新宿紀伊國屋書店は建築もスゴイ!前川國男の名建築をレポート【東京新宿】

本日トリップする建築はこちら。

以前の記事「前川國男自邸に潜入!木造モダニズム建築の傑作ってどんな建築?【東京小金井市】」でもご紹介した建築家前川國男の設計の紀伊国屋ビルディングです。
設計者の前川國男は近代建築の三大巨匠 ル・コルビュジエの弟子であり、日本の近代建築の巨匠ともいえる存在。当時の帝国大学の卒業式の夜にベリア鉄道に乗ってパリに向かい、コルビュジエの事務所の門をたたいたというのは有名な話です。
そんな前川氏の残した傑作建築が新宿のど真ん中で見れるのは幸せな話です。

都内やその近郊にお住まいの方であれば、訪れたことのある人も多いこの紀伊國屋ビルですが、御覧の通り現在両隣のビルが建て替えにより取り壊されるという奇跡のタイミングにより、両側の外壁が露わになっているのです。
恐らく今後二度と見ることができないであろう貴重な状態となっています。(追記:現在は隣に新築の建物を建設中です。)
こちらは10年前の写真ですが、新宿の駅前ということもあり、通常は隣のビルも隣地ギリギリに建っています。

2007年に訪れたときの写真

見上げるとよくわかりますが、湾曲した煉瓦の双璧と、アールがかった庇がとても特徴的です。
このビルができる3年前には前川氏の代表作でもある上野の東京文化会館が建てられていますが、東京文化会館との繋がりもや、煉瓦の外壁は同じく上野にある東京都美術館にも通じるものがあります。

そしてその姿はまるで巨大な本棚のように見えます。
湾曲した壁や庇は足元にある広場と相まって人々をこの建物の中に誘い込む仕掛けになっています。

この建物にはもう一つ特徴があって、裏まで続く奥内通路によって表の新宿通りと裏の歌舞伎町方面を繋いでいます。
誘い込まれた建物を抜けて全く違う世界に出る。異なる世界を行き来するトンネルとしての建築は、様々な本が収納され、違った世界への入口としての本棚の姿と重なります。

こちらは歌舞伎町側の入り口です。
歌舞伎町側は正面から少し下がった場所にあるので階段が設けられています。
左側の階段が1階の通路、右側の階段は地下街に繋がっています。こうしてみると地上階の通路も地下への通路も自然と人を呼び込むようになっているのが面白いです。

この建築は不思議と階段でフロアを横断したくなる建築です。実際にエレベータを使う人よりも階段で上下に移動する人のほうが多かったです。
建物の外から自然と本棚の中に人が吸い込まれていって、人々が本棚の中を横断していく様は見ていてそれだけで興味深いです。

正面から連続している褐色の煉瓦を横目にエスカレータを上がっていった時に、ふと振り返ると映画のスクリーンのように見える新宿の景色は絶景でした。
意識しないと通り過ぎてしまうような建築ですが、ちょっと違った角度から見てみると面白い発見がある建築です。

内部は改装によってだいぶ当初から変更されているところはあるみたいですが、それでも竣工当初から変わらない建物の歴史のかけらを随所に見ることが出来ました。
東京都美術館や東京文化会館、都内で訪れたことのある前川建築との共通点を意識してみるのも面白いと思います。いつまで両脇の土地が空いた状態のなのかは分りませんが、今一番見ておきたい建築です。
皆さんも新宿を訪れた際は是非一度覗いてみて下さいね。


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名称:紀伊國屋ビルディング
設計:前川國男
所在地:東京都新宿区新宿3-17-7
最寄り駅:新宿駅徒歩5分
竣工:1964年
備考:第6回BCS賞


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