建築見学におススメの両国の建築まとめ【東京両国】

みなさん「両国」と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。
まずは相撲というイメージの方も多いと思いますが、今両国は建築見学に一押しの街になっているのはご存知でしょうか。

相撲のイメージの通り国技館や江戸東京博物館に加え、近年では妹島和世さんの建築が相次いでできたり、伊東忠太氏の隠れた最高傑作ともいわれる建築があったり、昭和初期の駅舎がリニューアルしたりと、実は東京でも類を見ない建築パワースポットになっているのです。
今回はそんな両国で建築巡りをしてきましたので、両国駅周辺の建築についてまとめて紹介していきたいと思います。

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1.JR両国駅(鉄道省建築課)

最初に紹介するJR両国駅は千葉方面のターミナル駅としてスタートし、1929年につくられた駅舎です。
鉄筋コンクリート造の駅舎としては上野駅より前の竣工。今も残る丸時計が、当時時計というものが個人が持ち歩くものではなく公共的なものであったことを実感できます。

今は使われなくなった通路を改修したステーションギャラリーが2015年にオープン、2016年には一部を大幅改修して「江戸NOREN」としてグランドオープンしました。
見どころが満載なので、単なる通過点としてだけでなく、時間をとってじっくり見て周るのがおススメの建築です。

設計:鉄道省建築課
所在地:東京都墨田区横網1-4-29
竣工:1929年

2.江戸東京博物館(菊竹清訓)

両国駅前すぐの場所に建つ江戸東京博物館は、江戸東京の文化の保存と継承、未来につながる文化の創造を目指した博物館です。
4本の巨大な大柱と2本の大梁のメガストラクチャーで建物を支え、その他のサブストラクチャーの部分は時代の変化に応じて可変できるようなフレキシブルな展示空間を目指した建築です。
高さは江戸城の天守閣と同じ約62m、建築当初は批判も多かったそうですが、今ではすっかり両国の顔といったかたちで堂々と鎮座している様が面白いです。
詳しい建築の解説はこちらの「江戸東京博物館は両国に鎮座する巨大生物!!」でも紹介しています。

設計:菊竹清訓
所在地:東京都墨田区横網1-4-1
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約1分、大江戸線両国駅徒歩約1分
竣工:1993年

3.両国国技館(鹿島建設+杉山隆建築設計事務所)

次に訪れたのは相撲の殿堂国技館です。
現在の国技館は3代目にあたり、建物は地下1階にある土俵を囲んで客席をすり鉢状に配置され、そこに大きな屋根がかかっている構成です。
自動で吊り上がる吊り屋根や可動式で格納が可能な土俵なども導入され、伝統と技術の融合といった建物です。相撲以外の興行にも使用可能なので、機会があれば是非内部を見ておきたい建物です。

設計:鹿島建設+杉山隆建築設計事務所
所在地:東京都墨田区横網1-3-28
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約3分、大江戸線両国駅徒歩約4分
竣工:1984年

4.東京都慰霊堂(伊東忠太)

国技館の裏手に建つ東京都慰霊堂は大正12年の関東大震災に際して約3万以上もの命が奪われたことに対して建てられた慰霊堂です。
設計者の伊東忠太はインド風の意匠と和風の意匠が融合した築地本願寺の設計でも知られますが、こちらの東京都慰霊堂はバジリカ式のキリスト教会の和風の意匠が混合されていてとても不思議な建築です。
築地本願寺では外はインド風、中は和風でしたが、こちらの慰霊堂は外は和風で中はキリスト教というのも面白いです。
伊藤忠太のトレードマークでもある魑魅魍魎も健在で、壁や屋根の上に様々な生き物が配置されているので、訪れた際は珍獣探しをしてみるのも面白いです。

設計:伊東忠太
所在地:東京都墨田区横網2-3-25
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約7分、大江戸線両国駅徒歩約6分
竣工:1930年

5.東京都復興記念館(伊藤忠太+佐野利器)

東京都復興記念館は東京都慰霊堂と同じ敷地に建つ展示施設で、東京都慰霊堂の翌年の1931年に建てられた建築です。
2017年~2019年にかけて大きな改修が行われていましたが、2020年に改修を終えて再オープンしました。
褐色のスクラッチタイル張りの外観は東京都慰霊堂とは大きく印象が異なりますが、正面の柱上の装飾の上部に鎮座する珍獣は健在です。
大改修によって補修されたタイルや装飾によって細かい陰影が浮かび上がっていて、シンプルながら表情豊かな建築となっています。

設計:伊藤忠太+佐野利器
所在地:東京都墨田区横網2-3-25
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約7分、大江戸線両国駅徒歩約6分
竣工:1931年

6.刀剣博物館(槇文彦/槇総合計画事務所)

刀剣博物館は旧安田庭園に隣接して建つ博物館です。
もともとこの場所には両国公会堂(森山松之助/1926年竣工)が建っていましたが、老朽化や耐震改修の問題から取り壊しとなってしまいました。
跡地に建てられた刀剣博物館は代官山ヒルサイドテラスや東京体育館の設計者としても知られる槇文彦氏が設計を手掛け、庭園側には両国公会堂の記憶を継承するような円形のシルエットとなっています。
コンクリートは面によって微妙に仕上げが異なっていて、図形の組み合わせや水平庇なはこの後紹介する槇文彦氏設計のYKK60ビルとも共通していて面白いです。

設計:槇文彦/槇総合計画事務所
所在地:東京都墨田区横網1-12-9
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約6分、大江戸線両国駅徒歩約5分
竣工:2017年

7.両国湯屋 江戸遊(久保都島建築設計事務所)

両国湯屋 江戸遊は両国駅からほどなく歩いた北斎通りに沿いの温浴施設「江戸遊」のリニューアルプロジェクトです。
両国の地に建つスーパー銭湯として江戸をテーマにした「のれん」のようになびいたファサードが特徴的な建物で、江戸小紋柄のパンチングメタルのファサードからは、人の動きに合わせて動いているようなダイナミックさと軽やかさを感じます。
建物の前を通り過ぎる人々皆が思わず上を見上げているのがとても印象的でもありました。

設計:久保都島建築設計事務所
所在地:東京都墨田区亀沢1-5-8
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約7分、大江戸線両国駅徒歩約2分
竣工:2019年

後半も妹島和世や槇文彦といった有名建築家の作品がズラリ…


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