春日部「首都圏外郭放水路」知られざる地下神殿を見学&レポート

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今回は埼玉県春日部市の地下にある首都圏外郭放水路についてご紹介したいと思います。
首都圏外郭放水路は別名「地下神殿」とも呼ばれる地下放水路ですが、実はこの壮大な空間は一般公開もされているので申し込みさえすれば体験することもできるのです。

今回は首都圏外郭放水路を訪れた体験をもとに、その魅了や見学方法についてレポートしていきたいと思います。

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1.首都圏外郭放水路とは

首都圏外郭放水路とは埼玉県の春日部市の国道16号直下に沿って地底50m、約6.3kmに渡って設けられた世界最大級の地下放水路です。
この放水路は周辺にある中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川が洪水となった時、洪水の一部をゆとりのある江戸川へと流すことで洪水の被害を軽減する為につくられました。

工事は1993年に着工し、9年後の2002年6月に一部供用を開始した後、2006年全区間の工事が完了し、運用されています。
洪水の際には河川の水を貯蓄、放流する為に利用されますが、平時においてはCMや映画の撮影がされたり、一般の人でも見学することができ、従来の建築や都市のスケールからは逸脱した空間を体験することができます。

2.見学は3つのコースから選べる

首都圏外郭放水路の見学は専用の見学会の申し込みサイトから申し込むことができます。(現在はコロナウィルスの影響で見学会に一部制限がかかっています。HPの注意事項をよく読んで見学するようにしましょう)
私は過去に2回見学に訪れていて、当時は無料で見学することができましたが現在はツアーという形で3つのコースに分かれて申し込みができます。
※情報は記事公開時点のものなので、最新の情報は公式HPを確認してください。

①迫力満点!立坑体験コース
立坑と呼ばれる水を貯蔵する円柱状のタンクを中心に巡るコースです。
首都圏外郭放水路の中でも最大の立坑である第1立坑の見学を中心にキャットウォーク(作業員用通路)を歩き、深さ70メートルまで潜ることのできるコースです。
・所要時間:約110分
・参加料金:一人 3000円

②深部を探る!ポンプ堪能コース
首都圏外郭放水路の心臓部であるポンプをメインに構成したコースです。
ポンプに働きが一目でわかる模型説明やポンプ室の見学や特別公開のガスタービン部の見学もできます。建築・空間というより機械好きの人におススメのコースです。
・所要時間:約100分
・参加料金:一人 2500円

③気軽に参加できる!地下神殿コース イチオシ!
地下神殿「調圧水槽」と巨大竪穴「第1立坑」の見学を60分に凝縮したコースです。
定員50名の見学会なので、予約もしやすく団体での利用も可能です。参加料金もリーズナブルなのでまず参加するのであればこちらのコースがおススメです。
・所要時間:約55分
・参加料金:一人 1000円

3.早速見学!駅からは少し遠いので注意

見学場所へのアクセスですが、埼玉県春日部市にある龍Q館という建物で受付が必要となります。
龍Q館は首都圏外郭放水路管理支所・庄和排水機場内にありますが、駅からは少し距離があるので注意が必要です。

■龍Q館(首都圏外郭放水路管理支所・庄和排水機場内)
所在地:埼玉県春日部市上金崎720
最寄駅:東武野田線 南桜井駅徒歩約40分(バスもあり)
また駐車台数は少ないですが、駐車場も用意されているので車でのアクセスも可能です。

私の場合は1度はバスを使って団体で、もう一度はタクシーを使って行きました。
タクシーだと南桜井駅北口より約7分となります。

ベージュの建物が見えたらそれが、首都圏外郭放水路管理支所・庄和排水機場です。
現地に着いたら早速受付して、見学時間まで龍Q館で模型やプロジェクターによる展示を見ながら外郭放水路や治水について学習することをおススメします。

4.内部に潜入!そこはまさに地下神殿だった

龍Q館で受付と簡単な説明を受けた後は、施設を出て地下への入口に向かいます。
ドキドキしながら地下に降りると、まさにそこは地下神殿!!!今まで見たことのない巨大な空間に圧倒されます。

この空間は、調圧水槽といわれるもので、地下水路のトンネルから流れてきた水の勢いを弱めて江戸川へスムーズに流すための施設です。ちなみにここは地下22mの地点にあります。

この空間は長さは177m、幅78m、高さは18mのコンクリートに囲まれた空間となっていて、夏場でもひんやりと涼しいです。
地上とはあまりにも違った環境なので、地上とは隔絶された異世界にいるような気がしました。足場には若干水が残っていて、入ってはいけない世界に迷いこんだかのように錯覚します。

柱の大きさも1本につき奥行き7m、幅2m、高さ18mもあり、重さはなんと約500トンにもなります。
建築ではまず見ることのできないスケールですね。
柱は全部で59本建てっていて、それだけ巨大な柱が整然と並んでいる姿はただただ圧巻されます。

こちらは首都圏外郭放水路の中でも最大の立坑である第1立坑です。
第1立抗は内径約30m、深さ約70mあり、大雨の際にはこの円柱に水が貯蔵されていくのですが、地上から降り注ぐ光がなんとも美しいです。
放水路というデザイナーの意思が入っていない、機能性・必要性から生じた施設が結果としてこのような美しい空間を作り出していることはとても面白いですね。

立坑体験コースではこちらのキャットウォーク(作業員用通路)から立坑の途中まで降りることができます。
キャットウォークもそうですが、通常の調圧水槽も足場は結構濡れていて危険なので歩きやすい靴は見学の際には必需品です。

こちらは第1立坑をもう少し引きで見た写真です。
窓のない巨大な空間の先に、天から降り注ぐ光が見えるのは感動的でした。

地下空間を堪能して地上に戻ると、のどかな風景にホッとすると同時に現実世界に引き戻された感覚になります。
ちなみに外郭放水路の地上部は写真のように芝生の広場やサッカーグランドになっているので、見学を終えた後に見てみると感慨深い気持ちになります。


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いかがでしたでしょうか。
人と建築のスケールを超えた空間を体験できる外郭放水路ですが、そこには不思議な美しさが宿っていて大満足な体験ができました。
興味のある方は是非訪れてみることをおススメします。

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