川口で建築巡り!おススメの名建築12選を紹介

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今回は埼玉県川口市で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・川口エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・川口エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・川口エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説

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1. キュポ・ラ

まず初めに紹介するキュポ・ラは、川口駅東口の再開発で生まれた公共施設、商業施設、集合住宅、駐車場等の複合施設です。
キュポ・ラは地上8階地下2階建ての公共・商業棟、地上34階建ての分譲住宅棟、地上14階建ての賃貸住宅棟など複数の棟が地上部やデッキで繋がりながら、様々な用途が集積しているのが特徴です。
特に駅前広場に面する公共・商業棟は、それぞれの機能が立体的に積層し、ダイナミックに街に開かれたデザインとなっていて、街と一体となりながら川口駅前の新たな風景をつくりだしていたのが印象的でした。

設計:A&T建築研究所
所在地:埼玉県川口市川口1-1−1
アクセス:川口駅より徒歩約1分
竣工:2006年

2.川口市立アートギャラリー アオリア

川口市立アートギャラリー・アトリア

川口市立アートギャラリー アオリアは、川口駅前のサッポロビール埼玉工場跡地に建てられた美術館です。
公園に面して一面にガラスの大開口が広がるオープンな空間がバッファゾーンのように配置されているのが特徴で、美術品の展示だけでなくワークショップや美術講座も頻繁に催されている開かれたアート施設となっています。
シンプルなデザインの建物ですが、スタイリッシュなデザインの中に、細部の処理に至るまでこだわり抜いた高い意匠性と技術力が光る川口駅前の注目建築です。

川口市立アートギャラリー・アトリア
川口市立アートギャラリー・アトリア

設計:鹿島建設
所在地:埼玉県川口市並木元町1-76
アクセス:川口駅より徒歩約7分
竣工:2006年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜、年末年始
公式HP:https://atlia.jp/

3.川口市庁舎

川口市庁舎

川口市庁舎は、2020年に建てられた地上9階地下1階建ての川口市の新庁舎です。
執務室を中低層部に集約しつつ、上階をひな壇上にセットバックしたデザインが特徴で、ひな壇テラスと呼ばれる屋上空間が内部と外部のバッファーとなりながら環境効果や避難時の動線も含めた様々な役割を担っています。
内部ではアーチ型の床板を採用して直天井とすることで、階高を抑えつつ広々とした空間を実現する等様々な工夫が散りばめられているのも面白い建築です。

川口市庁舎

設計:山下設計
所在地:埼玉県川口市青木2-1-1
アクセス:川口駅より徒歩約10分
竣工:2020年

4.旧田中家住宅

旧田中家住宅

旧田中家住宅は、川口元郷駅から岩槻街道を北上したところに建つ地上3階建ての住宅です。
元々は味噌醸造業を営んでいた田中家の邸宅として建てられ、現在は大正時代に建てられた洋館、1934年に増築された和館の他庭園や茶室が一般公開されています。

当時の技術の粋を集めてデザインされた邸宅は、精巧な装飾、3階建てをベースとしながらも高低差を巧みに使い分けた空間構成、豪華な調度品など見どころが満載です。
また、最先端の西洋建築のエッセンスを取り入れつつも、商家らしい丁場や日本建築ならではの和室や縁側が一体となっているのも注目ポイントで、惚れ惚れするような建築美をたっぷりと堪能できる川口を代表する近代建築です。

旧田中家住宅

所在地:埼玉県川口市末広1-7-2
アクセス:川口駅より徒歩約20分、川口元郷駅より徒歩約7分
竣工:明治時代(文庫蔵)、1923年(洋館)、1934年(和館)、1973年(茶室)
開館時間:9:30~16:30
休館日:月曜
入館料:
 一般 210円
 中学生・小学生 50円
備考:国重要文化財
2025年1月から長期休館予定
公式HP:https://tanakatei.jp/

5.旧鋳物問屋鍋平別邸

旧鋳物問屋鍋平別邸

旧鋳物問屋鍋平別邸は、鋳物の街として知られる川口で鋳物問屋を営んでいた嶋崎家の別邸として建てられた建物です。
モダンなデザインの母屋、モルタルを石風に見せる昭和初期築の蔵、独特のデザインが光る離れなど家主と当時の職人さんのこだわりが凝縮したような建物はみていてとても楽しいです。
少し前までは、母子・父子福祉センターとして利用されていて一般見学も可能でしたが、残念ながら現在は閉館となっています。
建物南側の庭園は市の名勝にも指定されていて、川口に現存する貴重な建築・庭園として多くの人に親しまれてきた川口の注目近代建築です。

旧鋳物問屋鍋平別邸
旧鋳物問屋鍋平別邸

所在地:埼玉県川口市金山町15-2
アクセス:川口駅より徒歩約12分、川口元郷駅より徒歩約10分
竣工:明治時代末期(主屋)、昭和初期(蔵)、1939年(離れ)
備考:国登録有形文化財

6.ますいいハウス

ますいいリビングカンパニー

ますいいハウスは、地元川口を拠点に活動する工務店の事務所兼自宅です。
3本の道路に囲まれた中洲のような土地の先端に建つ建物は、3階部分がダイナミックにせり出したデザインとなっています。
この建物は、設計事務所としての側面ももつ工務店の提案力や技術力をアピールするための実物大の広告塔としても機能していています。
ダイナミックな持ち出し部分の他にも、セルフビルドで枕木を積み重ねて組み上げた階段など、施主とつくり手の工夫と熱意が伝わってくるユニークな建築です。

ますいいリビングカンパニー
ますいいリビングカンパニー

設計:石山修武研究室+ますいいリビングカンパニー
所在地:埼玉県川口市中青木3-2-5
アクセス:川口駅より徒歩約15分
竣工:2000年

7.巣鴨信用金庫 中青木支店

巣鴨信用金庫 中青木支店

巣鴨信用金庫 中青木支店は、西川口駅から延びる新オートレース通りと中央通りの交差点に建つ信用金庫の支店です。
様々な奥行から成るCUBEが楽しげに連なり、街並みに彩りと変化を与えてるけは、まさに地域に親しまれ地域の顔となることを目指した地元信用金庫を体現しています。
24色に塗り分けられたCUBEは、正面だけでなく側面にも着色されていて、近くを歩くと見る位置や角度によって刻々と表情が変化していくのも素敵でした。

巣鴨信用金庫 中青木支店
巣鴨信用金庫 中青木支店

設計:エマニュエル・ムホー/emmanuelle moureaux architecture + design
所在地:埼玉県川口市上青木1-1-1
アクセス:西川口駅より徒歩約18分
竣工:2014年

8.SKIPシティ

SKIPシティ

SKIPシティは、かつてNHKのラジオ第1放送などを放送していたNHK川口ラジオ放送所の跡地につくられた行政施設、映像産業拠点施設、科学館等の複合施設です。
2003年に開業したA区画は、中心のプロムナードを軸に様々な種類の施設が分散配置されているのが特徴で、周辺住民にも開かれた外部空間と共に多くの市民に親しまれています。
先行して建設されたA街区に続くB街区、C街区、D街区については20年近くに渡って計画がストップしていましたが、近年B街区から建設が再開していて、今後どのような施設となっていくのか注目です。

SKIPシティ
SKIPシティ

設計:日建設計(A1街区)、石本建築事務所+松田平田設計(A2街区)
所在地:埼玉県川口市上青木3
アクセス:西川口駅よりバスで約10分
竣工:2003年

9.マックス動物病院

マックス動物病院

マックス動物病院は、西川口駅から程なく歩いたところに建つ動物専門病院です。
コンクリートによる堅牢な北側部分自然光が降り注ぐガラスの開口をもつ南側部分がレイヤーのように連なっているのが面白いです。
交通量が多い道路が近くにある南面は、鉄骨のフレームが立ち上がっていて、街とのバッファゾーンをつくりつつも周りの建物と調和した街並みが形つくられているのもユニークです。

マックス動物病院

設計:芦原太郎建築事務所
所在地:埼玉県川口市並木2-17-17
アクセス:西川口駅より徒歩約3分
竣工:1997年

10. POZZO BIANCA

POZZO BIANCA

POZZO BIANCAは、西川口の西側エリアに建つテナントビルです。
建物の設計を手掛けたのは、このブログでも何度も紹介している梵寿綱氏で、様々な素材を組み合わせながら職人をはじめとするつくり手のこだわりと技が随所に表れるユニークな建物です。
竣工から半世紀以上経ちますが、ピアノ教室やバーとして現役で使用されているのも嬉しいポイント。 ちょっとおどろおどろしい造形も街に馴染んでみえるのも面白い、西川口の隠れた注目建築となっています。

POZZO BIANCA

設計:梵寿綱
所在地:埼玉県川口市西川口3-31-15
アクセス:西川口駅より徒歩約3分
竣工:1970年

11.イイナパーク川口・川口ハイウェイオアシス

イイナパーク川口(赤山歴史自然公園)は埼玉県立安行武南自然公園内につくられた公園ですが、注目の建築が多く建つ建築パークの側面も持っています。

川口市立文化財センター分館 歴史自然資料館

広場に面して建つ歴史自然資料館と、丘の上に建つ地域物産館は、共に日本を代表する建築家の伊東豊雄氏率いる伊東豊雄建築設計事務所が設計を手掛けています。

川口市立文化財センター分館 歴史自然資料館

歴史自然資料館は、切妻屋根の3つの棟が緩やかにカーブするガラスのボリュームで接続された建物で、レンガの家(映像ギャラリー)、土の家(展示室)、木の家(管理室)とそれぞれの性格が与えられた建物で地元の産業や歴史について知ることができます。
広場とその先に広がる池の風景を、外部からは反射し、内部からは借景のように取り入れるデザインも素敵です。

地域物産館グリーンマーケット

こちらの地域物産館は、きのこのような独特の形の屋根が印象的な物産館です。
壁であり柱であり屋根でもあるきのこが連なり、公園の自然の延長のようなやさしくやわらなか空間が形つくられています。

地域物産館グリーンマーケット

また、2022年には隣接する区画に、首都高速道路と直結した川口ハイウェイオアシスがオープンしました。

川口ハイウェイオアシス

川口ハイウェイオアシスは、高速道路のパーキングエリアとして、高速道路とイイナパーク川口の両方からアクセスできる休憩所、飲食施設、トイレ、屋内遊具施設です。
明度を抑えたガラスの外装と端正なデザインの大屋根は、シンプルですが障子や日本家屋を思わせる日本的な美学を感じるデザインとなっています。
公園の豊かな自然水平垂直が際立つ建築物のコントラストも美しく、周辺エリアの新たなランドマークになることが期待されています。

川口ハイウェイオアシス

設計:伊東豊雄建築設計事務所(歴史自然資料館・地域物産館)、UG都市設計(川口ハイウェイオアシス)
所在地:埼玉県川口市大字赤山501-1
アクセス:新井宿駅より徒歩約6分
竣工:2018年(歴史自然資料館・地域物産館)、2022年(川口ハイウェイオアシス)
開園時間:9:00~18:00

ちなみに隣接する市営の火葬場である川口市めぐりの森も、イイナパーク川口と同時に計画され、伊東豊雄氏が設計を手掛けました。
公園の豊かな自然と一体となるような曲面の屋根が空間を包み込み、プリミティブな感覚を引き起こされるデザインが特徴となっています。
(火葬場という性格上一般公開はされていないので、機会がある方はルールとマナーを守って見学しましょう。)

12.グリーンセンター大温室・シャトー赤柴

川口市立グリーンセンター

グリーンセンター大温室・シャトー赤柴は、新井宿駅から程なく歩いた所にある公園・植物園の中に建つ温室と集会室です。
温室といえば細いフレームにガラスのドームといったイメージがありますが、グリーンセンターはツノのように天に聳えるコンクリートの造形が印象的なデザインとなっているのが特徴です。
60年代らしい力強くてダイナミックな造形様々な植物群を合わせて鑑賞できるスポットでしたが、残念ながら取り壊しが決まっていて現在は内部にはいることはできません。
広大な敷地内には他にも開園当初から建つ集会室シャトー赤芝も残されていて、訪れた際は大温室とあわせて見てみることをオススメします。

川口市立グリーンセンター
川口市立グリーンセンター

設計:伊藤喜三郎建築研究所
所在地:埼玉県川口市西新井宿700
アクセス:新井宿駅より徒歩約15分
竣工:1967年(シャトー赤柴)、1968年(大温室)
入園料:一般310円
公式HP:http://greencenter.1110city.com/

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