平和島「ヤマトインターナショナル」建築家原広司の名作建築を見学

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今回は東京都大田区にあるヤマトインターナショナル東京本社ビルを見学してきましたのでその模様をレポートしたいと思います。

設計者である原広司氏はもはや伝説といっていいほどに日本の建築界においては有名な建築家ですが、都内で見られる大型の建築は多くはありません。
ヤマトインターナショナルはその意味でも貴重な建築なのですが、実際に見てみると想像以上のボリュームで見どころ満載の作品でした。
ではそんなヤマトインターナショナルについて、早速見ていきたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・ヤマトインターナショナルを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・ヤマトインターナショナルの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・ヤマトインターナショナルの建築的な見どころや注目ポイント

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1.原広司ってどんな人?

まず設計者の原広司氏について簡単に触れたいと思います。
原広司氏は1936年神奈川県川崎市生まれの建築家です。
東京大学大学院博士課程修了後、東洋大学工学部教授、東京大学生産技術研究所教授を経て現在は東京大学名誉教授となっています。

代表作として梅田スカイビルや京都駅ビルなどがあり、戦後の日本を代表する建築家として知られています。

京都駅ビル

こちらの京都駅は実際に訪れたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

2.ヤマトインターナショナル東京本社ビルって?

ヤマトインターナショナル東京本社ビルは大田区の平和島にあるアパレル企業のオフィスビルです。
平和島駅を出て環状7号線を10分程歩いたところにある平和の森公園に隣接した敷地に建てられていますが、この場所は敷地の選定から原広司氏に任せられたとのことです。

そんな敷地に建つのが地上9階建て、長辺方向の長さは140mにもなるこのビルですが、原広司氏の代表作の1つとして都内で見られる貴重な原建築でもあります。

3.早速見学!外観は想像していたものとちょっと違っていた。

環状7号線を歩いてほどなくすると、道路越しに徐々にヤマトインターナショナルの建物が姿を現します。

間近まで近づくと、写真等の資料で見ていた通りのヤマトインターナショナルの姿が徐々に見えてきて感動します。
ここからは道路の反対側には渡れないので、一度階段で下まで降りて道路の下を通りながら向こう側に渡ります。

渡る前に少しこの建物を通り過ぎて意外だったのことは、正面や東側の外観は思ったよりもずっとあっさりしていることです。
あとで分るのですが、公園側の西面には多様な形が合わさったような立面となっていて、反対側はかなりシンプルな外観となっています。
この建物は細長い壁が地面にレイヤー状に建てられたような構成なのですが、東面はあたかも建物を途中で「切断」したかのような綺麗な断面でした。

環状7号線をくぐると徐々に地上部が見えてきます。
地上部もかなりスッキリしたデザインですが、注目したのはそのスケール感。建物のスケールが絶妙で、建築と都市の間といった不思議なサイズ感となっています。

北側から中を覗き込むとそこには壁によって囲まれた広場があります。
残念ながら内部には入れませんが、小刻みに階段が設けられていて、建物の内部と外部が連続しながらも徐々に変化しながら繋がっています。

建物の外に並ぶオブジェ(?)も独特のデザインで、まさに「人の手によって自然をつくる」といったこの時代らしいデザインを感じます。
先ほどの写真を見てもわかるのですが、建物のスケールとしては大きいですが、人の近くにある部位は柱の周りの素材が細かく張り分けられていたり、パーツが分節されていたりして人間のスケールや感覚に訴えてくるあたりは注目ポイントです。

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4.続いて西側に移動!軍艦のような雲のようなデザイン

正面をぐるりと周り込んで公園側にまわると、軍艦のような迫力の外観が姿を表します。

ヤマトインターナショナルでは3階まではタイル貼の外装、4階以上がアルミパネルの外になっています。
上に行くに従ってパーツが分割されていって雲のように空に紛れるように存在感が変化していくのが面白いです。

西側にまわると複雑な建物の外観が姿を現します。
原氏は「建物の中の都市」や「建築の中の集落」といういい方をしていますが、建築の中に都市や集落が持つ複雑性や多様性を体現しようとしています。

原広司は世界の40カ国以上に渡って集落調査をしていて、ちょうどヤマトインターナショナルができた翌年の1987年に「集落の教え100」という書籍も出していますが、長きに渡って続けてきた集落調査が建築のデザインに変換されています。

同じ形を繰り返しているようでちょっと違う、ルールに基づいているようで無秩序にも見えるデザインはその成果の1つでしょう。
竣工から30年以上経ってみてみても、この建物が新しいのか古いのか分らない、不思議な建築に見えるのはこの建築がそういった集落が抽象化された都市とも建築ともいえない人工物だからでしょうか。

このアルミパネルは私が訪れた時は快晴の日中の光を反射して輝いていましたが、夕暮れ時や雨の日などその日の天候や季節によってその表情を変えていきます。

残念ながら開口部は全て閉じられているので内部を窺い知ることができませんでしたが、内部の多様性や空間演出も資料を見る限りは相当なものです。
今回は外部のみの見学となりましたが、とても興味深い大満足の建築見学ができました。

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ヤマトインターナショナル
設計:原広司/アトリエ・ファイ建築研究所
所在地:東京都大田区平和島5-1-1
アクセス:平和島駅より徒歩約10分
竣工:1986年
備考:第29回BCS賞


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