今日は東京都渋谷区の松濤・円山町周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築について紹介したいと思います。
松濤・円山町エリアは高級住宅街である松濤と、ホテル街である円山町が隣接するちょっと変わったエリアですが、特徴的な建築や著名な建築家の隠れた名作が乱立する建築巡りにピッタリのエリアでもあります。
いったいどんな作品と出会ったのか、早速紹介してきたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・松濤エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・松濤エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・松濤エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.シャンボール松涛(梵寿綱)
シャンボール松涛は神泉駅からほどなくのところに建つ地上8階建て全45戸の集合住宅です。
実はこの建築の設計者は日本のガウディと呼ばれることも多い建築家 梵寿綱が初期に手掛けた作品。
まだ梵寿綱を名乗る前の田中俊郎名義で活動していた頃の作品なので他の作品と比べるとかなり大人し目ではありますが、曲線的で優美なバルコニーや庇の造形などに確かな作家性をみることができます。
地形と呼応するような大階段やリズミカルに並ぶ開口部など、梵寿綱氏の確かな建築の構成力・造形力を垣間見ることができます。
尚、梵寿綱氏の都内の建築についてはこちらの記事にもまとめていますので、興味のある方は是非併せてご覧ください。
関連記事
・異端の建築家 梵寿綱がデザインした東京都内のおススメ作品10選【東京】
設計:梵寿綱
所在地:東京都渋谷区松濤2-14-12
アクセス:神泉駅より徒歩約5分
竣工:1969年
2.渋谷区立松濤美術館(白井晟一)
渋谷区立松濤美術館は松濤の閑静な住宅街の中に建つ美術館。
弓なりに大きく広がるファサードが特徴的な建物は半分が地中に埋められていて、美術品を展示するギャラリーの他に研究施設やホールを内包しています。
花崗岩の堂々とした外観の中央にあるエントランスを通って中に入ると、建物の真ん中にあけられた光の筒を中心に様々な所室が連続的に配置されていて、小さな小宇宙が広がっています。
設計:白井晟一/白井晟一研究所
所在地:東京都渋谷区松濤2-14-14
アクセス:神泉駅より徒歩約5分
竣工:1980年
公式HP:https://shoto-museum.jp/
3.松濤の集合住宅(設計組織ADH)
渋谷区立松濤美術館の向かいに建つ松濤の集合住宅は地上3階建て全13戸の集合住宅。
プライバシー等の問題から半地下の駐車場を基壇にして建物高さを上げつつ、外周部はガラスブロックで閉じられていて、その分中央の中庭に開いたつくりが特徴の建物。
コンクリートの柱梁の間は基本的にすべてガラスが嵌め込まれていて、内部空間は刻々と変化する優しい光で満たされています。
設計:設計組織ADH
所在地:東京都渋谷区松濤2-15-1
アクセス:神泉駅より徒歩約5分
竣工:1989年
4.ギャラリーTOM(内藤廣)
様々なギャラリーや美術館がひしめく東京において、特におススメしたい一風変わった美術館がこちらのギャラリーTOM。
ギャラリーTOMは3階建ての住宅に併設されたギャラリーで、「手で鑑賞できるギャラリー」として視覚障害者も手を触れることで楽しめる作品が展示されています。
設計を手掛けたのは日本を代表する建築家 内藤廣氏で、ギャラリーの中では普段私たちが使っている視覚以外に空間を感じられる仕掛けがたくさん施されています。
例えば、トップライトから入る光と影がとても印象的で、光は目で見るのではなく感じるものだ改めて考えさせられました。
設計:内藤廣/内藤廣建築設計事務所
所在地:東京都渋谷区松濤2-11-1
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分、神泉駅より徒歩約6分
竣工:1984年
開館時間:12:00~18:00(展示によって異なるので要確認)
休館日:月曜
公式HP:https://www.gallerytom.co.jp/
5.鍋島松濤公園トイレ(隈研吾)
2020年から日本財団が渋谷区と連携して進める「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは著名な建築家やデザイナーが渋谷区の公衆トイレを次々にデザインして大きな話題となりました。
ここ鍋島松濤公園公衆トイレはその9つ目に完成した公衆トイレで、今や日本一番有名な建築家と言ってもいい隈研吾氏がデザインを手掛けました。
「森のコミチ」をコンセプトに立体的に配置された5つの小屋は、ちょっとした山のようであり、公園の遊具のようでもあります。
訪れる前は、杉板ルーバーがギラギラと取りつく様子がちょっとやりすぎているようにも思えたのですが、実際に訪れてみると公園の景観に自然と馴染んでいて、新しく魅力的な景観を生み出していたのがとても印象的なトイレでした。
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトについてはこちらの記事で詳しくレポートしていますので、興味のある方は是非併せてご覧ください。
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・渋谷のTHE TOKYO TOILETを建築好きが巡る!全トイレを徹底レポート
設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都渋谷区松濤2-10-7
アクセス:神泉駅より徒歩約7分
竣工:2021年
6.ナチュラルエリップス(遠藤政樹+池田昌弘)
円山町のホテル街を歩いていると突如姿を表すナチュラルエリップスは、映画「メッセージ」に出てくる宇宙船のような不思議な2世帯住宅。
内部では螺旋階段を中心に各生活所機能がまとめられていて、従来の矩形で機能的な住宅にはない、新しい生活空間と身体感覚が味わえる住宅となっています。
地上からはあまり見えませんが、建物の上部はぱっくりと口を開けていて、螺旋階段を通じて天からの光を内部に落とし込んでいます。
設計:遠藤政樹+池田昌弘/EDH遠藤設計室+mias
所在地:東京都渋谷区円山町7-1
アクセス:神泉駅より徒歩約4分
竣工:2002年
備考:2004年度グッドデザイン賞
7.渋谷ON AIR WEST(北山孝二郎)
ナチュラルエリップスからホテルの間を縫うように進むと見えてくるON AIR WESTは1990年代初頭に建てられたライブハウスです。
元々は向かいのEASTが1991年、こちらのWESTが1993年につくられ、どちらも建築家の北山孝二郎がデザインを手掛けました。
ライブハウスは「箱」とも呼ばれるように外部と断絶した入れ物としての性格がどうしても強くなりがちな中、街路を取り込むピロティや階段といった仕掛けや、曲がる坂道と呼応するようなスクリーンなど、街との関係性を巧みにデザインに取り入れているのが面白い建築です。
設計:北山孝二郎/K計画事務所
所在地:東京都渋谷区円山町2-3
アクセス:神泉駅より徒歩約5分
竣工:1993年
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