池上本門寺で初詣!建築から除夜の鐘の突き方まで徹底レポート

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今回は池上本門寺で除夜の鐘突きと初詣をしてきましたので、初詣や除夜の鐘について混雑状況や注意点、そして数百年の歴史の積み重なった建築についてもレポートしたいと思います。

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1.池上本門寺とは?その歴史を探る

池上本門寺は東京都大田区にある、700年以上の歴史をもつ日蓮宗の大本山です。
その歴史は1282年にまで遡り、日蓮聖人が当時の武蔵国池上郷の郷主・池上宗仲公の館にて亡くなった後、法華経の字数(69384)に合わせて約7万坪の寺域が寄進され「池上本門寺」となりました。

その後江戸時代には徳川家や加藤清正などの外護を得て発展を遂げ、現在も残る五重塔や経蔵は主にこの時代に建設されたものです。

また、裏手にある松濤園は小堀遠州による作ですが、幕末には江戸城の無血開城のため西郷隆盛と勝海舟が会見を行うなど歴史的な契機でも重要な役割を果たしました。
しかし第2次世界大戦も終わりに近づく1945年4月の京浜地区空襲で伽藍の殆どを焼失するという悲劇に見舞われます。
その後、戦後の復興と共に徐々に再建され、現在の姿となっています。
現在池上駅は一日当たりの乗降者数約36000人、池上本門寺の初詣の参拝者数は15万人を超える人気のスポットとなっています。

2.アクセスと混雑状況

池上本門寺は東京都大田区池上1丁目に位置し、電車の場合は東急池上線池上駅から徒歩10分のアクセスとなります。
元々東急池上線は今から約100年前、1922年に池上本門寺への参拝者を輸送する為に池上-蒲田間を結ぶ路線として開業したのが始まりです。

池上本門寺へは都営浅草線西馬込駅からも徒歩12分ほどでアクセスすることが可能ですが、せっかく訪れるので貼れば参道を通る池上駅からアクセスすることをおススメします。
ちなみに車での参拝も可能で、台数は少ないですが境内に駐車場もあります。周辺のコインパーキングも比較的空いていた印象ですが、可能であれば公共交通機関でアクセスすることをおススメします。

池上本門寺の初詣の参拝者は約15万人にのぼり、都内でも有数の参拝者数となっています。
実際に訪れた感じでは行列もそれなりにできますが、1月1日の0時過ぎでも10分~15分ぐらいで参拝できるので、そこまで待ち時間を心配する必要はありません。

3.早速参拝!深夜の池上本門寺を巡る

池上駅から参道を10分程歩いていくと、まず見えてくるのは池上本門寺の玄関口である総門です。
この総門は1945年の空襲の戦火を免れた貴重な古建築で、17世紀末~18世紀初頭の江戸時代に建設されたものです。

総門をくぐると96段の石積参道がありますが、こちらも今から約400年前に築城家としても有名な加藤清正公によって建設が進められたものです。

石段を登り終えると屋台と仁王門がお出迎え。
この時は22:30ごろでしたが、すでに営業を始めている屋台もチラホラあります。詳しくは後述しますがこの後続々と屋台がオープンしていき、境内はかなり賑わいます。

仁王門をくぐると正面に見えるのが大堂です。
池上本門寺は1945年の戦火でそのほとんどが焼失していますが、この大堂も戦後再建されたもので、1964年の竣工。2006年には耐震工事や大規模な屋根の修繕が行われていますが、それでも50年以上前の建物だけあって風格があります。
私の場合は除夜の鐘を突きましたので、実際には後述する除夜の鐘の行列に並び、その後参拝をしました。0時ジャストには15分くらいの行列ができていましたが、待ち時間的にはほとんど待たずに参拝することができます。

また、大堂で参拝が終わったあとも、境内最奥には日蓮聖人の御灰骨を奉安する墓塔「御廟所」があったり(両国国技館の設計でも知られる建築家 今里隆による設計)、1828年に建てられ国の重要文化財にも指定されている多宝塔など見どころが満載です。

4.屋台やおみくじは?気になるその実態をレポート!

まず屋台についてですが、年明け前こそ少なく感じていましたが、最終的には20~30店舗ほどの屋台が軒を連ねています。

たこ焼き、焼きそば、わたあめ、お好み焼き、フランクフルトなどなど一通りのお店はそろっています。
また、近くに簡易なテーブルスペースも用意されているので、ゲットした食べ物はそこで食べることも出来ます。

冬の夜の寒さはかなりのものなので防寒対策をしつつも温かい食べ物は体にしみます。屋台数も多いので私が訪れた23:00~1:00の時間はほとんど並ぶことなく建物をゲットできました。

次に気になるのはおみくじですが、こちらも境内で引くことができます。おみくじ代は100円ですので小銭の準備を忘れないようにしましょう。
私が訪れた深夜の時間帯は1つのテントだけだったので、おみくじには正直参拝の行列よりも長い列ができていました

また、大堂前では御朱印の他、正月限定の開運、招福の御守である福鳩守も販売されていますので興味のある方はこちらも要チェックです。

その他にも、古い御守のお炊き上げ受付などもあるので、必要に応じて対応してもらうようにしましょう。

5.除夜の鐘がつける!一度は体験したい本門寺の鐘突きをレポート

池上本門寺では一般の参列者も除夜の鐘を突くことができます。
とはいえ例年ものすごい数の参拝者が訪れる池上本門寺。以前池袋駅から歩いて約15分のところにある威光山法明寺の除夜の鐘を突きに行った時は、0:00頃に並び始めて無事鐘を突けたのですが、池上本門寺はもう少し早く並ばないと間に合いません。

実際に除夜の鐘をついた体験から「当日の様子はどんな感じなのか」「何時くらいから並べはよいのか」などの疑問点に答えたいと思います。

□除夜の鐘を突くための基本情報※2019年に行った時の情報です
整理券配布:12/31 23:00~
配布場所:鐘楼堂前にて
料金:無料
人数制限:先着600人

□何時から並べはいいのか?どれくらい待つのか?

私が訪れたのは整理券配布が始まる15分前の22:45ごろですが、この時既ににかなりの行列ができています。
600人限定とのことですが、特にストップがかかることなく23:00の整理券配布が始まるまで並びます。整理券を貰う瞬間までいつ締め切られるかわからないのでとヒヤヒヤしながら待ちます。

23:00になると前から順番に整理券が配られていき91番!池上本門寺では6人同時に鐘の紐を引きますので546番前後ということですね。600人までなのでかなりギリギリ!!

池上本門寺で除夜の鐘を突くには22:45でギリギリ500人~600人目23:00頃に並ぶとギリギリ600番内に入るか、漏れてしまうかの境界線ということになります。余裕を持つならば22:30ごろには並びたいところです。
22:30に並べば各年の誤差を考えても除夜の鐘をつける600人には入れると思います。

□整理券ゲット後から鐘を突くまで
整理券は15分程で配り終え、その後は一旦解散となりますので、境内の気になる建築を見たり屋台で温かい食べ物を食べたりして0:00を待ちます。

0:00ちょうどになると住職さんがまず数回鐘をつき、その後一般の人々の鐘突きがスタート!
1番から順番に整理券の番号の順番に呼ばれていきます。108の鐘が突かれるまで45分から1時間といったところでしょうか。呼ばれたら階段を登って鐘の裏側まで行き、6人で6本のひもを引いて鐘を鳴らします。

荘厳な音と共に街に鐘の音が鳴り響く体験から1年がスタートです。
かなりの冷え込みがありましたが、除夜の鐘突きは是非体験してほしい年始のイベントです。

6.建築に注目!江戸から現代まで貴重な建築が目白押し!

池上本門寺の建築は空襲によりそのほとんどが焼失してしましましたが、五重塔や経蔵など一部の建物が奇跡的にも残されています。
また戦後には再建された大堂や本殿などが再建されましたが、これらのメインの建築を最後にひとまとめにする役割を担っている今里隆氏設計の大客殿や、奥にひっそりと建つ隠れ名建築 御廟所にも注目したいところです。

池上本門寺でひと際美しく聳え立つ五重塔 1608年に建立され、31.8mもの高さを誇る国の重要文化財です。
元々は現在の鐘楼堂と対の位置に建てられたが、1614年の大地震で傾むいたために1701年に徳川5代将軍綱吉公の命で現在地へ移築・修復されたものです。

五重塔のほかにも経蔵や多宝塔が戦火を免れ残っています。
経蔵は最初の経蔵の建設年は不明ですが、一度1710年に焼失後、1717年に再建されました。

多宝塔は少しわかりずらい位置にありますが、1828年に建てられこちらも国の重要文化財にも指定されています。

池上本門寺

石造の基壇の上に造られた木造の宝塔形式の塔婆は現存例も少なく、ここまで大型のものは極めて貴重な歴史遺構ともいわれています。

また、最初に通った山門も江戸時代17世紀末~18世紀初頭頃に建設され、安藤広重の「江戸みやげ」や「江戸近郊八景」にも描かれています。

大堂、鐘楼は戦後に再建され、1964年に竣工しました。設計は根崎建築設計事務所によるもので、戦後の池上本門寺の再建の象徴でもあります。

1969年に建てられた本殿は敷地の奥に建ちますが、これは元々の釈迦堂を再建したもので、この時場所も旧祖師堂の左隣から境内の奥に移されました。
戦後の復興、建替の際には他のお寺からも参考とされるなど、現代的な鉄筋コンクリート造の仏堂建築として高く評価されているそうです。

最後に見逃せないのは1978年に建てられた大客殿と1979年に建てられた御廟所です。
大客殿は戦後に再建された池上本門寺の最後期に建てられ、時代と共に徐々に建てられていった各建築を繋げ、まとめる役割をしている建築です。

設計は日本建築の大家である今里隆氏によるものです。今里隆氏は後に両国国技館の設計も行った建築家で、吉田五十八の弟子に当たる人物です。

既に再建されている大堂や本殿を際立たせるために地下3階に学僧や食堂を納め、2階建ての大屋根の下に客間が配置されています。
高さは低く見えるのですが、中間のスリットから内部に光が入り内部も美しい建築です。

また、御廟所は境内の一番奥にありますが、八角堂ともいわれ、中に柱のない建築となっています。
日蓮聖人の御灰骨を奉安する墓塔を廟堂内中央に祀っていますが、その美しいプロポーションは必見です。

大客殿、御廟所設計:今里隆/杉山隆事務所
大堂、鐘楼設計:根崎建築設計事務所
所在地:東京都大田区池上1-1-1
アクセス:池上駅より徒歩約10分、西馬込駅より徒歩約12分
竣工:1608年~

いかがでしたでしょうか。
この度池上本門寺で除夜の鐘をついて初詣をしてきましたが、想像以上に歴史的価値のある建築だったことに驚きました。
今回は見れませんでしたが、春には小堀遠州による松涛園が一般公開されていたりと、季節ごとに面白い催しも満載のスポットですので機会があれば再訪してみたいと思いました。

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