11.パークアクシスプレミア南青山

パークアクシスプレミア南青山は、外苑前駅から南に程なく歩いたところに建つ地上7階全80戸の賃貸マンションです。
高級賃貸マンションの多くがホテルに近づいていきがちなのに対して、住み手の徹底した調査などによって住み手目線の高級賃貸のあり方を追求し、従来型のマンションにはない上質な暮らしを提案しているのが面白いところ。
外観だけしか見学はできませんでしたが、細かく分節したルーバーが山のように連なる重厚な住宅は、見る角度によって様々な表情を見せてくれます。

ちなみにどれくらいの賃料なのか調べてみると、空いていた上階の1部屋(約110㎡)の家賃は100万円でした (汗
設計:三井住友建設+NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab
所在地:東京都港区南青山2-15-22
アクセス:外苑前駅より徒歩約6分
竣工:2015年
備考:2016年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.mitsui-chintai.co.jp/resident/original/paxpremier_minamiaoyama/
12.白白庵

現在はギャラリーとしている白白庵(ぱくぱくあん)ですが、元々はFOB HOMESと呼ばれるFOB COOPの住宅プロジェクトでした。
白一色でほとんど開口部もない不思議な外観ですが、内部に空に開放された坪庭を持つ3階建ての建物。
コンパクトにまとめられた内部機能はこの坪庭に面して配置されていて、都会の喧騒から断絶された小宇宙のような内部空間を実現しています。

設計:梅林克/FOBA
所在地:東京都港区南青山
アクセス:外苑前駅より徒歩約8分
竣工:2000年
営業時間:11:00~20:00
定休日:木曜
公式HP:http://www.pakupakuan.jp/exhibition.html
13.東京消防庁赤坂消防署

青山霊園のすぐ北側に建つ東京消防庁赤坂消防署は、角地のリンボリックの塔が印象的な消防署です。
いぶし銀のように輝くタイルが印象的な角地の塔はかつてこの場所にあった火の見やぐらから着想を得てデザインしたそうです。
塔部分に使われているタイルは角地から地上約2mの高さで両脇に伸びていて、建物のボリュームをヒューマンスケールに分節しつつ、親しみやすい消防署を演出しています。

設計:東京消防庁+曽根幸一/環境設計研究所
所在地:東京都港区南青山2-16-9
アクセス:外苑前駅より徒歩約8分
竣工:1986年
14.日本基督教団 原宿教会

原宿教会は、外苑西通りから1本路地を入ったところに建つ教会です。
柔らかくカーブする曲線のガラスの開口が建物の内部にも連続し、6本のスリットから光が降り注ぐ礼拝空間が特徴の建物となっています。
空間を支えるアーチは大きな自然のようでもあり、空間内の音響装置や設備や座席を納める装置としても機能しています。
ガラスの向こうには同じ設計者による幼稚園が見える構成となっていて、平日は未来を担う子供たちの声が聞こえてきます。

設計:アンリ・ゲイダン+金子文子
所在地:東京都港区北青山2-11-13
アクセス:外苑前駅より徒歩5分
竣工:2005年

原宿教会の西側にまわると見えてくるのが、こちらの原宿幼稚園です。
様々なフォルムやカラーが組み合わさった建物は、様々な個性が出会い育まれる幼稚園を象徴しているようでもあります。
光の演出も注目ポイントで、刻々と変化する自然光によった建物の表情が変化していくのも面白かったです。

設計:アンリ・ゲイダン+金子文子
所在地:東京都渋谷区神宮前3-42-1
アクセス:外苑前駅より徒歩6分
竣工:1998年
15.駐日ブラジル大使館事務棟

駐日ブラジル大使館事務棟は、街に大きく開いた弓状の外装と鮮やかな色彩が印象的な大使館の事務棟です。
湾曲した外観や前面の階段が、ブラジルの街中にある広場のようにオープンに広がりつつ前面道路を取り込むデザインとなって、おおらかで陽気なブラジルの空気を感じる建築となっています。
日本建築ではあまり使われない色の組み合わせですが、不思議と違和感を感じない点が秀逸です。


設計:竹中工務店設計部/中村隆治+ルイ・オータケ
所在地:東京都港区北青山2-11-11
アクセス:外苑前駅より徒歩約5分
竣工:1983年
16.塔の家

塔の家は、1966年に建てられた建築家の東孝光氏の自邸です。
東孝光氏は郵政省、坂倉準三建築研究所で建築実務を行った後、30代前半にこの塔の家の建築と共に独立して建築家としての人生をスタートさせました。
20㎡に満たない小さな3角形の敷地に建てられた建物は、戦後日本の個人住宅の傑作として知られ、都市住宅という言葉を生みだした記念碑的建築でもあります。
お風呂やトイレの扉さえも取り除かれた内部構成は、住むための空間を極限まで圧縮し、それでも都心に住むという意思と覚悟をもったアヴァンギャルドな住宅です。


設計:東孝光/東孝光建築研究所
所在地:東京都渋谷区
アクセス:外苑前駅より徒歩約7分
竣工:1966年
17.ワタリウム美術館

ワタリウム美術館は、塔の家の向かいに建つ地上5階地下1階建ての美術館です。
建物の設計を手掛けたのはスイスの建築家 マリオ・ボッタ氏で、横ストライプのライン模様や彫刻のような外観が特徴となっています。
マリオ・ボッタ氏はサンフランシスコ近代美術館(1994年)やイタリアのスカラ座の改修デザインを手掛けた世界的な建築家ですが、日本で体験できるマリオ・ボッタ作品としても貴重な建物となっています。
コンクリートの力強くも軽やかな躯体と、その躯体の隙間から差し込む光や風景は、それ自体が一つの美術体験といえます。


設計:マリオ・ボッタ
所在地:東京都渋谷区神宮前3-7-6
アクセス:外苑前駅より徒歩約6分
竣工:1990年
公式HP:http://www.watarium.co.jp/
18.寛斎スーパービル

寛斎スーパービルは、塔の家のお隣に建つ地上7階地下2階建てのオフィス、アトリエ、店舗等の複合ビルです。
約300㎡ほどの台形の敷地に建つ建物は、路地のように建物内に伸びる階段によって立体的に接続されています。
彫刻のようなマッシブ感と、表皮のような軽やかさの両方を纏った外装もユニークで、みる角度によって印象ががらりと変わるのも楽しい建築です。


設計:竹山聖/アモルフ+アトリエミカ
所在地:東京都渋谷区神宮前3-39-7
アクセス:外苑前駅より徒歩約7分
竣工:1997年
19.SAPPHO

SAPPHOは、寛斎スーパービルの向かいの少し奥まった場所に建つ地上5階地下1階建てのオフィス、ギャラリー、住宅の複合ビルです。
約65㎡の小さな敷地に建ちあがる建築は、様々な要素が錯綜し、交錯しながら建物の空間を包み込んでいます。
SAPPHO(サッフォー)は古代ギリシアの女性詩人でレズビアンの語源にもなった芸術家でしたが、サッフォーの詩の世界観や、大天使ガブリエルが放った矢といったモチーフが建築化されているのも面白く、東京を代表するポストモダン建築のひとつとなっています。

設計:北川原温/ILCD
所在地:東京都渋谷区神宮前3-7-4
アクセス:外苑前駅より徒歩約7分
竣工:1990年
20.神宮前メグビル

最後に紹介する神宮前メグビルは、キラー通りと交差する熊野通り沿いに建つ地上4階建てのテナントビルです。
都市計画道路である北面の1/3は鉄骨造2フロア、残りの奥部分は鉄筋コンクリート造4フロアとなっていて、道路の反対側からみると都市計画道路のシルエットが浮かび上がってくるのが面白いところ。
正面の端正な外観が印象的な建物ですが、側面は表情豊かな外装パネルとなっていたり、将来的な設備更新に対応可能なランダム開口となっているのも注目ポイントです。


設計:古谷誠章/NASCA
所在地:東京都渋谷区神宮前3-42-15
アクセス:外苑前駅より徒歩約5分
竣工:2007年
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