谷区東1-29
アクセス:渋谷駅より徒歩約7分
竣工:2018年
公式HP:https://shibuyabridge.jp/
5.SANKYO新東京本社ビル
SANKYO新東京本社ビルは、大手パチンコメーカーSANKYOの本社ビルです。
建築家の大江匡氏率いるプランテック総合計画事務所が手掛けた建物は、渋谷駅のホームからもよく見えるのですが、建物の周囲の竹籠のようなフレームと宙に浮いたようなデザインがなんとも不思議な建物となっています。
先鋭的な建築デザインと伝統的な和の要素を融合させた建築は大江氏の得意な大江匡の得意なデザイン。
近くを通ったら是非訪れたい渋谷の隠れ名建築です。
設計:大江匡(プランテック総合計画事務所)
所在地:東京都渋谷区渋谷3-29-14
アクセス:渋谷駅より徒歩約5分
竣工:1998年
6.べにや工藝ビル
べにや工藝ビルは渋谷の宮益坂を登った所に建つ地上10階地下1階建ての元民芸店・ギャラリーの複合ビルです。
約5m角の小さな塔状の建物は、限られた面積を有効に使う為にコンクリートの中に特殊なピアノ線を仕込んだ特殊な構造となっていて、建物内に柱が一切ないというから驚きです。
西側のアルミのルーバーは建物の中に入る光をコントロールしつつ刻々と変化する外観をつくり出していて、80年代の東京らしい独特のフォルムと表情を楽しめます。
設計:渡辺明設計事務所
所在地:東京都渋谷区渋谷2-16
アクセス:渋谷駅より徒歩約7分
竣工:1987年
7.渋谷シアター・イメージフォーラム
シアター・イメージフォーラムはべにや工藝ビルからすぐのところにあるミニシアターです。
イメージフォーラムといえばアート系・デザイン系の映画を多く上映するシアターとして映画好きのみならず建築好き・デザイン好きにはお馴染みの映画館ですが、ミニシアターの中ではかなり大きめのスクリーンということもあって空間と映画が一体となった没入感を体験できるオススメの映画館です。
建物はまるで古代の時代から残る遺跡のようでもあり、それでいてどこか近未来的な宇宙船のようでもあり、古い味わいと新しいデザインが合わさった不思議な魅力をもっています。
設計:高橋正治
所在地:渋谷区渋谷2-10-2
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分
竣工:2000年
公式HP:http://www.imageforum.co.jp/theatre/
8.東京セントラル宮益坂上(VORT AOYAMA)
東京セントラル宮益坂上(VORT AOYAMA)は青山通り沿いに建つ地上10階地下1階建てのテナントビルです。
有機的なカーブを描く外壁や開口部は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。
ガラスや金属を使ったスタイリッシュな建物が多い渋谷・表参道の中においては一際異彩を放っているのですが、何度も訪れていると以外にも目にも体にも馴染んでくるようにも感じられます。
デザインを手掛けた若林広幸氏はプロダクトデザインも得意としていることもあり、大胆な造形とは裏腹に細部に至るまで計算し尽くされた建築が妙に体に馴染む不思議な建築です。
設計:若林広幸/若林広幸建築研究所
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-12
アクセス:渋谷駅より徒歩約12分、表参道駅より徒歩約4分
竣工:2006年
9.国際連合大学本部ビル
国際連合大学本部ビルは東京セントラル宮益坂上のはす向かいに建つ国連大学の本部施設です。
シンメトリーな山型のフォルムは、はっきりとした象徴性と共に、力強さと格式の高さが同時に表現されたまさに丹下健三氏らしいデザインです。
丹下健三氏の東京都内の建築といえば新宿に建つ東京都庁舎がありますが、このビルができる前年に竣工した東京都庁を凹、国連大学を凸と見ると不思議な共通点があって面白いです。
都庁舎もそうですが、丹下健三氏はやはり国家的なビッグプロジェクトが似合うなと改めて思わせてくれる青山の名建築です。
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設計:丹下健三/丹下健三・都市・建築設計研究所
所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-70
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分、表参道駅より徒歩約5分
竣工:1992年
10.SIA青山ビルディング
SIA青山ビルディングは、国連大学に隣接するこどもの城の脇の小道を程なく進んだところに建つ賃貸オフィスビルです。
高さ60mを超える超高層ビルですが、実はこの建物は9階建て。
5m近い天井高の各フロアには大小様々な開口から存分に自然光が降り注ぐようにデザインされていて、これまでのオフィスの常識に囚われない創造的でフレキシブルなオフィスとなっています。
設計:青木淳/青木淳建築計画事務所
所在地:東京都渋谷区渋谷1-3-5
アクセス:渋谷駅より徒歩約7分
竣工:2008年
備考:2008年度グッドデザイン賞
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