今日は横浜のみなとみらいエリアにある象の鼻パーク・象の鼻テラスを訪れてきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
メジャーな観光スポットが盛りだくさんなみなとみらいエリアにおいて、建築好き&アート好きに時に是非おススメしたい隠れ建築スポットである象の鼻パーク・象の鼻テラス。
いったいどんなスポットなのか早速紹介したと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・象の鼻パーク&テラスを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・象の鼻パーク&テラスの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・象の鼻パーク&テラスの建築的な見どころや注目ポイント
1.現代に蘇った横浜港発祥の地!横浜の隠れ注目スポットに注目!
今回訪れたのは横浜の赤レンガ倉庫と大さん橋のちょうど中間のスポットに位置する象の鼻パーク・象の鼻テラスです。
もともとこの場所は横浜港発祥の地として1854年にアメリカのペリー提督が2度目の来日で上陸した場所です。
5年後の1859年に日米修好通商条約が結ばれたのは教科書で習った通りですが、これにによって横浜は5つある開港場の一つにとなり、以降の日本の発展の礎となりました。
そんな歴史的な場所でもある象の鼻地区ですが、開港150周年を迎える2009年に記念事業として大幅な整備が実施され、今回訪れた象の鼻パーク・象の鼻テラスが誕生しました。
ちなみに象の鼻という名称は、時代と共に少しずつ形を変えてきた堤防の形状が、象の鼻に似ていたことに由来しています。
時代とともに一時は堤防の形は直線状となった時代もありましたが、2本の突堤の内の1つは明治20年代当時は停留する船への波の影響を抑えるために弓なりの形となっていました。2009年の整備時に際しては、この堤防が当時の弓なりの形に復元され、象の鼻パークと名付けられました。
象の鼻エリアを歩くと、いたるところに象のアイコンが散りばめられていて、いろいろな象を探しながら歩くのも楽しみの1つになっています。
2.サークル状のスクリーンが作り出す都市風景に注目!
今回は大さん橋をでて横浜の赤レンガ倉庫を目的地に象の鼻パークを散策したのですが、注目なのは広場全体を緩やかに取り囲んで結び付けている半透明のスクリーンです。
先端である象の鼻防波堤から中央の開港波止場、そして反対側の先端である象の鼻テラスまでこの半透明のスクリーンが緩やかに道案内をしてくれます。
この半透明のスクリーンがあることで、単なる広場が象の鼻堤防と一体となったプロムナード(散策路)に見えてくるのがとても面白いです。
スクリーンに沿って散策していると、ベンチと一体になった水場を発見。
これはよく見ると象の形になっていて、見つけた時はちょっとうれしくなってしました。
ディズニーランドの隠れミッキーならぬ、この「隠れ象の鼻」はパークの各所にデザインされているようで、まだまだ見つけ切れていない象のアイコンもありそうです。
象の鼻パークをほどなく進むと見えてくるのが開港波止場。円形のスクリーンに対比するようにデザインされた足元のスクエア型の模様がカッコいいです。
ちなみに向こう側に見える塔上の建物は「キングの塔」の愛称で親しまれる神奈川県庁舎。象の鼻パークではこういった歴史的建造物や、横浜スタジアムから続く日本大通りからの景観に配慮してデザインされているのも特徴です。
さらに進むと見えてくるのがパーク内の唯一の建物である象の鼻テラスです。
象の鼻テラスは観光案内所の他、カフェやイベントスペース、公衆トイレが備わっていますが、港口面への景観に配慮して高さを抑えたつくりになっています。
広場の途中にはステージのようなスペースがあったりするのですが、こうやらこの広場は野外劇場として利用できるようにも計画されているようです。
イベント時には広場の先がステージになり、普段は港や海を舞台としてその風景を眺めるというのは素敵な演出です。
象の鼻テラスの屋上は広場となっていて、その向こうには開港の丘と呼ばれる芝生広場が広がります。
私が訪れた時にもベンチに腰掛けるカップルや、芝生に寝そべる男性や、広場を駆け巡る子供など、皆が思い思いの過ごし方をしているのが印象的でした。
ちなみに対岸に見えるのは赤煉瓦倉庫。象の鼻パークを歩く周辺のいろいろな建物が見えてきて、都市的なスケールで周辺の環境と繋がっていることがよく分かります。
3.象の鼻テラスもおススメ!地層の中に織り込まれた文化発信基地に注目!
最後に広場を少し戻って象の鼻テラスの内部に潜入します。
象の鼻テラスは先ほども少し触れたように広場の下に埋もれるように高さを抑えて計画されていて、北側からアプローチする際は地層の中に潜り込むようなイメージを感じます。
内部は観光案内スペースの他、アート関連のイベントスペースにもなっていて、週末を中心に様々なイベントが企画されています。
この象の鼻テラスは開港以来様々な文化と出会い、交錯してきたこの場所を、新たな「文化交易」の拠点へするというコンセプトをもとにデザイン・運営されていて、象の鼻パークを訪れた際は是非合わせて訪れてほしい建物です。
手前がカフェ兼い面とスペース、天井高さが低くなる奥側はトイレとなっているのも巧みな構成です。
建物内部に入ると、健大美術作家の椿昇(つばきのぼる)氏の「時をかける象(ペリー)」という作品をはじめ、様々なオブジェや仕掛けも楽しめます。
最初に見た時は思わず、象というよりマンモスじゃ…と突っ込んでしまいましたが、間近で見るとかなりの迫力とエネルギーを感じます。子供たちにも大人気なようで、何組もの子供が惹きつけられていたのもよかったです。
大きな象のオブジェに目が行ってついつい見逃しがちですが、床には足跡が続いているのも注目です。こちらの足跡はかなり可愛らしい。テープで貼ってあるところを見るとひよっとしたら何かのワークショップの時に貼られたのかもしれません。
この日は6月の中旬でしたが、散策をするとかなりの暑さだったので、名物ゾウノハナソフトを頂きちょっと休憩。
ヨコハマと言えばソフトクリームのイメージがありますが、象の鼻をモチーフにしたこちらのソフトクリームはまさにピッタリ!おススメです。
窓には「〈象の鼻〉での24の質問」というタイトルの詩が綴られています。
街に関わるきっかけとなる質問が美しい言葉で投げかけられるこの作品は、谷川俊太郎さんによるもの。
ちょっと休憩のつもりで立ち寄りましたが、想像以上にいろいろな刺激を受ける空間に大満足の建築体験となりました。
関内・桜木町の港エリアといえば赤レンガ倉庫や大さん橋がよく知られていますが、その狭間にある象の鼻パーク・テラスもかなりおススメです!
皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね!
【横浜旅情報】
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象の鼻パーク&テラス
設計:小泉雅生/小泉アトリエ
所在地:神奈川県横浜市中区海岸通1
アクセス:日本大通り駅より徒歩約5分、関内駅より徒歩約13分
竣工:2009年
備考:2009年UD賞まちなみ部門受賞
第55回神奈川建築コンクール優秀賞
公式HP:https://zounohana.com/
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