代官山で建築巡り！おススメの名建築20選を紹介

今日は東京の代官山で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。

1.フォレストゲート代官山

フォレストゲート代官山は、代官山駅と八幡通りの間に建てられた住宅、商業、オフィス、広場等の複合施設です。
建物は代官山駅を出てすぐの場所に建つ地上2階建てのTENOHA棟と、その奥に建つ地上10階地下2階建てのMAIN棟で構成されていて、低層部は店舗やシェアオフィス、広場などの商業施設が入り上層部は総戸数57戸の賃貸住宅となっています。
隈研吾氏がデザイン監修を手掛けたMAIN棟は、木のフレームによって集合住宅のボリュームを分割しつつ、巨大な森のようなデザインとなっているのが特徴です。

低層部は2つの道路を繋ぐ小路があったり、回遊性のある中廊下があったり、高低差を利用したベンチスペースがあったりと規模は小さいながら楽しく散策したり佇んだりできる場所となっていました。

代官山側に建つカフェやイベントスペースがはいる木造2階建てのTENOHA棟も注目です。
こちらの建物はSUEP.が設計を担当し、6角形をモチーフにした木と植物による開放的な空間が印象的で、「循環」する建築や食の実践の場がデザインされています。

基本設計(MAIN棟)：隈研吾建築都市設計事務所
実施設計(MAIN棟)：竹中工務店・東急設計コンサルタント共同企業体
設計(TENOHA棟)：SUEP.
内装設計(ブルーボトルコーヒー)：SUPPOSE DESIGN OFFICE
所在地：東京都渋谷区代官山町20-23
アクセス：代官山駅より徒歩約1分
竣工：2023年
公式HP：https://forestgate-daikanyama.jp/

2.代官山アドレス

代官山アドレスは、旧同潤会アパートの再開発で建てられた地上36階地下4階建ての集合住宅、店舗等の複合施設です。
約500戸の集合住宅ザ・タワーを中心に、大小様々な施設が外部空間を巻き込みながら立体的に配置されているのが特徴で、広場を含んだ低層部の一部は旧同潤会アパートをモチーフとしたデザインとなっているのも注目ポイントです。
ランドスケープデザインの巨匠ロバート・ザイオンが基本計画を手掛けた外構計画も素敵で、美しく調和の取れた気持ちいい外部空間が広がっています。

設計：日本設計+NTTファシリティーズ
外構デザイン：ロバート・ザイオン
所在地：東京都渋谷区代官山町17-1
アクセス：代官山駅より徒歩約1分
竣工：2000年

3.A.P.C.ビル

A.P.C.ビルは、フランス・パリを拠点とするアパレルブランドA.P.C.(アーペーセー)の店舗兼オフィスビルです。
建物のデザインはパリ出身の建築家ポール・シュメトフが手掛けていて、工事現場で使われる足場の材料等を使いつつ、シンプルで美しいデザインを実現しているのが特徴です。
一般的には使われない材料も丁寧で突き詰めたデザインにより上質な質感にみえるのがとても面白い建物です。

設計：ポール・シュメトフ+匠明
所在地：東京都渋谷区猿楽町11-9
アクセス：代官山駅より徒歩約2分
竣工：1998年

4.KASHIYAMA DAIKANYAMA

KASHIYAMA DAIKANYAMAは、大手アパレル・宝飾品会社であるオンワードによる地上5階建ての複合商業施設です。
大小様々な門型の箱が立体的に積み上がったようなデザインが特徴の建築は、代官山の地形と繋がる小さな丘のようでもあります。
建築、外構、家具等の領域を跨いでデザインされた建物は、街のもつスケールと人のもつスケールがシームレスに繋がった空間が随所にみられ、とても興味深い建築となっていました。

デザイン監修：nendo
設計：大成建設+乃村工藝社
所在地：東京都渋谷区代官山町14-18
アクセス：代官山駅より徒歩約5分
竣工：2018年

5.MONKEY CAFE D.K.Y.

MONKEY CAFE D.K.Y.は、代官山の猿楽古代住居跡公園に隣接して建つカフェ・ギャラリー・ショップ・オフィスの複合施設です。
12角形の不思議な形の建物は、地下から円を描くように螺旋状に巻き上がるデザインが特徴。

企画・開発から展示・販売までの一連の流れが一続きに再現されたような空間は、緩やかに連続しながらつくり手と受け手を繋げているようです。
ハンドドリップで一杯ずつ入れられた珈琲も絶品で、こだわりの詰まった上質な空間とメニューを堪能できるオススメカフェです。

建築設計：中村拓志/NAP建築設計事務所
内装設計：スーパープランニング
所在地：東京都渋谷区猿楽町12-8
アクセス：代官山駅より徒歩約7分
竣工：2014年
営業時間：10:00～19:00
公式HP：https://monkeycafe.jp/

6.古民家カフェ ウララ

古民家カフェ ウララは、代官山の旧山の手通りから一本はいった路地沿いに建つカフェです。
スタイリッシュなショップが立ち並ぶ代官山において、時が止まったような不思議な雰囲気を纏った暖簾をくぐると、中庭のテラスと戦後間もなくに建てられた古い民家が姿を現します。
カフェは自家製出汁のうどんをメインに、季節によっては天然氷のかき氷なども人気となっていて、趣がある空間と絶品メニューを味わえる代官山の隠れグルメスポットとなっています。

所在地：東京都渋谷区猿楽町20-10
アクセス：代官山駅より徒歩約3分
竣工：1948年

7.Sarugaku

Sarugakuは、地上2階地下1階建ての6棟の建物で構成された商業施設です。
2階部分をセットバックしつつ分散配置された建物群は、小さな丘と谷が連続する地形のようなデザインとなっているのが特徴です。
回遊性があり、通路でありステージであり、ギャラリーのようでもある外部空間も面白いですが、視線の抜けや奥行きを感じる開口部の配置も巧みで、小さな敷地ながら広がりのある素敵な商空間がデザインされています。

設計：平田晃久/平田晃久建築設計事務所+吉原美比古/吉原美比古建築設計事務所
所在地：東京都渋谷区猿楽町26-2
アクセス：代官山駅より徒歩約5分
竣工：2007年

8.スピークフォービル

スピークフォービルは、旧山の手通り沿いに建つ地上3階地下2階建ての店舗・ギャラリーです。
大きく地下に彫り込まれた計5層のフロアが軽やかに積み重ねられ、吹き抜けを通して一つの建物としてまとめられています。
上階には大理石の外装が用いられていて、昼夜で全く違った表情をみせてくれるのも注目ポイントです。
代官山は丘や谷をモチーフにした建物が多いですが、そんな代官山建築の中でも一際軽やかで透明感のある美しい建物となっています。

設計：照井信三/照井信三建築研究所
所在地：東京都渋谷区猿楽町28-2
アクセス：代官山駅より徒歩約5分
竣工：1999年

9.旧朝倉家住宅

旧朝倉家住宅は、代官山駅から程なくの歩いたところに建つ邸宅です。
地元の名士であった朝倉虎治郎氏の邸宅として大正時代の1919年に建てられた邸宅は、中庭や隣接する回遊式庭園の自然と呼応しながら丁寧にデザインされているのが特徴です。
代官山の一等地にありながら、100年以上前に建てられた大邸宅は、建築は周りの環境との関係で成り立っていることを改めて再確認させてくれます。

所在地：東京都渋谷区猿楽町29-20
アクセス：代官山駅より徒歩約4分
竣工：1919年
開館時間：10:00～18:00
※11～2月は～16:30
休館日：月曜、年末年始
入館料：一般100円、小中学生50円
備考：重要文化財

10.ヒルサイドテラス

ヒルサイドテラスは、代官山の旧山手通り沿いに建つ集合住宅、店舗、オフィスなどからなる複合施設群です。
今でこそお洒落でファッショナブルな店が連なるイメージのある代官山ですが、もともとは施主である朝倉家の建物が点在する高級住宅地でした。そこから約30年かけて徐々に開発を進め、建築をつくることで街そのものを育て、成熟させていった稀有な事例でもあります。
地域や敷地が持つ特性を注意深く反映させつつ、奥性など日本の伝統的な建築手法を巧みに再解釈してつくられた建築は、自然と人々を引き込み、街を回遊させます。

未来の建築・都市像を描きつつも実際にはほとんど実現・変化しなかったメタボリズムの建築の中で、長い時間の中で徐々に成長していったヒルサイドテラスはその稀有な実現例としても興味深い建築群となっています。

設計：槇文彦/槇総合計画事務所
所在地：東京都渋谷区猿楽町
アクセス：代官山駅より徒歩約3分
竣工：1969年～1998年
公式HP：http://hillsideterrace.com/