渋谷「北谷稲荷神社」建築家菊竹清訓がデザインした素敵な神社をレポート

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今日は東京渋谷の北谷稲荷神社を見学してきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
いったいどんな神社だったのか、早速紹介していきたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・北谷稲荷神社を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・北谷稲荷神社の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・北谷稲荷神社の建築的な見どころや注目ポイント

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1.都心の真ん中に現れる現代的な神社に注目

今日訪れたのは渋谷駅から公園通りを登ったところにある北谷稲荷神社です。
目の前に代々木公園や国立代々木競技場が建つ都心の真ん中に建築家菊竹清訓氏がデザインした神社があると知り早速訪れてきました。

北谷稲荷神社

北谷エリアといえばリニューアルオープンした北谷公園を先日レポートしましたが、北谷稲荷神社はそこからさらに代々木公園側に移動した場所にあります。
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代々木公園に隣接する大通りを程なく歩くと北谷稲荷神社の入り口が見えてきます。
コンクリートの擁壁と階段からは一見してここが神社であることは分かりません。
後から知ったのですが、敷地南側には日月鳥居と呼ばれる特徴的な鳥居が設置されたもう1つの入口があるそうで、この日は知らずに北側からアクセスしてしまいました。

北谷稲荷神社

階段を上ると見えてくるのが神社の境内。
左手に見えるのが社殿、右手に見えるのが社務所を含むオフィスビルです。
間に架けられた軽やかな屋根をくぐって境内の中に入ります。

北谷稲荷神社

北谷稲荷神社の正確な創建年は不明で、わずかに残された資料から1400年代の半ばに創立されたと考えられているそうです。
その後1945年の戦火によって社殿を始めたすべての建物が焼失してしまいましたが、1958年には総檜造りの拝殿をはじめ社務所や神楽殿が再建されたそうです。
現在の拝殿や社務所はそれらの建物の老朽化によって1997年に建て替えられたもの。写真正面にある水盤などを除いて建物のデザインは一新され、現在のような現代的な建物を持つ神社へと生まれ変わりました。

江戸東京博物館(両国)

建築のデザインを手掛けたのは日本を代表する建築家である菊竹清訓(きくたけきよのり)氏。
菊竹氏といえば以前ブログでも紹介した両国の江戸東京博物館や島根の出雲大社庁の舎をはじめ数々の有名建築を設計したことでも知られる建築家。
まさに建築好きとしては見逃せない神社ということで、ワクワクしながら境内を進みます。

2.建築家 菊竹清訓氏がデザインした社殿に注目!

北谷稲荷神社

境内を進み、代々木公園のほうに振り替えると姿を現すのは、想像以上に現代的なデザインの拝殿です。
緩やかな曲線を描く屋根が空中に浮かぶようなデザインの建物は、一見すると神社であることに気づかないほどです。
屋根の中央が切りかかれていて、扁額が嵌め込まれているのが何とも可愛らしいです。

北谷稲荷神社

側面を見てみると、緩やかにカーブする屋根が流造を原型にしたデザインとなっていることが分かります。
流造は神明造から発展した神社の様式で、現在多くの神社で見ることが出来きる様式。
この建築が面白いのは横から見ると流造の屋根ですが、正面から見ると全く違った形に見えるようにデザインされていこと。
見る位置によって全く異なるデザイン見えるこの仕掛けによって、この神社ならではのオリジナリティのある形態と象徴性を獲得していることは隠れた注目ポイントです。

北谷稲荷神社

屋根の下にあるガラスの正面デザインは屋根の軽やかさをより強調しています。
よくよく観察していると、黒い斜めの格子状のデザインは、神社でよく見る白い紙垂(しで)をモチーフにしていることに気づきます。
伝統的な神社にまつわるモチーフを変換して現代の建築に表現しているのは興味深いですね。

北谷稲荷神社

写真の奥に少しだけ見えるのは社殿の側面埋め込まれた土師家天満宮。
その横には麻疹神社が境内社として配置されています。
近づいてみると屋根の形は平面的にもカーブしていて、美しいラインを描いています。

3.境内を散策!現代的な都心の神社を満喫しよう

北谷稲荷神社

境内の中を改めて見てみると、境内の石畳に描かれた円形の模様は参道に沿って並べられていたり、社務所の入る第7共同ビルの庇も拝殿の屋根と一体となるようにデザインされていることに気づきます。

北谷稲荷神社

社務所は第7共同ビルの内部に入っていて、御朱印をもらったり参拝客の休憩スペースにもなっています。

北谷稲荷神社

ビルの側面は一面ガラス張りになっていて、空の模様を美しく映し出していました。
建て替えに当たっては、都心の一等地ということもあり一部を賃貸オフィスなどの収益施設にする必要があったのだと思いますが、現代的な拝殿のデザインとよくマッチしています。

北谷稲荷神社

最後にピロティの水洗に設けられた紙垂をパチリ。
見つけた時は思わずニヤリとしてしまいましたが、この神社であればこれもアリでしょう。

菊竹清訓氏のデザインと聞いて訪れた北谷稲荷神社でしたが、小さいながらいろいろな発見や見どころが満載の神社体験となりました。
皆さんも機会があれば是非トリップしてみて下さいね!

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北谷稲荷神社・第7共同ビル
設計:菊竹清訓/菊竹清訓建築設計事務所
所在地:東京都渋谷区神南1-4-1
アクセス:渋谷駅より徒歩約10分、原宿駅より徒歩約10分
竣工:1997年
公式HP:https://www.kitayainari.com/


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