今回は埼玉県の宮代町の東武動物公園駅周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・宮代町を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・宮代町の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
1.東武動物公園駅西口商業施設

東武動物公園駅西口商業施設は、東武動物公園駅の西口を出てすぐのところに2021年にオープンした平屋建ての商業施設です。
木質の軒が大きくはりだした大屋根の下には東武ストアと無印良品を中心とした店舗が広がっていて、宮代の田園風景を想起させるような水平ラインが印象的な建物となっています。
店舗の前には1000㎡を超える芝生広場が設けられていて、低層の店舗と広場とがゆるやかに繋がっています。


設計:INA新建築研究所
所在地: 埼玉県南埼玉郡宮代町中央1-2-1
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約1分
竣工:2021年
2.コミュニティーセンター 進修館

コミュニティセンター進修館は、駅から程なく歩いたところに建つ地上 2階建てのコミュニティセンターです。
綿密なフィールドワークや市民との対話を経ながら1980年に完成した建物は、同時期に建てられた名護市庁舎などの建築でも知られる象設計集団が設計を手掛けていています。
円形広場を中心に回廊が内外を繋ぎ、光と影、内と外が織り混ざる空間は訪れる季節や時刻によって実に多様な表情を見せてくれます。
緩やかな高低差の地形と調和しつつもエッジが効いたデザインも特徴で、自然の風景だけでなく、鉄塔などの人工物が連なる風景が建築化されているように感じるのも魅力的です。


設計:象設計集団
所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町笠原1-1-1
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約5分
竣工:1980年
備考:第8回日本建築家協会25年賞
3.笠原小学校

続いて紹介する笠原小学校は、東武動物公園駅から歩いて10分程の所にある小学校です。
異世界に迷い込んだかのような校舎は、子供達の「生活の場」として丁寧に設計されていて、コミュニティセンター進修館と並んで象設計集団の代表作の一つとなっています。
実際に建物内を体験すると奇をてらった派手さとは全く逆の、ずっと昔から慣れ親しんだ場所にいるような「居場所感」を感じるのが面白いところ。
あるところでは大地と繋がり、あるところでは外部から遮断された隠れ家となっていたりと変化に富む空間となっているのもユニークです。

光の使い方もすべてを画一的に照明するのではなくて、暗がりがあったり、暗がりの向こう側に光が射していて、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界観を感じるのも素敵で、陰りの中にある「見えない何かへの想像力」が働く建築です。

詳細記事
・宮代「笠原小学校」光と影が美しい竜宮城のような建築をレポート
設計:象設計集団
所在地:埼玉県宮代町百間1105
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約10分
竣工:1982年
備考:一般公開されているわけではないので注意
4.新しい村 森の市場 結

新しい村 森の市場 結は、宮代産の農産物や加工品を販売する直売所やカフェの複合施設です。
上から見ると半円形を描く売場とその隣に立つ尖った屋根のカフェが組み合わさり、一般的な直売所とはちょっと異なる風景がつくりだされています。
設計を手掛けたのは象設計集団のグループでもあるTeamZoo鰐で、曲線を生かした外形と高さの変化によって宮代の風景に溶け込みつつ、見る方向や動線によって表情が変わるのが面白い建築です。
カフェも併設されているので宮代の建築巡りの合間の休憩にもピッタリのスポットです。


設計:TeamZoo鰐
所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町字山崎777-1
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約15分
竣工:2001年
定休日:月曜
5.宮代町立図書館

宮代町立図書館は、笠原小学校のお隣の敷地に1993年に建てられた地上2階建て公立図書館です。
建物全体を大きく覆う屋根や、おおらかな周辺のスケールと連続するように緩やかにカーブする外壁が特徴的の建物となっています。
高さを抑えた構成は周辺の田園風景と競わず、外観からは端正な印象を持ちますが、内部には低い書架が並び見通しのよい閲覧室や、外部の風景を取り込む気持ちのいい空間が広がっています。


設計:和設計事務所
所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町百間1139
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約13分
竣工:1993年
6.旧加藤家住宅
駅からは2km程離れていますが、宮代町郷土資料館では、宮代町の古代から近・現代までの歴史や文化に関する展示が見れるほか野外展示として江戸時代から明治時代に建てられた建築が見学できます。

例えば郷土資料館の向かいに建つ旧加藤家住宅は、江戸時代後期にすぐ近くの旧蓮谷村に建てられた民家です。
広い土間と田の字型の四間取りを基本としながらも地元で知られていた名家らしい広々とした屋内空間や、江戸後期の暮らしぶりを間近で見学することができます。
資料館へはこの住宅の脇からもアクセスできますが、資料館の正面がこの旧加藤家住宅となっているので、加藤家の土間が遥か古代まで遡る郷土資料館へのアプローチになっているのも面白いです。


所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町字西原289
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約30分
竣工:江戸時代後期
備考:宮代町指定文化財

ちなみにお隣には縄文時代の竪穴式住居の復元展示があります。
郷土資料館の敷地内から発掘された約6000年前の住居の姿が再現されているので、江戸時代、明治時代の暮らしの移り変わりを想像するのも楽しいです。
7.旧齋藤家住宅

旧加藤家住宅の奥に建つ旧齋藤家住宅は、宮代町の初代町長なども務めた地元の名主である齋藤家の住宅です。
この建物は元々この地に建てられていたもので、母屋・蔵・物置(米蔵)が当時の姿を残しつつ、その周りに宮代町郷土資料館の諸施設がつくられました。
こちらも田の字型の間取りを中心に土間や奥座敷が配される構成となっていますが、江戸時代からの農家の典型的な形式を踏襲しつつ近代的な住居への移り変わりを感じるのが面白いところ。
こちらも内部空間や民具も含めてみることができ、当時の暮らしぶりや生活感を想像できます。


所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町字西原289
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約30分
竣工:明治時代(母屋)
備考:宮代町指定文化財
8.旧進修館

旧齋藤家住宅の西側に建つ旧進修館は明治はじめの学制発布によってつくられた進修学校(後の百間小学校)の校舎です。
この建物は明治末期の1911年に建てられたもので、エントランスの大屋根をはじめ神社仏閣を思わせるデザインが特徴となっています。
駅からはかなり距離がありますが、県内に現存する明治時代の学校としても貴重な建築遺構となっています。


所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町字西原289
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約30分
竣工:1911年
備考:宮代町指定文化財
おまけ:うなぎ割烹 高橋屋
最後に駅の北側の杉戸町に移動して、お隣杉戸町の建築を紹介します。

うなぎ割烹 高橋屋は、駅前の大落古利根川を渡ったとこらにある老舗の鰻料理店です。
杉戸町といえば、日本橋から日光までを結ぶ旧日光街道が町の中心をとおり、江戸時代には、「杉戸宿」という宿場町として賑わった宿場町でもありました。
髙橋の座敷棟は昭和初期の1929年に建てられた建物で、敷地南側にある庭園を望む配置に建てられているのが特徴。
落ち着いた雰囲気の中に、いぶし銀のように鈍く輝く柱や欄間、迫力の襖などが空間を演出していて、老舗店ならではの歴史の積み重ねを感じることができます。
お座敷での食事は予約が必要ですが、特別な日に訪れたい杉戸・宮代エリアのとっておきのグルメ建築です。


詳細記事
・杉戸「うなぎ割烹 高橋屋」埼玉が誇る老舗の鰻料理屋をレポート
所在地:埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸3-10-6
アクセス:東武動物公園駅より徒歩約3分
竣工:1929年(座敷棟)
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