越谷「まち蔵」江戸末期に建てられた蔵を改修した寄合所&カフェをレポート

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今回は埼玉県越谷市にあるまち蔵(旧油長内蔵)を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・まち蔵を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・まち蔵の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・まち蔵の建築的な見どころや注目ポイント

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1.築150年以上の旧油長内蔵を改修した寄合所&カフェを訪問

今日は東京から少し離れて越谷市で建築巡りをしてきました。
越谷市は旧日光街道の宿場町として栄え、現在も江戸時代から明治時代に建てられた商家や蔵が多く残る地域でもあります。

この日は別の用事で越谷を訪れたのですが、ちょうど旧日光街道を通ることから、横田診療所(旧越ヶ谷郵便局)など以前訪れた近代建築を再訪していました。

横田診療所(旧越ヶ谷郵便局)を見学し、旧日光街道を少し北上したところに白い蔵があるのを発見。

気になって近づいてみると、江戸時代末期に建てられた旧油長内蔵を改修したまち蔵という名前の建物のよう。

このまち蔵はカフェとまちづくりの寄合所・コミュニティスペースとなっていて、カフェスペースは週末の金曜、土曜、日曜に営業しています。
カフェ営業日以外の曜日は住まいやまちづくり相談会や、空き家・空き地相談会などが定期的に開かれていて、地域のまちづくりやコミュニティの拠点となっています。

この日はちょうどカフェ営業日である金曜日だったので、カフェで一休みしつつ建築内部も見せていただくことに。

2.曳家で移動して蘇った貴重な建築遺産をたっぷりと堪能

まち蔵の蔵は元々現在の場所から数10m離れた場所に建っていたのですが、地元の住宅メーカーである中央住宅が分譲住宅の開発を行うにあたり、貴重な建築遺産を後世に残し活用するために曳家による移動と改修が行われ、新たな施設に生まれ変わりました。

まずは1階のカフェで、飲み物を注文。
今回チョイスしたのはアイスコーヒーとクッキーのセット(400円)

メニューは他にもお菓子付きの珈琲セットや紅茶、アップルティー、サンドイッチなどもあります。

店内にはテーブル席が2つと建物の外にはちょっとしたテラス席があります。
私が訪れた時は地元の方らしき先客が1名だったので、もう片方のテーブル席を使わせてもらいました。

店内では、移転前の建物の外観図や、実際に曳家を行って建物を移動したときの写真も見ることができました。

曳家は地元の小学校の生徒100人以上も参加して行われたとのことです。

3棟あった蔵のうち建築の保存状態などを加味して残されたのがこちらの旧油長内蔵で、曳家した建物の重量は100t以上あったそうです。
私自身曳家は生で見たことがないですが、100tの建物を人の手で動かすのがいまだに信じられません。
自分の先祖の代に建てられた蔵を自分達の手で移動する体験
は、本当に貴重ですね。

3.2階のスペースも面白い!現代に蘇った蔵建築の魅力を満喫

1階でカフェメニューを堪能した後は、2階のスペースも見学させてもらうことに。
2階のスペースは地元のまちづくりや歴史を知れる資料館やイベントスペースとして活用されています。

1階と共に床材に関しては2018年の改修で張替えをしたそうですが、柱や梁などの架構などはそれまでのものがそのまま用いられているとのこと。

特に巨大な木の架構はかなりの迫力で、様々な時代を経て蔵を支え続けてきた力強さを感じます。
蔵建築はシンプルな建物ですが、外部の環境から蔵内部を守りるというシンプルな役割と、大きすぎないミニマルなスケール感だからこそ、ダイレクトに建築の魅力や迫力が伝わってきます。

開口部は流石に新たな建具が内側から取り付けられていますが、敢えて古い建物とは違った白いフレームとしてあるのも素敵です。

シンプルな白のフレームは、新たな建具としての機能を果たしながら、古い建築部分をより際立たせ、演出しています。

館内には越ヶ谷宿だけでなく、広く住まい・まちづくり関連の資料や書籍が展示されているのですが、建築好きとしてはこれらの資料も興味津々でした。

また、まち蔵はスペースシェアリングとしてイベントスペースや日替わりショップなどのスペースとしても利用できるそうで、地域住民によるイベントの開催なども行われているとのことです。

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偶然の出会で立ち寄ったまち蔵でしたが、素敵な建築をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

まち蔵
所在地:埼玉県越谷市越ヶ谷3-2-19-5
アクセス:越谷駅より徒歩約8分
竣工:江戸時代末期
開館時間:10:00~17:00
休館日:水曜(カフェは金曜、土曜、日曜に営業)
備考:2015年度グッドデザイン賞


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