今日は江東区の豊洲エリアで建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・豊洲エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・豊洲エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・豊洲エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.豊洲シビックセンター
まず初めに紹介する豊洲シビックセンターは豊洲駅前の再開発によって建てられた地上12階地下1階建ての市民ギャラリー、ホール、研修室、図書館等の複合施設です。
現代の里山をコンセプトにした建物は、ガラスのシャープな外観と段々状になった上部のテラスや壁面から緑が垣間見れるデザインとなっているのが特徴です。
市民の為の機能を高度に集積させながら、その中に自然の豊かさやゆとりを意図的につくり出そうとしているのが面白い建築です。
設計:日建設計
所在地:東京都江東区豊洲2-2-18
アクセス:豊洲駅より徒歩約1分
竣工:2015年
開館時間:9:00~22:00
休館日:第2・4月曜、年末年始
公式HP:https://www.kcf.or.jp/toyosu/
2.ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ
ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェは、カリフォルニア州オークランド発の人気コーヒーショップの新店舗です。
ブルーボトルコーヒーの店舗はこのブログでも何度も取り上げてきましたが、ここ豊洲パークカフェも多くのブルーボトルコーヒーの店舗デザインを手掛けたスキーマ建築計画によるもの。
豊洲の海に面した公園に建つカフェは、内部と外部が一体となるオープンなデザインとなっていて、公園の緑やその先の海を借景にした明るく開放感がある空間が特徴です。
また、障子をモチーフにしたデザインの天井やテーブル、縁側のような内外の境界ゾーンなど、日本的な建築の工夫や美学が散りばめられているのも注目ポイントです。
設計:長坂常/スキーマ建築計画
所在地:東京都江東区豊洲2-3-6 豊洲公園内
アクセス:豊洲駅より徒歩約3分
竣工:2024年
3.ブランズタワー豊洲
ブランズタワー豊洲は、豊洲公園からゆりかもめの高架を挟んだ向かいに建つ地上48階地下1階建て高さ約180mの集合住宅です。
低層部は水平ラインを強調し、壁面緑化やボリュームを分節することで地上と緩やかに接続し、住戸のはいる上層部では螺旋状に回転しながら上昇するデザインとなっているのが特徴です。
総戸数1152戸にも及ぶ住戸の足元には、保育所や商業施設、広大な緑地なども整備されていて、まさに一つの街が形成されています。
デザイン監修:ケミカルデザイン
設計:日本設計+熊谷組
所在地:東京都江東区豊洲5-1-13
アクセス:豊洲駅より徒歩約4分
竣工:2022年
4.豊洲キュービックガーデン
豊洲キュービックガーデンは造船所跡地に建てられた地上14階地下1階建てのオフィスビルです。
外観はガラスのスタイリッシュなデザインが印象的ですが、ダブルスキンによる屋内環境のコントロールやテラスや吹抜けを使って建物内外のそれぞれの空間を関連付けるなど、次世代オフィスとしての工夫が随所にみられる建築です。
船や水をイメージした足元のパブリックスペースも素敵で、近所の住民や子供の憩いの場となっています。
設計:清水建設
所在地:東京都江東区豊洲3-2-3
アクセス:豊洲駅より徒歩約3分
竣工:2011年
備考:第53回BCS賞
2012年度グッドデザイン賞
5.芝浦工業大学 豊洲キャンパス
芝浦工業大学 豊洲キャンパスは2006年より田町から移転した芝浦工業大学の新キャンパスです。
2005年に竣工した研究棟・教室棟・交流棟は、凱旋門のような門型の研究棟と大学事務室、教室、パソコン室などが纏まった教室棟・交流棟による都市型キャンパスです。
また、研究棟には著名なデザイナーによる名作の椅子が並んでいて、学生達は自由に身を預けて名作チェアを体感できます。
2022年には手前の広場に羽を広げるようにせり上がるデザインが特徴の本部棟が完成しました。
本部棟は遠目からはシンボリックに見えますが、低層部は研究棟・教室棟・交流棟へと訪れた人を引き込むピロティとなっています。
校歌の「白亜の殿堂 ここに聳え」からインスピレーションを得たという神殿のような白い柱の空間がキャンパスへと誘うデザインにも注目です。
研究棟・教室棟・交流棟設計:日建設計・NTTファシリティーズ設計・監理共同企業体
本部棟設計:日建設計
本部棟設計監修:堀越英嗣
所在地:東京都江東区豊洲3-7-5
アクセス:豊洲駅より徒歩約5分
竣工:2005年(研究棟・教室棟・交流棟)、2022年(本部棟)
公式HP:https://www.shibaura-it.ac.jp/
6.銀座シシリア 豊洲店・SIT Global Caffe empowered by Segafredo
銀座シシリア 豊洲店とSIT Global Caffe empowered by Segafredoは、芝浦工業大学豊洲キャンパスの本部棟1階につくられたレストラン・カフェです。
ピロティのアプローチを挟む対角に計画された店舗は、シャッターを開くことで建築をピロティ、さらには街と連続させるようなデザインとなっています。
坂茂氏は紙管を使った建築でも知られますが、店内では内装材から家具に至るまで様々な部材が紙材を使ってデザインされていて、世界的建築家である坂茂氏の建築をたっぷりと堪能できます。
また、このシャッターは先程紹介した「白亜の殿堂」のピロティのコンセプトとも通じますが、以前このブログで紹介した自由が丘の「ガラスのシャッタースタジオ」の発展形であることも興味深いです。
SIT Global Caffe empowered by Segafredoでは店内に使われる白ブナ材の合板を新たに開発することにもチャレンジしていて、工業大学のキャンパスにふさわしいチャレンジ精神と独自の技術が詰まった建築となっています。
詳細記事
・豊洲「銀座シシリア 豊洲店」坂茂氏デザインの学内レストランをレポート
設計:坂茂/坂茂建築設計
所在地:東京都江東区豊洲3-7-5 芝浦工業大学豊洲キャンパス 本部棟1階
アクセス:豊洲駅より徒歩約5分
竣工:2022年
営業時間:
レストラン 11:30~21:00
カフェ 平日、土曜 8:00~19:00
日曜、祝日 9:00~18:00
7.SIA豊洲プライムスクエア
豊洲駅から晴海通りを南下したところに建つSIA豊洲プライムスクエアは、地上12階建ての商業とオフィスの複合施設です。
約60m角の建物の外観はキューブをコンセプトにしていて、空に溶け込むような外観は宝石のようにも見えます。
シャープな外観ですが、近づくとエントランスの壁面などではタイルや石などの素材感がとても魅力的にデザインに活かされているのも注目の建築です。
設計:清水建設+フィールドフォー・デザインオフィス
所在地:東京都江東区豊洲5-6-36
アクセス:豊洲駅より徒歩約4分
竣工:2010年
備考:2011年度グッドデザイン賞受賞
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関連記事
・建築本「一級建築士矩子の設計思考」がスゴい!話題の本格建築漫画をレポート
2024年4月18日には「一級建築士矩子の設計思考」第3巻が発売になりました。
8.がすてなーに
がすてなーに(ガスの科学館)は、東京ガスによるエネルギーや環境に関する体験型の展示施設。
私達の身近にあるガスをはじめとするエネルギーを通じて、社会問題から地球規模に至るまで様々な事象や技術を最新のデジタル技術で知ることができます。
建物をまとめる大きな屋根は緑化され、窓の隙間からは外の水辺や緑の風景が取り込まれるようにデザインされていて、技術の塊である人工物と大地の一部のような両方の感覚を味わえます。
設計:日建設計
所在地:東京都江東区豊洲6-1-1
アクセス:豊洲駅より徒歩約6分
竣工:2006年
開館時間:10:30~17:00
休館日:月曜
公式HP:https://www.gas-kagakukan.com/
9.東京都中央卸売市場 豊洲市場(日建設計)
東京都中央卸売市場 豊洲市場は、1935年から83年間に渡り使用されてきた旧築地市場を移転してつくられた新たな中央卸売市場。
旧築地市場は元々は貨物列車での輸送を前提に計画され、その後道路網の整備や大型トラックの普及、市場の拡大などによってその姿を少しづつ変化させていましたが、豊洲市場ではそれらの事情を考慮した上で人と車、市場関係者と観光客を明確に分離して合理的・効率的な物流計画がなされています。
観光客は見学通路によって市場独特の機器や設備の展示や、水産に関する様々な展示を楽しめる他、それぞれの棟に設けられた飲食街では海鮮丼や寿司、和食や鰻、あんこうなど様々な絶品料理を楽しめます。
詳細記事
・豊洲「東京都中央卸売市場 豊洲市場」移転した新市場の建築をレポート
設計:日建設計
所在地:東京都江東区豊洲6-6-1
アクセス:市場前駅より徒歩約2分
竣工:2018年
公式HP:https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/
10.豊洲 千客万来
豊洲 千客万来は、豊洲市場に隣接してつくられ2024年の2月にオープンした複合商業施設です。
江戸の街並みをモチーフにデザインされた3階建ての食楽棟と、その先に建つ地上9階建ての温浴棟により、コンパクトな敷地の中に癒やしとエンタメが融合した新名所となっています。
食楽棟の2〜3階は木造でつくられていて、細かい凹凸や材料の使い分け、サインや装飾、裏表の動線の使い分けにより訪れた人を飽きさせず、賑わい感と溢れる街並みがつくりだされているのは見事です。
市場横ならではの海鮮メニューや、老舗の仲卸店が軒を連ねていて、豊洲市場と合わせてエリア一体を盛り上げていく起点となるような建物です。
設計:万葉倶楽部+五洋建設+シェルター建築設計事務所
所在地:東京都江東区豊洲6-5-1
アクセス:市場前駅より徒歩約1分
竣工:2023年
公式HP:https://www.toyosu-senkyakubanrai.jp/
おまけ:新豊洲Brilliaランニングスタジアム(武松幸治+E.P.A 環境変換装置建築研究所)
新豊洲Brilliaランニングスタジアムは60mの直線トラックを中心とした全天候型のランニングステーションです。
100mを超えるトラックは網目状の木造架構とETFE(高機能フッ素樹脂フィルム)で覆われていて、シンプルながら最新の技術とチャレンジ精神が結集してつくられています。
走るというシンプルで根源的な動作の為にデザインされた建築からは、余計な要素を削ぎ落としたプリミティブな美しさを感じます。
追記:新豊洲Brilliaランニングスタジアムは2023年の11月に営業を中止し、少し離れた豊洲市場の向かい側の有明に移転中です。
設計:武松幸治+E.P.A 環境変換装置建築研究所
所在地:東京都江東区豊洲6-4-2
アクセス:市場前駅より徒歩約5分、新豊洲駅より徒歩約7分
竣工:2016年
備考:第59回BCS賞
2019年日本建築学会賞
2017年度グッドデザイン賞受賞
2017年第12回日本構造デザイン賞
公式HP:https://running-stadium.tokyo/
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