今日は東京の中野坂上駅周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築についてレポートしたいと思います。
大規模再開発から注目の学校施設、独特のコンクリート造神社まで様々な建築が点在する中野坂上。
いったいどんな建築と出会ったのか、見ていきたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・中野坂上エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・中野坂上エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・中野坂上エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.東京メトロ中野坂上ビル(入江三宅設計事務所)
まず初めに訪れた東京メトロ中野坂上ビルは、丸ノ内線中野坂上駅の新改札口と駅員・乗務員の為の事務所建築です。
ナチュラル・オアシス・ゲートをコンセプトにしてデザインされた建物は、ビル全体が大きなゲートのようであり、地下に光や風、人々の流れを引き込む巨大な装置としても機能しています。
約60mの奥行きを使った視線の抜け演出や、吹抜けを効果的に使った空間構成なども注目ポイントで、地上と地下を繋ぐ役割をしているのにも注目の建築です。
設計:入江三宅設計事務所
所在地:東京都中野区本町2-48-2
アクセス:中野坂上駅より徒歩約1分
竣工:2012年
備考:平成25年度 鉄道建築協会賞 佳作受賞
2.中野坂上本町二丁目市街地再開発事業(住宅・都市整備公団+ヘルム建築・都市コンサルタント+山本・堀アーキテクツ+ユニテ設計・計画)
中野坂上本町二丁目市街地再開発事業は中野坂上交差点の南西敷地に建てられた複合施設群です。
中野坂上交差点付近は1990年代後半に住宅・都市整備公団を中心とした大規模な再開発が行われていて、公団、設計事務所、建築家などが協働しながら街の風景が大きく変化しました。
中でも交差点に面して建てられた中野坂上サンブライトツインは、地上30階建てと27階建ての2つのビルがアトリウムで繋がれた迫力の超高層ビルとなっていて、このエリアの新たなランドマークになっています。
巨大なボリュームが建ち並ぶ再開発ですが、効率的・高機能なオフィス等の機能を整えつつ、足元は広場をで繋がるゆとりある空間もつくられているのも注目ポイントです。
中野坂上サンブライトツインの他にも、要塞のようなデザインがカッコいい地上9階建て総戸数46戸の集合住宅レジデンス中野坂上や、ガソリンスタンドや商業施設・テナントオフィスが立体的に集積したアネックスビルなどそれぞれの個性が光る建築群を見ることが出来ます。
設計:住宅・都市整備公団+ヘルム建築・都市コンサルタント+山本・堀アーキテクツ+ユニテ設計・計画
所在地:東京都中野区本町2-46-1
アクセス:中野坂上駅より徒歩約1分
竣工:1995年(レジデンス中野坂上)、1996年(中野坂上セントラルビル・中野坂上サンブライトツイン・アネックス)
3.F5(石田敏明)
中野坂上本町二丁目市街地再開発事業の街区のすぐ南側に建つF5は住居併用のデンタルクリニックです。
黒い外装材と乳白色のガラスを使ったスタイリッシュな外装が特徴的な建物は、まるで立体パズルのようにクリニックや住居機能、吹抜け等の空間がピッタリと組み合わさっています。
東側の段々状になったガラスの向こうにはうっすら階段のシルエットが見えていて、都市と建築内で内外の様子が緩やかに伝わってきます。
設計:石田敏明/石田敏明建築設計事務所
所在地:東京都中野区本町
アクセス:中野坂上駅より徒歩約2分
竣工:1998年
4.ハーモニースクエア(日本設計)
中野坂上交差点に建の南東角地に建つハーモニースクエアは地上29階地下2階建てのオフィス・商業・住居の複合施設です。
このビルの特徴は外壁のパターンによって大きさの異なる3つのビルのようなシルエットが浮かび上がるようなデザインです。
このシルエットが、巨大なビルのボリュームを分節しつつ、風景にリズムを与えています。
設計:日本設計
所在地:東京都中野区本町1-32-2
アクセス:中野坂上駅より徒歩約1分
竣工:1997年
公式HP:http://www.harmonysquare.info/
5.住友中野坂上ビル(INA新建築研究所)
住友中野坂上ビルは中野坂上交差点の北東角地に建つ地上24階地下2階のオフィス・商業・高級賃貸マンションの複合建築。
交差点に面して建つ中野坂上サンブライトツインやハーモニースクエアがやや特徴的な外観だったのに対して、こちらの住友中野坂上ビルはシンプルなガラスの立面が特徴的な建物です。
賃貸住宅となっている上層5層も含めて凛としたガラスのデザインで統一されていて、空や雲を反射する美しいデザインが魅力的な風景をつくり出しています。
シンプルな交差点側のデザインに対して、裏手にまわるとエレベータやトイレといったバック動線を反映した雁行した部分が巨大な壁感を軽減するデザインとしても効いていて、足元の広場と共に入居者の憩いの場となっています。
設計:INA新建築研究所
所在地:東京都中野区中央1-38-1
アクセス:中野坂上駅より徒歩約1分
竣工:1999年
6.実践学園中学・高等学校 自由学習館(古谷誠章/NASCA)
住友中野坂上ビルから北に程なく歩いたところに建つ実践学園中学・高等学校 自由学習館は、伝統的な中高一貫校の為のホール、図書館、学習スペースの等の複合建築です。
西側に隣接する区立公園や北側の緑道に寄り添うようにボリュームや高さ、開口部の位置が丁寧に計算された建築は、単なる箱型の従来型の学校建築とはだいぶ異なる印象を受けます。
余裕と創造性、環境や他社との関係性を丁寧に構築することで生まれる豊かさを、建築が表現し、実践する様は、まさに今学校建築に求められていることだと改めて感じる素敵な建築でした。
設計:古谷誠章/NASCA
所在地:東京都中野区中央2-34-2
アクセス:中野坂上駅より徒歩約12分
竣工:2004年
備考:2013年度日本建築学会作品選奨
2013年度日本建築家協会日本建築大賞
ちなみに実践学園中学・高等学校は自由学習館から北に歩いたところにある共学館が、同じNASCAの設計で2021年の8月オープンしています。
共学館は格子状のルーバーが特徴的な地上6階地下1階建ての体育館・寄宿舎の複合建築。
この格子は立体的な体育館としての建築と街との距離感を適度に調整しつつ、建物の内外の音や光の緩やかな応答を演出しています。
駅から少し距離はありますが、自由学習館を訪れた際には是非合わせて見ておきたい注目建築です。
設計:古谷誠章/NASCA
所在地:東京都中野区東中野2-6-6
アクセス:中野坂上駅より徒歩約15分
竣工:2021年
7.中野坂上S・EIN(木村優)
中野坂上S・EIN(エス・アイン)は駅からほどなく歩いたところにある旗竿地に建つ地上3階建の集合住宅です。
中庭を囲むようにコの字に建てられた建物は、半地下にあるエントランスを通って各住戸にアクセスするのが特徴です。
中央の中庭の他にも光が差し込む坪庭やベンチ付きの共用スペースなど、周囲の喧騒から切離なされた魅力的なセミパブリック空間が随所に設けられています。
住戸内のプランも建物の形に合わせたI型やL型の特徴的なプランとなっていて、30年前に建てられたとは思えないスタイリッシュで挑戦的な集合住宅となっています。
設計:木村優/アートステーション
所在地:東京都中野区中央2-28-31
アクセス:中野坂上駅より徒歩約5分
竣工:1991年
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