せせらぎ館がスゴい!隈研吾氏デザインの話題の施設を徹底レポート【東京多摩川】

今日は多摩川駅の駅前でできた田園調布せせらぎ館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
せせらぎ館は隈研吾氏がデザインを手掛けたことでも大きな話題となった建築ですが、いったいどんな建築なのか、早速見ていきましょう!

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1.田園調布せせらぎ館ってどんな建物?

田園調布せせらぎ館は東急東横線・目黒線・多摩川線の多摩川駅の駅前のせせらぎ公園内に建てられた休憩施設、集会・体験学習施設等の複合施設です。
2021年の1月にオープンした施設は、建築デザインを新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅などを手掛けた隈研吾氏が手掛けたことでも大きな話題となりました。
隈研吾氏の建築と言えばこのブログでも度々建築レポートを書いている日本を代表する建築家の一人です。そんな隈氏の建築とあれば一度見ておかねばということで今回実際に訪れてみました。

多摩川駅のある東急線はよく使う路線なのでホームは何度も利用しているのですが、降りるのは今回が初めて。
改札を出て南口の階段を降りると早速、今回の目的地であるせせらぎ館に到着です。
思ったよりもずっと駅近なことに驚きます。

せせらぎ館の建物は東横線の高架に沿うように建っていて、この建物をゲートのようにしてせせらぎ公園に入ります。
建物は鉄骨2階建て、延べ約2500㎡の建物は「森の縁側」をキーコンセプトに公園の敷地境界線に沿うように細長い形で計画されています。

建物は大きく2つのブロックに分かれていて、駅に近いエリアは平屋建てのカフェ「ルシェロ」や休憩スペースが、奥のエリアは2階建てで図書スペースや会議室、多目的スペースなどが配置されています。
この2つのスペースを大きな傾斜屋根が繋いでいて、公園と街との間のゲートのような役割もしています。

こちらは建物の全体模型。奥側が多摩川駅で手前がせせらぎ公園です。
近年の隈研吾氏の建築は「屋根」のデザインに力を入れていますが、このせせらぎ館でも機能も階数も違う2つの棟を大きな屋根が1つにまとめて繋げているのが分かります。

2.外観には隈研吾らしいデザインが散りばめられている

せせらぎ公園の広場側にまわってみると、建物の壁面のガラスに広場が映し出されていて、建物の内部まで広場が広がっているようにも見えます。
先ほど隈研吾氏の作品は「屋根」の建築ということに少し触れましたが、正に広場に屋根だけが浮かんでいるようにも言えるデザインです。

これは高輪ゲートウェイ駅や浅草文化観光センターなどにもよく見られる特徴ですが、日本の伝統的な建築のイメージにも合致します。
この辺りが隈研吾氏が和の大家と呼ばれている所以でもありますが、このせせらぎ館でもその特徴がよく分かります。

公園の緑を取り入れながら、建物の内部と外部の境界を曖昧にしています。
特に雑木林の木々が反射する部分は実際に見るとかなり美しいです。

こちらは建物の奥側です。細かく分割した木の垂直材が建物の壁感を軽減しています。これは雷門の前に立つ浅草文化観光センターなどで試した手法でもあります。
ただしこの木の垂直材のデザインはちょっとチープでもあり美しさという点では今一つのように感じました。

もう一点、外観周りで残念だったのが基本的にこの建物には写真のような段差解消スロープがないと上がれないこと。
雑誌等に掲載されている写真はこのスロープのない綺麗な水平デッキなのですが、実際にはこういったスロープは欠かせません。
これからの時代益々増えていくであろう高齢者の方だけでなく、ベビーカーを押す親子などもかなり大変そうに見えました。
設計者は最初から分かっていて、見た目のデザインを優先してあえてスロープを設けない設計をしたのだと思いますが、本当にそれでいいのか大きな疑問が残ります。


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3.内部に突入!まずは南側のカフェを見学

2つの棟のうち南側の棟にはカフェ「ルシェロ」と休憩スペースがあります。
こちらの棟は「はなれ」をイメージしたとされていて、目前にはせせらぎ公園の広場が広がります。
カフェの席数は48席とのことですが、見た感じは結構余裕目に配置されています。お昼時などは中々に混雑する感じなので座れるからタイミング次第とった感じです。

カフェでは公園でも食べられるパン屋バーガーが並んでいる他、モーニングやランチメニューもあります。
私はうかつにも他のベーカリーでパンをテイクアウトしてしまったので今回は購入せず。次回来た時には頼んでみようと思います。

4.北側の棟には周辺住民が楽しめる機能が集結

続いてカフェの入る南側の棟を出て、図書スペースや会議室の入る北側の棟に移動します。
北棟1階では大田区図書館にある資料の予約・受取・返却などができる他、壁面につくられた本棚「せせらぎ文庫」では、館内で自由に読める本や雑誌が並べられています。

こちらは冊数・席数としてはかなり少な目ではありますが、初めて来た人にとっては結構楽しめます。
せせらぎ館では床・天井ともに気をふんだんに使ったデザインが特徴ですが、壁面には本を使って木のイメージを取り入れているのはかなりクールです。
上部に飾られた造花は本能に余計なので、ここはもう少し徹底的に本棚をつくりこんでくれればよかったのにと個人的には感じます。(あと席も少なすぎるので予算やスペースの問題はあると思いますがもう少し増やしてほしいなーと思ったりもします、実際に使う立場で考えるとですが。)

図書スペースの奥と2階は個室として区切られた多目的室スペースや会議室となっていて、会議や講演会の他に音楽練習、ダンス等様々な用途で使えます。
ピアノやプロジェクターの貸し出しもしているようなので、これからどんどん地域の人たちに使われていくといいですね。

会議室は間仕切りを取り払って大空間としても利用できます。
私が訪れた時は1つの大きなギャラリーとして使用されていました。

2階は基本的には突き当りがすべて外部に開放されていて、せせらぎ公園の緑や前面道路の抜けがうまく取り入れられています。
特に公園側は、連続した木の天井によって目前の自然に「投げだされる」ような感覚があって気持ちよかったです。

予算が限られる中、最初の外観は少しチープに感じていたのですが、実際に体験してみると隈研吾氏が他の実作を通して実現してきた様々な工夫が詰まった建築となっていました。
様々な批判も抱える建物でもありますが、この建物が今後地域の人たちの中でどう使われ、どう評価されるか注目したいと思います。


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