今回は、神奈川県横浜市のみなとみらい周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・みなとみらいエリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・みなとみらいエリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・みなとみらいエリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
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1.みなとみらい駅

まず初めに紹介するみなとみらい駅は、2004年に開通したみなとみらい線の駅舎です。
みなとみらい線は各駅を建築家とコラボレーションしてデザインしていて、ここみなとみらい駅は早川邦彦氏がデザインを手掛けています。
船をモチーフにデザインされた構内は、トンネルのような通路に鮮やかなカラーリングのパイプが伸びる美しい駅舎となっています。
大量の人々を捌く機能性と許容性をもちながら、美術館のギャラリーのような空間にみなとみらいらしさを感じる素敵な駅舎です。


設計:早川邦彦/早川邦彦建築研究室+鉄道建設・運輸施設整備支援機構
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-5
竣工:2004年
備考:2004年度グッドデザイン賞
2.マークイズみなとみらい

マークイズみなとみらいは、みなとみらい駅直結の地上6階地下4階建ての商業施設です。
高低差がある細長い敷地に対して、建物を分節しながらパッチワークのように組み合わせたデザインが特徴で、巨大なはずの建築が人のスケールに落とし込まれています。
公園と緩やかに繋がる動線や内外をつなげる仕上げ材の使い分け、光とともに都市のスケールを呼び込む吹抜け空間など周辺環境を活かしたしかけにも注目の建築です。


設計:三菱地所設計
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-5-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:2013年
備考:2014年度グッドデザイン賞
第58回神奈川建築コンクール最優秀賞
公式HP:https://www.mec-markis.jp/mm/
3.ブルーボトルコーヒー みなとみらいカフェ

ブルーボトルコーヒー みなとみらいカフェは、カリフォルニア州オークランド発の人気コーヒーショップの新店舗です。
ブルーボトルコーヒーの店舗はこのブログでも何度も取り上げてきましたが、ここみなとみらいカフェは、以前レポートした渋谷カフェと同じ芦沢啓治建築設計事務所が店舗デザインを手掛けています。
グランモール公園に面する角地に建てられた建築は、ガラスと金属のシックなフレームの中に、木質のカウンターや座席が浮かび上がるデザインが特徴。季節によってはガラス戸が開け放たれて公園と一体化しているのも魅力的です。


設計:芦沢啓治建築設計事務所
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-5-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:2020年
営業時間:8:00~20:00
4.横浜美術館

横浜美術館は、みなとみらいの造船所跡地に1988年に建てられた美術館です。
設計を手掛けたのは戦後の日本を代表する建築家の丹下健三氏。
左右対称の空間や幾何学図形を組み合わせた構成も美しいですが、ポルティコと呼ばれる前面広場との緩衝空間や、グランドギャラリーと呼ばれる立体的な導入空間によって開かれた美術館がデザインされているのが大きな特徴です。
2024年の大改修では、バリアフリー工事等に加えて、グランドギャラリーにかつてあった開閉式の天井ルーバーの修復なども行われ、自然光により表情が変化する新たな都市空間がつくりだされています。


設計:丹下健三/丹下健三・都市・建築設計研究所
改修設計(空間構築・サイン計画):乾久美子建築設計事務所+菊地敦己事務所
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:1988年
公式HP:https://yokohama.art.museum/
5.横浜ランドマークタワー

横浜ランドマークタワーは、1993年に建てられた地上70階地下3階建てのタワー棟と、地上5階地下4階建てのプラザ棟からなる超高層の複合施設です。
地上70階高さ約296mの建物は、2014年にあべのハルカス(300m)ができるまで20年以上に渡って日本一の高さを誇るビルでした。
基本構想を手掛けたアメリカ人建築家のヒュー・スタビンス氏によってデザインされた建物は日本の神社の「鳥居」をイメージしてデザインしています。
緩やかにカーブする柱のようなシルエットが頂上で繋がるデザインがとてもユニークで、カフェや図書スペースがはいる展望台からは横浜の風景を一望できます。


設計:三菱地所設計+ヒュー・スタビンス
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約3分
竣工:1993年
備考:第36回BCS賞
第5回横浜まちなみ景観賞
公式HP:https://www.yokohama-landmark.jp/
6.旧横浜船渠株式会社第二号船渠(ドックヤードガーデン)

旧横浜船渠株式会社第二号船渠は、明治時代の1986年につくられた現しる最古の民営石造乾船渠です。
一時は解体・埋め立ても検討されましたが、その歴史的価値とみなとみらい地区の再開発から1993年に野外イベントスペースを中心としたドックヤードガーデンとしてリニューアルされました。
天まで聳えるランドマークタワーの足元で、水平に伸びる石造りの構造物のコントラストがとても印象的です。


設計:恒川柳作
改修設計:三菱地所
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
アクセス:みなとみらい駅徒歩約4分
竣工:1896年(1993年改修)
備考:重要文化財
第5回横浜まちなみ景観賞
横浜市認定歴史的建造物
7.横浜みなと博物館(旧横浜マリタイムミュージアム)

横浜みなと博物館(旧横浜マリタイムミュージアム)は、日本丸メモリアルパーク内に建つ横浜の港や船をテーマにした博物館です。
公園内には航海練習船である日本丸(重要文化財)が保存されていますが、日本丸の保存と同時期に計画された建物は建物の大部分を地下に隠しつつ、半円形の開口から日本丸を望めるようなデザインとなっているのが特徴です。
屋根の上は芝生の広場になっていて、週末には子どもが駆け回ったり、おじいさんが佇んだりと思い思いの姿で横浜港を楽しんでいます。


設計:三菱地所
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-1-1
アクセス:みなとみらい駅徒歩約5分
竣工:1988年
備考:第3回横浜まちなみ景観賞
公式HP:https://www.nippon-maru.or.jp/
8.クイーンズスクエア

クイーンズスクエア横浜は、地上36階地下5階のクイーンズタワーAを筆頭に連なる3つの建物からなるオフィス、商業施設等の複合施設です。
ランドマークタワーから海の方向に向けて流れるように低くなっていく外観が特徴ですが、地上部付近ではクイーンモールと呼ばれる約300mのモール空間が各建物を貫いているのも大きな見どころです。
また、6階と17階にはスカイウォークと呼ばれる空中通路で連結されていたり地上部では地下鉄へと繋がる巨大な吹抜け空間があったりと、建物の内外に回遊性と賑いをもたらしています。


設計:日建設計+三菱地所設計
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-4
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:1997年
備考:第40回BCS賞
1998年度グッドデザイン賞
第7回横浜まちなみ景観賞
公式HP:https://qsy-tqc.jp/
9.みなとみらいミッドスクエア ザ・タワーレジデンス

みなとみらいミッドスクエア ザ・タワーレジデンスは、31階地下1階建て総戸数650戸の集合住宅、商業施設等の複合施設です。
デザイン監修を近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト氏の孫でもあるエリック・ロイド・ライト氏が手掛けたこもでも話題となった建物は、壮大な吹抜け空間や優雅な曲線美による建築美と、周辺環境を巧みに取り込んだデザインによる高級レジデンスとなっています。


デザイン監修:エリック・ロイド・ライト
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい4-7-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:2007年
10.M.M.TOWERS/M.M.TOWERS FORESIS

M.M.TOWERSは、三菱地所設計がデザインを手掛けた超高層集合住宅群です。
2003年に竣工した地上30階地下1階建建てのM.M.TOWERSは、白を基調にした端正なデザインにブルーのガラスがアクセントとなる高層住宅が3棟連なります。
2008年に竣工したM.M.TOWERS FORESISは丸みを帯びた外観が天に伸びるようなデザインが特徴で、先に竣工した3棟と合わせて軽やかなボリュームが樹立しています。
それぞれの棟の足元のランドスケープが連なることで、豊かな自然環境が確保され、お互いの価値をより高め合っているのもユニークです。


設計:三菱地所設計
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい4-9、4-10
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約2分
竣工:2003年(M.M.TOWERS)、2008年(M.M.TOWERS FORESIS)
備考:2004年度グッドデザイン賞(M.M.TOWERS)、2008年度グッドデザイン賞(M.M.TOWERS FORESIS)
11.けいゆう病院

けいゆう病院は、国際大通り沿いに建つ地上13階地下3階建ての病院です。
ホスピタルリゾ-トをテーマにデザインされた建築は、診療部門や手術室が納められた矩形のボリュームと、海沿いに開いた半円形の病棟がブリッジで繋がれているのが大きな特徴です。
ブリッジは大きな吹抜け空間となっていて、天高くから導かれる自然光による開放的な空間はまさにリゾートホテルのような体験をもたらしてくれます。


設計:伊藤喜三郎建築研究所
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-3
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約1分
竣工:1995年
12.パシフィコ横浜/ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル

続いて訪れたパシフィコ横浜は、みなとみらい21の海際のランドマークである会議ホール、展示場、ホテル等の複合施設です。
世界最大級の複合コンベンション施設でもある建物のデザインは、貝や波といった海のモチーフでデザインされているのが特徴です。
ダイナミックかつ優雅なデザインの建物は上空から見るとその特徴がより表れていて、陽の光や人々の動きに合わせてさざ波のようにわずかにその表情が変化して見えるのが面白かったです。


設計:日建設計
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
アクセス:みなとみらい駅徒歩約5分
竣工:1991年
備考:第5回横浜まちなみ景観賞
公式HP:https://www.pacifico.co.jp/
13.ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜/横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート

ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜と横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾートは、みなとみらいの臨港パークに隣接する地上14階地下1階建てのホテルです。
波打ち際を意味する汀をテーマにデザインされた建物は大きく湾曲するブルーのガラスが大きな特徴となっています。
ダイナミックな造形は葛飾北斎作の浮世絵富嶽三十六景神奈川沖浪裏もモチーフにデザインされていて、他のホテルにはないリゾート感を演出しています。
外観はダイナミックですが、前面の臨港パークの静かでフラットな緑地とのコントラストも鮮やかで、みなとみらいの臨港に新たな景観をつくりだしています。

設計:観光企画設計社
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1
アクセス:みなとみらい駅徒歩約7分
竣工:2020年
14.富士ゼロックスR&Dスクエア

富士ゼロックスR&Dスクエアは、地上20階地下1階建てのオフィスビルです。
不整形な敷地を受け止め巻き込むような外構計画とアプローチ空間をもつ建物は、オフィスビルでは珍しい楕円形のデザインとなっています。
縁側と呼ばれる1周約300mある外周部は、執務空間と外部空間のバッファゾーンとなりながらオフィス内の空間とそこで働く人々を繋げる役目を担っています。
屏風型に折れ曲がった外装も印象的で、時間や天候によって微妙に表示が変化するのがとても魅力的です。


外装デザイン:光井純&アソシエーツ建築設計事務所
建築設計:清水建設
内装設計:FIELD FOUR DESIGN OFFICE
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい6-1-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約10分、新高島駅より徒歩約1分
竣工:2010年
備考:第24回日経ニューオフィス賞日経ニューオフィス推進賞
15.ミュージックテラス

ミュージックテラスは、みなとみらい21地区の最北に建つオフィス、ホテル、アリーナ、商業施設等の複合施設です。
すべては「音楽」を楽しむために、をコンセプトにした音楽特化の複合施設の中核を成すKアリーナ横浜は、20000席の座席を備え、全席がステージに向く扇型のアリーナとなっていて、会場全体が一体となるダイナミックな空間がデザインされているの多が特徴。
隣接する地上26階地下1階建てのヒルトン横浜と地上21階地下1階建てのKタワー横浜は共に高さ約100mの超高層ビルとですが、足元では水辺のテラスや広場空間で接続されていて、エリア一体で豊かで賑いのある空間がつくり出されているのも注目ポイントです。


設計:梓設計+国建+鹿島建設
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい6-2
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約12分、新高島駅より徒歩約5分
竣工:2023年
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