今日は東京の品川区にある天王洲アイルを訪れてきましたので、そこで出会ったオススメの建築についてレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・天王洲アイルでの建築巡りを写真と文字でレポート
・天王洲アイルの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・天王洲アイルの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.PIGMENT TOKYO(隈研吾建築都市設計事務所)
まず初めに紹介するPIGMENT TOKYOは、約4000色の顔料や画材を扱う店舗兼ミュージアムです。
建物のデザインは隈研吾建築都市設計事務所が手掛けていて、3Dデザインされた竹材が立体的な曲面を描きながら建物内外に広がっています。
既存のコンクリートの建物と対比するような自由な曲面とやわらかな竹の表情がとても印象的で、店内は顔料や画材の他にも様々な道具が展示されています。
私が訪れたときには、奥の大テーブルで子供向けのワークショップも行われていて、天王洲アイルの新たなアートの発信拠点にもなっていました。
設計:隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都品川区東品川2-5-5 HarborOneビル1階
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約3分
竣工:2015年(改修)
公式HP:https://pigment.tokyo/
2.スフィアタワー天王洲(アール・アイ・エー)
スフィアタワー天王洲は、天王洲アイルの再開発の最初期の建築として、バブルの終わりの1993年に建てられた地上28階地下2階建てのオフィスビルです。
上部が逆四角錘のように傾いた外観が特徴の建物は、空の色に溶け込みつつ天王洲アイルの高層ビルの象徴のような独特の存在感を発揮しています。
2015年には設備をはじめとした大規模な改修が行われ、アトリウムやインテリアは世界的な建築デザイン会社であるGensier社がデザイン監修を行っています。
また、足元に設けられた公開空地であるみどりの広場も注目で、ビルの間にアートの街天王洲アイルらしい癒しのスポットがつくりだされています。
設計:アール・アイ・エー
所在地:東京都品川区東品川2-2-8
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約2分
竣工:1993年
3.寺田倉庫
天王洲アイルといえば、現在のアート・建築の街をつくり出した立役者といっていい寺田倉庫の本社ビル・建物群は見逃せません。
□建築倉庫ミュージアム ARCHI-DEPOT
建築好きにはお馴染みの建築倉庫ミュージアム ARCHI-DEPOTは、日本初となる建築模型専門のミュージアムです。
寺田倉庫はもともとワインやアート、メディアなど保存管理の難しい物品保存のプロフェッショナルとして成長してきました。
黒く塗られた建物に描かれたグラフィカルなパターンや、PIGMENT TOKYOを思わせる木のルーバーが特徴の建物群は、モノと人を収容する建築でありながら、それら自身が1種のアートのようでもあります。
所在地:東京都品川区東品川2-6-10
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約5分
オープン:2016年
公式HP:https://archi-depot.com/
□T-LOTUS M(隈研吾氏監修)
天王洲運河のデッキを散策していると見えてくるT-LOTUS Mは、日本では珍しい船上につくられたレストラン、イベントスペースです。
デザイン監修は建築家の隈研吾氏が行っていて、軽やかな帆に水面の光が反射して刻々と表情を変える船は、天王洲アイルの新たなランドマークにもなっています。
所在地:東京都品川区東品川2-1
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約6分
オープン:2020年
□TERRADA ART COMPLEXⅠ・TERRADA ART COMPLEX II
寺田倉庫の建物群は年々エリアを広げながら街の外へも展開されています。
TERRADA ART COMPLEXⅠ・TERRADA ART COMPLEX IIは天王洲運河を渡って程なくのところにつくられたアートスペースです。
向かい合う建物の間をオープンスペースとしつつ、建物と街とが一体となった新たなカルチャースポットが目指されています。
所在地:東京都品川区東品川1-33-10、東品川1-32-8
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約10分
竣工:2016年(Ⅰ)、2020年(II)
4.ハーバープレミアムビル(梓設計)
ハーバープレミアムビルは、天王洲アイルのボンド通り沿いに建てられた地上5階建ての建物です。
シンプルな素材を組み合わせ設備も隠さずに敢えて見せるデザインとすることで、倉庫街の建物らしさと開放的で効率的な最新のオフィスビルを両立させています。
また、2020年に1階にオープンしたWHAT CAFEは、若手のアーティストの支援も目的としたギャラリー併設カフェになっていて、様々な展示やイベントが企画される天王洲アイルの新たな注目スポットとなっています。
設計:梓設計
所在地:東京都品川区東品川2-1-11
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約5分
竣工:2005年
備考:2007年度グッドデザイン賞
2006年度日本建築家協会優秀建築選
5.T.Y.HARBOR(KROW)
T.Y.HARBORは、先程紹介した寺田倉庫が倉庫を改修してつくったレストランで、2005年、2015年と2度の大改修を経て現在のレストランが完成しました。
倉庫の高い天井高を活かしたホールのようなレストラン内部、店内とつながりながら水辺と一体化するようなテラス席、倉庫らしさを感じる荒々しい仕上げや白い壁とのコントラストが鮮やかなフレームや架構材など、もともとの建築を活かしたデザインが満載です。
クラフトビールを始めとする各種ドリンクやバーベキューリブといった豪快な料理も人気で、週末には予約がとれない天王洲アイルきっての人気スポットとなっています。
詳細記事
・天王洲アイル「T.Y.HARBOR」倉庫を改修した素敵なレストランでランチ
設計:KROW
所在地:東京都品川区東品川2-1-3
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約6分
竣工:2015年(改修)
公式HP:https://www.tysons.jp/tyharbor/
6.テレビ東京天王洲スタジオ(梓設計+清水建設)
テレビ東京天王洲スタジオは、デジタル放送開始に伴うテレビ東京の新スタジオとして計画されたテレビスタジオ、オフィス、共同住宅の複合施設です。
旧海岸通りと山手通りに面した大きくカーブするボリュームには2つのスタジオが、運河側にはスタジオに関連諸室や事務所、付置義務によって設けられた「てれとハイム」という名の集合住宅が入っています。運河側のオフィス部分では川辺の環境要素を建物内に上手く取り込みつつ、夜は逆に運河に行燈のような光をもたらすことで天王洲アイルの景観に寄与しています。
交差点側のボリュームは、向かいの建物と合わせて物流の車両が駆け巡る大通りと呼応するようなラインとなっているのも面白かったです。
設計:梓設計+清水建設
所在地:東京都品川区東品川1-3-3
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約7分
竣工:1999年
備考:2001年BCS賞
7.シーフォートスクエア(アール・アイ・エー)
東京モノレールの天王洲アイル駅の目の前に建つシーフォートスクエアは、高さ約100mの巨大ビル群によるオフィス、ホテル、住宅、店舗、劇場等の複合施設です。
東京モノレール・首都高側に対しては巨大な壁のように背を向ける建物は、運河側の広場を中心に、まるで劇場のような構成となっています。
ガレリアと呼ばれる中央の商業棟のアトリウムは圧巻。
もはや一つの街といっても過言ではない、バブル期だからこそつくり得た建築は、天王洲アイルの中でも静かに存在感を示しています。
設計:アール・アイ・エー
所在地:東京都品川区東品川2-3-12
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約1分
竣工:1992年
8.野村不動産天王洲ビル(アール・アイ・エー+梓設計+小堀鐸二研究所)
野村不動産天王洲ビル(旧JALビルディング)は、天王洲通り・りんかい線と首都高に挟まれた中洲のような場所に建つ地上26階地下1階のオフィスビルです。
水平方向に流れるようなラインと、天王洲の運河や空を反射するガラスの立面デザインが特徴で、見る方向や天候によって様々な表情を見せてくれるのも面白いです。
設計:アール・アイ・エー+梓設計+小堀鐸二研究所
所在地:東京都品川区東品川2-4-11
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約2分
竣工:1996年
おまけ:街に点在するアートスポットにも注目
天王洲アイルは建築以外でも、街に点在するアートスポット巡りも楽しめる街でもあります。
例えば、野村不動産天王洲ビルの足元の天王洲アイル第九公園には雲をイメージしたモニュメントがあったり、目黒川水門には公募で選ばれた巨大な鯨が描かれていたりと、街を散策しているとまるで宝探しをするように思わぬアート作品に出会うことができました。
建築からアート、話題のレストランまで盛りだくさんの天王洲アイル。
皆さんも機会があれば是非訪れてみて、その建築とアートを体験してみて下さいね。
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