今日は東京の亀戸で建築巡りをしてきましたので、そこで出会ったオススメの建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・亀戸エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・亀戸エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・亀戸エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.KAMEIDO CLOCK(窪田建築都市研究所+東急設計コンサルタント)
まず初めに紹介するKAMEIDO CLOCKは、亀戸駅の東口を出てすぐのところに建つ商業施設です。
元々この場所はセイコーの本社と工場があった場所ですが、1997年に開業したサンストリート(北山孝二郎+K計画事務所)が2016年まで営業、その後野村不動産が土地を買取り2022年にこちらのKAMEIDO CLOCKがオープンしました。
中でも注目なのが、このブログ何度か取り上げている窪田建築都市研究所がデザインを手掛けた一階のフードホールカメクロ横丁です。
入口から徐々に通路の幅が狭くなって路地状になる配置や、様々なお店が渾然一体となりながら賑わう亀戸の新たな注目スポットとなっています。
デザイン監修(カメクロ横丁):窪田建築都市研究所
設計:東急設計コンサルタント
所在地:東京都江東区亀戸6-31-6
アクセス:亀戸駅より徒歩約3分
竣工:2022年
公式HP:https://www.kameidoclock.jp/
2.カーサ第一亀戸(梵寿綱)
京葉道路を東に10分ちょっと歩いたところに建つカーサ第一亀戸は、建築家の梵寿綱氏がデザインした地上12階建て総戸数250戸の集合住宅です。
褐色のタイルが特徴的な建物は、独特のデザインから熱狂的なファンも多い梵寿綱氏が、本名の田中俊郎と名乗っていた初期の作品。
竣工から半世紀近く建った現在でも周りのマンションとは一線を画す個性的な外観が特徴。
シンプルでとことん合理的な部分と、手をかけて主張するところをキッチリ分けて、メリハリが効いたデザインとなっているのも面白いです。
設計:梵寿綱(田中俊郎)
所在地:東京都江東区亀戸7-39-5
アクセス:亀戸駅徒歩約15分
竣工:1974年
3.まんとみ幼稚園(林雅子)
まんとみ幼稚園は、亀戸駅から南に延びる高架と首都高のすぐ近くに建つ幼稚園です。
設計を手掛けたのは、戦後日本の女性建築家の草分け的存在でもある建築家の林雅子氏。
竣工から半世紀以上建った建物は現在も現役で使われているというから驚きです。
外からのみの見学となりましたが、南北にある高低差を上手く使って空間を分けたり繋いだりしているのが面白い建築です。
中央に架かった屋根も軽やかで、内外問わず敷地全体を使ったデザインとなっていることが伝わってきます。
設計:林雅子
所在地:東京都江東区亀戸1-14-12
アクセス:亀戸駅より徒歩約6分
竣工:1968年
4.錦糸町プライムタワー(長堀嘉一/日本設計)
錦糸町プライムタワー(旧日鐵NDタワー)は、江東区と墨田区を隔てる横十間川沿いに建てられた地上17階地下1階建てのオフィスビルです。
周囲の建物と比べても巨大なボリュームの建物ですが、立面をデザイン的に分割したりガラスのボリュームを組み合わせることで建物を分節して見せていて、見る方向によって色々な表情となるのが面白い建築です。
設計:長堀嘉一/日本設計
所在地:東京都江東区亀戸1-5-7
アクセス:亀戸駅より徒歩約6分
竣工:1994年
5.BULLET TOWER(堀池秀人)
BULLET TOWERは、亀戸駅北口の亀戸駅前公園に面して建つオフィスビルです。
角地に併せてL字に建てられた壁にシリンダー状のガラスのカーテンウォールが立ち上がるランドマーク性抜群の建物は、近くを通ると思わず見上げてしまいます。
BULLET(銃丸)という名前からもこの建物が建てられたポストモダン全盛の時代感が伝わってきますが、竣工から30年経って益々鈍く光る建物は独特の存在感を放っていました。
筒状の外装のガラスはハーフミラーガラスとなっていて、ビル自体を広告塔にしつつも都市の風景を映し出す合わせ鏡となるような意味も込められています。
現在はテナントビルとなり、当初なかった看板やポスターが貼られいるので当初のコンセプトはかなり薄らいでいるのも、長い年月が経っても残り続ける建築の特性が表れていて面白いです。
設計:堀池秀人/堀池秀人都市・建築研究所
所在地:東京都江東区亀戸2-23-9
アクセス:亀戸駅より徒歩約3分
竣工:1989年
6.江東の家(千葉学)
江東の家は、亀戸の閑静な住宅街に建つ住宅です。
設計を手掛けた千葉学氏は数々の建築作品で賞を受賞し、東京大学の教授を務める建築家でもありますが、江東の家は千葉氏が30代のころに手掛けた比較的初期の作品。
立体的にL字のボリュームとボイドを組み合わせて、限られた敷地の中に内部空間と外部空間、その両方が混じり合う空間をつくり出しているのが特徴で、その後の千葉氏の作品に共通するエッセンスが随所にみられる建築となっています。
設計:千葉学/ファクター エヌ アソシエイツ
所在地:東京都江東区
竣工:1997年
7.ライティングハウスTOKYO(カール・ベンクス)
ライティングハウスTOKYOは、新潟県十日町市の古民家を移築してつくられた照明コーディネート会社のショールームです。
建物のデザインを手掛けたカール・ベンクス氏はドイツ出身のデザイナーで、日本文化に傾倒して日本に移住し、数々の古民家再生を手掛ける人物。
元の素材が持つ特性や味わいを引き継ぎつつ、ドイツの建築技法や感性を盛り込んで生まれ変わった建物は、まさに新たな命を吹き込まれたような素敵な建物となっています。
設計:カール・ベンクス
所在地:東京都江東区亀戸3-6-26
アクセス:亀戸駅より徒歩約10分
竣工:2006年
公式HP:http://lh-tokyo.com/
8.アクアメディカルクリニック(坂本昭)
最後に紹介するアクアメディカルクリニックは、ライティングハウスTOKYO程なく歩いたところに建つメディカルクリニックです。
坂本昭氏が得意とする白いボックスを組み合わせた建物は、住宅街のスケールに建物を分割しつつ、抽象的で美しい姿で静かに佇んでいます。
コンクリートによる堅牢で安心感のある室内空間と、ボリュームのズレによる屋外空間や環境との接触が同時にデザインされているのも素敵です。
設計:坂本昭/坂本昭・設計工房CASA
所在地:東京都江東区亀戸3
アクセス:亀戸駅より徒歩約12分
竣工:2010年
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