今日は2019年から2020年にかけてリニューアルが行われた西日暮里駅を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
現在JR山手線を起点に行われている東京感動線プロジェクトの中でもひと際注目を浴びる西日暮里駅、いったいどんな建築なのか、早速見ていきましょう!
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・西日暮里駅を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・西日暮里駅の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・西日暮里駅の建築的な見どころや注目ポイント
1.改修によって生まれ変わった駅西日暮里
西日暮里駅ではJR東日本が推進する東京感動線プロジェクトの一環として、「まちをまぜ、駅から新しい学びを」をコンセプトにした駅・駅周辺施設のリ・デザインが進められています。
この東京感動線とは山手線を中心にして沿線の多様性と、点を線にして面へとつなぎ、個性的で豊かな都市生活空間を作るプロジェクト。東京感動線は今回取り上げる西日暮里以外にも新大久保や高田馬場駅などいくつかのエリアで活動が行われていてますが、ここに西日暮里はその先駆的事例でもあります。
西日暮里駅では改札を出たところにあるコミュニケーション・ウォール エキマドや、駅コンコース内の学びやイベント空間エキラボniri、高架下の既存建築を改修した西日暮里スクランブルなどいくつものしかけがデザインされています。
2.コミュニケーション・ウォール エキマドが面白い!
まず初めに訪れたのがJRの改札と地下鉄出入り口を結ぶ通路に設けられたコミュニケーション・ウォール エキマドです。
このエキマドはL字の通路の壁面を駅利用者同士のコミュニケーションを創発する場としてデザインしたもので、地域の情報や取り組みを紹介するポスターから誰でも書き込める黒板スペースまで、様々な「マド」がデザインされています。
この窓は単に文字や絵による情報の掲示だけではなく、人がちょっと腰掛けられるようなくぼみになっているマドもあります。
ここに腰掛けてちょっとした立ち話をしたり、待ち合わせに使ったりと、人が介在するコミュ二ケーションを生み出すことを目指しているのアよく伝わってきます。
設置された黒板には大人から子供まで本当に色んな書き込みが見られます。
ともすればいたずら書きで溢れてしまいそうにも感じますが、今のところ十分許容できる範囲のカオスな書き込みとなっていました 笑
近年スマホやデジタルサイネージなど電子制御された情報があふれる中で、西日暮里駅のアナログの壁面はとても面白く新鮮に感じました。
3.エキラボniri&BECK’S COFFEE SHOPにも注目!
エキマドの向かいにあるのはイベントやワークショップのためのスペースであるエキラボniri。
主に地域の住民を対象にした交流スペースです。
地下鉄に向かう階段のちょうど真上のスペースに設けられたエキラボniriはイベント以外でも解放されているので、隣のカフェで買ったコーヒーや軽食を食べる人や参考書を開いて勉強する学生までいろいろな人が利用していました。
エキラボniriのお隣にはカフェBECK’S COFFEE SHOPがあります。
こちらはエキラボniriと内部で繋がっていて、イベント時には一部を一体的に使ったり、飲食を提供したりといったことも可能です。
BECK’S COFFEE SHOPは座席もカウンター席から大小さまざまなテーブル席まであるので一人でもグループでも利用ができます。
エキマドに面した席では駅を行きかう人々を眺めながら食事ができるので、ぼーっと人間観察しながらカフェタイムを楽しむことも出来ます。これは駅ならではの楽しみ方ですね 笑
私が訪れたのは朝の時間帯だったので、折角なのでモーニングメニューを頂きました。
その名もスクランブルプレート(\390)。この後紹介する西日暮里スクランブルにかけているのがちょっと面白いです。
4.西日暮里スクランブルも見逃せない!
新生 西日暮里駅でもう一つ見逃せないのが、駅を出てすぐのところに建つ2階建ての建物 西日暮里スクランブルです。
この建物は一部が高架下に食い込むようにして建てられた駅の付随施設で、数年間未使用のまま放置されてきましたが、今回のリニューアルで計7店舗を有する小さな複合商業施設として蘇りました。
写真左手に見えるのが西日暮里駅の出口ですが、正に駅から目と鼻の先。
小さな建物内には7つの店舗が入居していて、小さな店舗が詰め込まれて交錯する様は、まる小さな小宇宙のようでもあります。
残念ながら私が訪れた時は各店舗のオープン前の時間帯でしたので中に入ることはできませんでしたが、小さく分断された店舗のスケールはどれも個性的なお店ばかりです(後日訪れた追記あり)
小さなスペースに小分けにしているのは、出店のハードルを下げて個性的で勢いのあるお店を誘致するためのしかけでもあります。
店舗は建物内の通路だけではなくて街側に開いていてることも好感が持てます。
駅前の再開発やリノベーションというとどうしても規模が大きくなったり、綺麗でおとなしい紋切り型のものになりがちです。
こちらの西日暮里スクランブルはその辺がうまくデザインされていいて、そこにしかないオリジナルティを発揮しているのが面白いです。
大胆に塗られた外装からは、西日暮里を少しずつ変えていく力強さと気概のようなものを感じました。
最初に訪れた時はまだお店がオープンしていない時間だったので、後日に改めて再訪。
この日は、1階の駅側のスペースにはいるスパイスカレー店SPICESH(スパイセッシュ)でランチ。
カレーのランチセットは、1種盛りと2種盛り選べて、サラダとドリンクがセットにつきます。
今回頂いた牛筋カレーはスパイスが効きつつもまろやかな甘さもあります。
牛筋もたっぷりで、さりげなく散らしてある鰹節など日本人の好みにも合う味付けとなっていてとっても美味しかったです。
【見逃し厳禁!東京ホテル建築総まとめ】
東京で泊まりたい、建築が素敵なホテル・旅館についてのまとめも書いてます。
いかがでしたでしょうか。
他のどこの街にもない西日暮里だけの特別な建築。その建築が周囲を巻き込むために入念にデザイン・運営している一端を垣間見て、今後の西日暮里がどうなっていくのかとてもワクワクした気持ちになりました。
西日暮里スクランブル・エキラボniri・コミュニケーション・ウォール
設計:HAGI STUDIO
エキマド サウンドアート:及川潤耶
所在地:東京都荒川区西日暮里5-24-1
竣工:2019年(西日暮里スクランブル、エキラボniri)、2020年(コミュニケーション・ウォール)
備考:2020年度グッドデザイン賞
東京感動線HP:https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/
西日暮里スクランブルHP:https://scramblebdg.com/
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