下北沢「BONUS TRACK」注目の新たな商店街建築をレポート

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今回は下北沢の線路跡地に建てられた注目の商店街「BONUS TRACK」を訪れてきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
文化の発信地として発展してきた下北沢に吹いた新たな風として大注目のプロジェクトですが、実際に行ってみると想像以上に驚くことばかりでした。
今回はそんな話題のスポットについて訪れた感想やデザイン的な注目ポイントを紹介していきたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・BONUS TRACKを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・BONUS TRACKの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・BONUS TRACKの建築的な見どころや注目ポイント

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1.BONUS TRACK(ボーナストラック)ってどんな場所?

ボーナストラックは「下北沢駅」と「世田谷代田駅」のちょうど中間地点下北線路街と呼ばれるエリアに2020年4月にオープンした商店街です。
もともと下北線路街は、小田急線の東北沢駅~世田谷代田駅の地下化によって生まれた約1.7kmにも及ぶ線路跡地でしたが、この一部を利用して全5棟の建築に14店舗が入る「商店街」がつくられました。
設計は下北沢駅前空間を活用した「下北線路街 空き地」プロジェクトなども手掛ける新進気鋭の建築家集団「ツバメアーキテクツ」が行っています。

下北線路街 空き地プロジェクト

「ボーナストラック」の名称は、元々は線路があった場所をお店や広場として活用することができる「ボーナス」と、線路跡地としての「トラック」を掛け合わせたネーミングです。
また、音楽における「ボーナストラック」で本来のアルバム構成から外れてアーティストのやりたい事や遊び心を表現するように、色々な人が様々な余白や遊び心をチャレンジできる場としての意味も込められています。

14店舗には本好きには有名な「本屋B & B」をはじめ、「日記屋 月日」「胃袋にズキュン はなれ」「恋する豚研究所 コロッケカフェ」など個性的な店が軒を連ねる注目スポットとなっています。

2.早速潜入!住宅街の先に見えてくるシルバーの外観

下北沢駅を降りて、緩やかな坂を上がりながら5分程歩くと、今回の目的地である「ボーナストラック」が見えてきます。
手前は駐車場と駐輪スペースになっていて、奥に向かって建物群が続いていくのが見えます。

思った以上に簡素な外観に少し驚きますが、コストを可能な限り抑えつつその先は各店舗が外装をカスタマイズできるように考えられています。
建築家がこういった建物群を考える時は竣工時に「完璧にデザインされた手を入れるスキのない作品」となりがちですが、そういった意味でこのボーナストラックは入居する商店と共にこれから創り上げていくのだという設計思想が見てとれます。

敷地は建物の横の散策道と、建物のに囲まれた中庭の2つの「川」から構成されていて、木造2階建ての小さな5つの建築群がポコポコと位置をずらしながら隣接しています。

下北沢は近年地価が高騰してして、新規テナントが入居しづらい状況が加速しています。
そうするとどうしても大手のテナントのみが入居するということになりがちになるのですが、BONUS TRACKでは区画割りを小さくするととでシモキタらしい店舗が参入する場所をつくろうとしています。

また、建物は全部で5棟なのですが、それぞれの建物が少しずつずれながら配置されているのと、1つの棟の中でもテナントごとにボリュームが分節されているので、棟の数以上に小さなボリュームの集まりに感じられるのは隠れたチェックポイントです。

3.個性的で刺激的な店舗がズラリ

外観もユニークな工夫がいっぱいなのですが、中に入る店舗も個性的です。
まずは下北沢側から歩いてきて最初に目に入ってくるのは商業棟です。ここの2階にはいるのは様々なトークイベントの企画でも知られる「本屋B & B」

もともと下北沢の駅前にありましたが、BONUS TRACKの開業と共に移転してきました。
B & Bは毎週のように著名人や著者を招いてトークセッションや刊行記念イベントを行っているので本好きにはたまらないスポットです。

この商業棟の1階には世界各国の発酵食品を販売する「発酵デパートメント」や千葉の「恋する豚」をつかった「恋する豚研究所 コロッケカフェ」が入ります。
カフェなので中で一息つくことも出来ますが、せっかくならばコロッケを片手に商店街を散策するという商店街ぶらの醍醐味を味わいたいですね。

続いて4棟ある長屋のうちの1つに入る「日記屋 月日」
こちらはなんと日記の専門店で、様々な日記帳の販売を行っていて、ちょっとしたカフェになっています。
店内はブックカフェのようになっているので、ふらっと入って日記の世界に思いをはせながら一息つくと至福の時間を過ごせます。
BONUS TRACKでは他にも「本の読める店 fuzkue」など本にまつわる店舗が複数店舗あるので本好きの人に特におススメしたいスポットでもあります。

日本の魅力再発見をコンセプトにした和の焼き菓子と酒のお店「胃袋にズキュン はなれ」もおススメです。
BONUS TRACKでは食系の魅力的なお店がたくさんあって、どこで食べようか迷ってしまうほど。
この他にも本格的なお粥と日本酒が楽しめる「お粥とお酒 ANDON」やカレーと酒の店「ADDA アッダ」など一度来ただけでは味わえ尽くせない仕組みにもなっていました。
気に行ったら何度でも訪れたい、そんな繰り返し訪れる商店街にデザインされているように感じました。

4.デザイン好きとしては細かいファニチャーにも注目!

最後にデザイン好きとして注目したいのは細かいファニチャー(街路にあるベンチなどの備品)です。
例えばこちらの手すりは緩やかなスロープに設けられた補助手すりなのですが、お店に行列ができた時には列が街路にはみ出さないような人のガイドにもなっています。

また手すりの上部には木調の天板があるので列に並びながら他の店舗で買ったコーヒーを置いて一息といった光景が実際に見られました。
1つのアイテムに色々な活用方法ができるようなデザインがされているのは要チェックですね。

こちらの野外席では、よく見るとベンチが建物基礎と一体化して建物から伸びているのがとてもユニークです。
BONUS TRACKではイチから商店街群をデザインしているからこそ可能建築そのものを利用したデザイン各店舗の繋がりを意識したデザインを随所に見ることができます。
普段はあまり意識しない部分ではありますが、建築やデザイン好きとしてはちょっと注意してみると面白い発見をいくつも見つけることができます。

いかがでしたでしょうか。
今回下北沢に出来た話題の新スポットということで訪れてみましたが、想像以上に魅力的な店舗と空間を味わえました。
皆さんも機会があれば是非トリップしてみて下さい。

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BONUS TRACK
設計:ツバメアーキテクツ
所在地:東京都世田谷区代田2-36-15
アクセス:下北沢駅より徒歩約5分
竣工:2020年
公式HP:http://bonus-track.net/


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