陰翳礼讃!笠原小学校は陰りに魑魅魍魎と想像力が湧き出る建築 【埼玉】

関東建築案内
本日紹介するのは象設計集団の設計した小学校「笠原小学校」です。
【埼玉】笠原小学校1
東武伊勢崎線の東武動物公園駅から歩いて10分程の所にあります。
東武動物公園といえば埼玉県民ならずとも首都圏にお住まいの方は名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。(世界初の水上木造ジェットコースターが超お勧めでしたが2019年夏でなくなってしまいました。)
笠原小学校はその東武動物公園に隣接する敷地に、大竹康市ら5人の建築家によって組織された「象設計集団」が設計した小学校です。【埼玉】笠原小学校2

まるで異世界に迷い込んだかのような校舎は子供達の「生活の場」として丁寧に設計されています。
実際に見学して感じたは、「奇をてらった派手さ」とは全く逆の、ずっと昔から慣れ親しんだ場所にいるような「居場所感」のような感覚でした。

【埼玉】笠原小学校3

建物があるところでは大地と繋がり、あるところでは外部から遮断された隠れ家となります。
光の使い方も、すべてを画一的に照明するのではなく、暗がりがあったり、暗がりの向こう側に光が射していて、思わず導かれるように回遊したりしてしまいます
小説家の谷崎潤一郎は著書「陰翳礼讃」の中で、陰翳の中にある美しさを論じました。
また、昔の日本人は陰りの中に魑魅魍魎をみていました。陰りがあるからこそ、そこに見えない何かへの想像力が働くのだと説きました。

【埼玉】笠原小学校4
隅々まで画一的に照らして標準化していった近代の小学校に対し、建築側から日常の中の発見や学びを体感できる場としての小学校が創られているのではないかと思います。

柱にはかるたが彫りこまれていたり、壁に大きなそろばんがあったりと建物全体が自然と発見と学びの場になっています。
アントニオ・ガウディのサクラダファミリアは「聖書」を建築化したものだといわれていますが、笠原小学校はまさに「学びの場」を建築化したものです。
よく考えられた建築は、もう小学生でない僕たちにとっても数多くの発見と学びをもたらしてくれます。都内からでも数十分で行ける距離にある建築ですので気になった方は一度みてみてはいかがでしょうか。
 
ちなみに駅から歩いてくる途中の5分くらいの所にも同じ象設計集団の設計した「進修館」というコミュニケーションセンターがありますので訪れる際は合わせて見学してみることをおススメします。
 
■まとめ
子供達の生活の場が学びの場であり発見の場であるようにデザインされた建築
建築の中の「陰り」に注目してみると面白い建築
 
名称:宮代町立笠原小学校
設計:象設計集団
所在地:埼玉県宮代町百間1105
最寄り駅:東武動物公園駅徒歩10分
竣工:1982年


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