芦花公園「世田谷文学館」建築と文学を堪能できる隠れ名建築をレポート

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今日は東京世田谷にある世田谷文学館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・世田谷文学館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・世田谷文学館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・世田谷文学館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.世田谷の隠れ名建築 世田谷文学館が面白い

今日訪れたのは、新宿から京王線で約20分ほどのところにある芦花公園駅(ろかこうえんえき)。
たまたま近くを訪れる用事があったので、以前から気になっていた世田谷文学館へと足を運びました。

世田谷文学館の外観

芦花公園駅の南口を出て、閑静な住宅街を5~6分ほど歩いたところにあるのが、今回訪れる世田谷文学館です。
世田谷文学館は1980年代後半に構想がはじまり、東京23区では初めての地域総合文学館として1995年にオープンした文学館です。

千歳通りの下り坂を程なく歩いた先に見えてくるのは、多きくカーブするブルーのガラスの外装が特徴的な文学館。
文学館というと、重厚な石造りの建物を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、そんなイメージを覆すスタイリッシュなデザインに少し驚きます。

世田谷文学館の外観

建物の設計を手掛けたのは建築家の杉村憲司氏。
杉村氏は早稲田大学で建築を学んだ後、ロンドンにて世界的建築家であるノーマン・フォスター氏の事務所で建築の設計を学び、ノーマン・フォスター氏の代表作である香港上海銀行・香港本店ビルにも大きく関わった建築家です。
帰国後は自身の事務所を立ち上げて世田谷文学館をはじめとする建築設計を行ったほか、建築家から弁理士に転身し、国際的な弁理士として活躍するという異色な建築家でもあります。

ノーマン・フォスターといえば、ハイテックと呼ばれるガラスや鋼鉄を全面に押し出し、設備や構造、足場のような部材といった今まで覆い隠されてきた要素を全面に表現した建築を得意とする建築家。
杉村氏がノーマン・フォスター事務所出身であるということを知ると、世田谷文学館のデザインが一気に面白く見えてきます。

ハイテック建築は、一見したところ技術偏向主義的な冷たいイメージを受けられがちですが、本来は自然との共生や、技術をよりよく効率的に利用することを目指しています。

世田谷文学館でも、建物として確固たる外装と展示品を収容する内部空間を確保しながら、建物の周りには写真のような池がめぐらされいたりと、周りの環境との関連が意識的にデザインされています。

世田谷文学館

この池は、内部から見た時にも建物内に外の光を反射して取り入れたり、天井に揺らめくような水紋のパターンを映し出したりと、とても魅力的な空間をつくり出していました。

2.魅力あふれる独特の展示をたっぷりと堪能

世田谷文学館は1階に展示室ライブラリー「ほんとわ」喫茶どんぐりイベントスペース、2階に展示室セミナールームというシンプルな構成です。

私が訪れた時には、1階のイベントスペースでシーズン展示「漫画家・山下和美展 ライフ・イズ・ビューティフル」(入場無料)が開催されていました。
ちなみに入館料は一般で200円(コレクション展)とかなりリーズナブルなのも嬉しいところ。

山下和美さんは建築好きにはたまらない漫画「数寄です!」「世田谷イチ古い洋館の家主になる」の他、「天才 柳沢教授の生活」などの代表作で知られる漫画家です。


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入場も無料で約100点にも及ぶ原画や貴重な資料が見れて大間洗足でした。

また奥の展示室では、世田谷区にゆかりのある文学や文学者に関する資料が展示されていて、10万点以上収蔵品から選ばれた貴重な資料をみることができます。
さらに自動からくり人形作家「ムットーニ」こと武藤政彦氏のからくり人形作品も上映されていて、様々な文豪の作品がからくり人形の物語として楽しめます。
私が訪れたのは週末のお昼でしたが、館内には人がまばらにいる程度なのがもったいないくらい面白い展示でした。

館内でもう一つ見流せない注目スポットが1階展示室のお隣にあるライブラリー ほんとわです。
普段手に取るようなことのない海外書を含めた幅広い蔵書が自由に閲覧できるスポット。

奥にはベビー&キッズエリアがあって、子どもが走り回ったり、思い思いの絵本を広げたりしていました。

ライブラリーの本は、定期的に入れ替えられているそうなので、その時々の本との出会いが楽しめます。
こちらのライブラリー ほんとわは、無料で利用できるので、近隣住民は近所の公園にくる感覚で遊びに来れるのも素敵だと思いました。

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3.中庭に面した喫茶どんぐりが素敵過ぎる

ひと通り展示を楽しんだあとは、1階にある喫茶どんぐりでランチを頂きました。

世田谷文学館

世田谷文学館の真ん中には円形の中庭が配置されていて、喫茶どんぐりはその中庭に面した回廊上のスペースにあります。

世田谷文学館カフェどんぐり

喫茶の入口は緑と光に挟まれた回廊となっていて、都心の限られた土地に建っているとは思えないほど気持ちがいい空間となっています。
ランチメニューは、パスタとピラフの2種類があって、今回はパスタセットをチョイス。

世田谷文学館のカフェ

パスタセットはサラダがセットで600円というリーズナブルな価格。
中庭の自然を味わいながらナポリタンのパスタとアイスコーヒーを堪能しました。

最後にロビーでもひと休みしながらパンフレットを再読。
外観も素敵でしたが、外の池がすぐ目の前に続いているように見えるロビースペースもとても素敵。

世田谷文学館

内部を散策していると、この建物が限られた敷地条件や文学館としての要求機能に対して、技術と自然を上手く活用しながら魅力的な空間をつくり出していることがよく伝わってきます。

文学館と建築をたっぷりと堪能してこの日の建築巡りは大満足で終了。
東京の隠れ名建築 世田谷文学館。皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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世田谷文学館
設計:杉村憲司
所在地:東京都世田谷区南烏山1-10-10
アクセス:芦花公園駅から徒歩約6分
竣工:1995年
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜、年末年始
入館料(コレクション展):
 一般:200円
 大学生・高校生:150円
 中学生・小学生:100円
 65歳以上・障がい者:100円
公式HP:https://www.setabun.or.jp/

※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。


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