千葉市「ホキ美術館」建築と絵画の両方を堪能できる美術館をレポート

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本日は千葉県にある私設の美術館であるホキ美術館をレポートします。
ホキ美術館は2019年の台風19号で甚大な被害を受けて休館していましたが、設備の改修や絵画の修復を経て2020年の8月1日に再オープンとなりました。

私がホキ美術館に訪れたのはオープン直前の内覧会と2014年の2回で少し前のことなのですが、今回の再オープンを経て改めて振り返ってみました。
絵画も建築も見どころ満載でとっても魅力的な美術館ですので、その魅力や注目ポイントを少しでもお伝えできればと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・ホキ美術館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・ホキ美術館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・ホキ美術館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.世界的にも珍しい写実絵画!建築もスゴイ!

ホキ美術館は千葉市緑区にある写実絵画を中心とした私設美術館です。
美術館は約100haの広さを誇る昭和の森公園に隣接していて、周辺は低層の住宅地が広がる立地に建ち、ホギメディカルの創業者である保木将夫氏のコレクションを所蔵することから「ホキ」美術館という名前がついています。

2019年10月25日の台風19号による水害のため長期休館していましたが、2020年8月1日より再開館されました。
四角い箱のような従来の美術館とは異なり、3層に渡って積層された回廊状のギャラリーが特徴的な美術館で、約30mに渡り宙に浮く展示室は観た人だれもが感嘆の声をあげる迫力があります。
美術品も素晴らしいコレクションが満載なのですが、美術展示と綿密に関係する建築も見どころ満載の美術館です。

2.アクセスや入館料は?

□アクセス
ホキ美術館のアクセスはJR外房線の土気(とけ)駅から徒歩約20分の場所にあります。
土気駅からは路線バスもでていて、バスでは約5分のアクセスとなります。千葉中央バス土気駅南口3番乗場から「あすみが丘ブランニューモール行き」乗車して「あすみが丘東4丁目」で下車するとスムーズにアクセスできます。

私は土気駅から徒歩、バス両方でアクセスしたことがありますが、徒歩でも十分歩ける距離でした。
ちなみに車でのアクセスも可能で、40台の専用駐車場があります。満車の場合は隣接する昭和の森公園にも有料駐車場がありますのでそちらを利用するとよいでしょう。

□入館料
一般:1830円
高校生・大学生・65歳以上:1320円
中学生:910円
小学生以下:760円(保護者1名につき2名まで無料)

□開館時間・休館日
開館時間:10:00~17:30
休館日:火曜日

尚、現在は日時指定の予約制となっていますので、訪れる際は公式HPから申し込みをする必要があります。

3.早速見学!チューブ状の回廊が重なり合う不思議な美術館

早速美術館に到着すると想像していたよりもだいぶ小ぶりな美術館に驚かされます。
事前に雑誌などで見ていたホキ美術館は30mの張り出した展示室がダイナミックな建築でしたが、実際に見た建築のボリュームはだいぶ抑えられています。

美術館の大部分は地下1階と地下2階に納められているので、地上部には展示入れ替えを頻繁に行う一部の絵画のみの展示空間となっていて建物のボリュームはあまり感じません。
また、すぐ目の前が住宅街なことも驚きで、周辺環境への影響をかなり考えて計画されていることが伺えます。

チューブ状の回廊それ自体の大きさは最小限に抑えられ、それらのチューブが積層する構成になっているのでボリュームが分節されて公園と住宅街に囲まれた敷地に馴染んでいます。
また細長いチューブ状にすることで、回廊の奥行き方向がより強調されるので、外観・内観共にロングスパンの回廊がより効果的に見えることにも注目です。

最大の注目ポイントは、なんといっても約30m張り出した鋼製の鉄板でつくられたギャラリーです。
張り出したチューブの隙間からは向こう側の風景が見えて、視線や風が通ります。見る位置によってバックの背景がどんどん変わっていくので、色々な角度から見てみると面白いです。

4.アプローチに注目!色々な工夫が垣間見える

早速内部に入るために緩やかなスロープを上がります。
注目したいのは、このスロープも内部のチューブ状の展示室と同じく湾曲した回廊になっていることです。

違いは天井があるかどうかの差だけで、このアプローチもギャラリーの一部のようです。
つい内部の絵画が展示された部分に目が行きがちですが、このアプローチもしっかり味わいます。
建築の内部・外部、外交部分すべて合わせて1つの美術館なのだという設計者の意図が垣間見れます。

エントランスまでスロープを登って行ってもう1点注目したいのは外装の簡素さです。
建物の構成はダイナミックですが、構成のダイナミックさに反して外装はガラスとコンクリート、鋼材のシンプルな仕上げです。
建物構成や構造は絵画展示の為にダイナミックなものになっていますが、外装はその構成とコントラストを成すようなシンプルさです。
美術館としての空間体験は、はあくまで空間が作り出す光と影と作品自体といったことでしょうか。
このエントランスから中に入ると、余計な装飾がない分本当に空間と作品に集中できます。

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5.内部もスゴイ!純粋に絵画と対面する展示空間

内部のチューブ状の展示空間は「1対1で写実絵画と向き合える場所」というコンセプトから設計されています。
このチューブ状の回廊の幅は絵画との鑑賞距離を計算して決められていて、箱状の美術館とは一線を画す鑑賞ができます。

よくよく展示空間を見てみると、通常の美術館であるような絵画との間にある柵や絵画をつるすピクチャーレール、天井から出る突起物が全くないことに気づきます。
回廊を見た時にその空間の美しさに驚きましたが、通常あるものがないだけでこんなにも変わるものかと驚きました。

地上部の絵画は強力マグネットでとりつけられているそうですが、これは鋼製の外装材がそのまま生かされています。
また、天井の設備も照明だけでなく空調や警報機関係もダウンライトと同じ穴ようなに納められています。
このあたりは注意してみないと気付きませんが、設計者の苦労と工夫の賜ですね。

地上部の展示室は自然光が差し込みます。上の写真を見てみるとよく分りますが、チューブ状の回廊は湾曲して少しずつずれながら積層しています。
チューブがずれていることで同じようなチューブ状の展示室も違った風景に見えてきます。
また、ズレることで光や風も抜けるので、通常の美術館にない環境効果が美術館の内外にもたらされています。

一見奇抜で見たことのない美術館ですが、よく見てみると様々な工夫によって必然的に導かれた建築であったことがよく分りますね。

6.おまけ:建築好きは土気駅からの途中にあるコンビニは必見!

最後におまけとして土気駅とホキ美術館の中間に面白いコンビニを見つけたので紹介します。

こちらのローソンですが、文京区にある「東京カテドラル 聖マリア大聖堂」にそっくりです 笑
東京カテドラルといえば建築家 丹下健三が設計をした彼の代表作ですが、まさかこんな所で出会えるとは!

こちらの写真が本物の東京カテドラルです。
私がこのローソンを発見したのは2010年のオープン当初なので現在も存在しているかわかりませんが、建築好きの方は駅から歩いていく大通り沿いにあるので是非見てみてください!

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関連記事
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ホキ美術館
設計:日建設計
所在地:千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
アクセス:土気駅より徒歩約20分、バス5分
竣工:2010年
備考:2011年度日本建築大賞


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