今回は栃木県の宇都宮市にある大谷石資料館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・大谷資料館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・大谷資料館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・大谷資料館の建築的な見どころや注目ポイント
1.大谷石の採掘場跡を活用した地下資料館を訪問
今回訪れたのは宇都宮市大谷町にある採石場跡を活用した巨大な地下資料館 大谷資料館です。
宇都宮市大谷町はその名の通り建材としても知られる大谷石の産地であり、ここ大谷町周辺で採掘される大谷石は、古くから住宅や蔵をはじめとする様々な建築に使われてきました。
大谷資料館は採石によってできた深さ約30m、20000㎡にも及ぶ地下空間を利用した巨大な地下資料館で、神殿のような荘厳さと美しさから現在では人気の観光スポットになっています。
大谷石は軽くて火に強く、加工がしやすい特徴がありますが、近代ではその独特の風合いに惚れ込んだ近代建築の巨匠F.L.ライトが旧帝国ホテルで使用したことでも広く知られるようになった石材でもありす。
ちなみに旧帝国ホテルは、現在は愛知県の明治村に移築されて現在も正面玄関をみることができます。(上記写真)
大谷石は地元宇都宮駅をはじめ様々な建物で使用されてきました。
宇都宮市内を歩いていると今でも大谷石でつくられた塀や蔵などをみることができます。
ちなみに宇都宮市での建築巡りについては、こちらの記事でもレポートしていますので、興味のある方は是非あわせてご覧下さい。
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大谷資料館へは個人的にも学生の頃から何度か訪れたことがありましたが、今回久しぶりに訪れてきました。
大谷資料館は宇都宮市街地からは少し離れているので、基本的には車かバスでアクセスします。
バスはJRの宇都宮駅から出発しますか、途中で東武線の東武宇都宮駅も通るので本数は少ないですが、駅からアクセスする際はバスを使うのがオススメです。
バスで30分ほど移動すると大谷資料館入口にある大谷景観公園前のバス停に到着。
バスを降りると聳え立つ岩壁に目を奪われます。
ここから5分ほど歩いたところが、大谷資料館となります。
資料館は採掘場をそのまま利用した地下空間となるので、お手洗いは資料館手前のこちらのトイレのみとなっているので注意が必要です。
お手洗いの外壁も大谷石でつくられていて、小さいですが味わい深い建築です。
資料館の前には小さな滝やレストランがはいるマーケットもあります。
以前訪れた時にはなかったので最近つくられた模様。簡単な食事はここでとることもできます。
奥に進むと今回の目的地である大谷資料館がみえてきます。
2.建築の概念を揺さぶる唯一無二の空間体験を堪能
大谷資料館は地下の巨大空間ですが、こちらの建物にチケットカウンターと簡単な展示スペースが設けられています。
展示スペースには採掘場時代の道具や機械、当時の写真や再現模型などが展示されています。
チケットカウンター脇の入口が地下の資料館への入口となっています。
ゲートをくぐると、明らかにこれまでいた地上の空間とは違ったひんやりとした空気を感じます。
期待にワクワクしながら地下への階段を降りていきます。
普段私達が見る空間は、空間毎に必要な機能を満たすためにいわば機能的にデザインされたものですが、この地下空間はそれらの空間とはつくられ方が全く異なります。
石を採掘するという目的によってつくられた巨大なヴォイドに立つと、建築という概念を揺さぶられます。
階段を程なく降りると見えてくるのは巨大な地下空間。
圧倒的なスケールの空間は、地上でみる他の空間とは全く違った迫力があります。
簡易な手すりはあるものの、足を滑らせないように注意をしながら地下へ地下へと進んでいきます。
途中に採掘場時代の模型が展示されていましたが、これだけの空間を人の手で掘っていったことに驚きが隠せません。
地下の空間は、場所場所によってライトアップされていて、地下神殿ような雰囲気を醸し出しています。
この地下空間は、現在ではコンサートや映画のロケ、アートイベントや結婚式など様々な用途でも使われているそうです。
最下部まで降りると改めてその空間の迫力に圧倒されます。
誰かの手によって意図されたデザインとは違った圧倒的な素材感と壮大な空間からは、建築のもつ根源的な力を感じることができます。
地下空間は立体的な迷路のように書く空間が繋がっていて、内部を探検するのも楽しいです。
所々に設置された展示スペースもありますが、空間そのものが巨大な資料館となっているのがとても面白いです。
また、歴史的な資料だけでなく、石の空間を使ったアートも設置されています。
照明や照明によってつくり出される影が作品になっていたりして、シンプルな作品ですが想像力が掻き立てられます。
地下空間はステージのような場所があったり、平場があったり、遠くに地上の光が見える場所があったりといろいろなタイプの空間があり、それぞれの場所ごとの空間体験はとても新鮮でした。
巨大な地下空間をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
建築の概念を揺さぶる地下空間、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
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大谷資料館
所在地:栃木県宇都宮市大谷町909
アクセス:宇都宮駅よりバスで約30分
開館時間
4月~11月 9:00~17:00
12月~3月 9:30~16:30
休館日:
4月~11月 無休
12月~3月 毎週火曜、年末年始
入館料:大人 800円
公式HP:http://www.oya909.co.jp/
※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。
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