今日は池上線の五反田駅から大崎広小路駅にかけての高架下空間の改修プロジェクトである池上線五反田高架下を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
話題の設計事務所が手掛け、新たな高架下空間の空間を切り開いたともいわれる注目スポット五反田高架下。いったいどんな建築だったのか早速見ていきましょう。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・五反田高架下を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・五反田高架下の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・五反田高架下の建築的な見どころや注目ポイント
1.五反田の高架下がリ・デザイン!生まれ変わった高架下空間に注目
池上線五反田高架下は池上駅の終着駅である五反田駅とその一つ手前の大崎広小路駅を結ぶ約240mの高架下エリアを活用した複合商業施設です。
施設全体のコンセプトはURBAN EXPERIENCE。都会の中で、都会ならではの体験ができるエリアを目指した店舗誘致とデザインが試みられていて、2018年のSTYLE-Bエリアのオープンと相まって静かな注目を浴びている建物です。
大崎広小路駅の目の前にある山手通りから、ベンチャーや親として知られる旬八青果店や自転車を通じた新しいライフスタイルを提案するSTYLE-B、ドーナッツ専門店ドーナッツプラントなど面白そうな店舗が軒を連ねます。
その他にも奥に進むと醸造所兼クラフトビールバーRIO BREWING & CO. 東京醸造所をはじめする飲食店や、元々五反田の高架下にはいっていた「五反田桜小路」がリニューアルした店舗などが約240mに渡って続いています。
2.早速見学!まずは大崎広小路駅側がおススメ
まず降り立ったのは東急池上線の五反田駅の一つ手前の大崎広小路駅。
こちらの大崎広小路駅の改札を出てすぐ向かい側のエリアから五反田高架下はじまります。
この大崎広小路駅側エリアのデザインはSUPPOSE DESIGN OFFICEが手掛けているので、建築好きの方は是非こちら側から訪れるのがおススメです。
山手通りを渡ると早速見えてくるのが太い高架の構造体に挟まれた旬八青果店です。
旬八青果店は旬にこだわり、地方と都市をつなぐ八百屋として新しい取り組みを数々仕掛けるベンチャー企業アグリゲートが運営する八百屋さんです。
近年東京都内でも様々な高架下のリニューアルプロジェクトが誕生していますが、この五反田高架下でまず印象的なのは、1歩足を踏み入れるととにかく明るく光が差し込んでいるということ。
元々大崎広小路駅側は池上線の線路が2股に分かれていますが、その特性をうまく生かしたデザインです。
構造体も素のコンクリートがそのまま意匠として使われていて、黒いブレースがその存在をかっこよく際立たせています。
高架下の空間で路地的な要素を持つ建物は多くありますが、ここまで明るく開放的で、ふと上を見上げると電車の走る風景が見えるというのはかなり新鮮です。
SUPPOSE DESIGN OFFICEはミニマルなデザインの中で光の陰翳を上手く活用したり、現代的な素材を組み合わせて日本的でどこか懐かしさを感じるデザインが得意な事務所でもあります。
実はこのトップライトの演出も、刈谷の家(2017年)という五反田高架下ができる少し前の作品でも使われていて、同時期にデザインした建物の空間演出方法を上手くこちらの新店舗に生かしていることが分かります。
旬八青果店の奥にはサイクルショップSTYLE-Bが入ります。
通勤における自転車利用者は近年増えてきていますが、ベンチャー企業も多く山手通りにもすぐにアクセスできる特性を生かしたショップです。
施設内にはシャワーブース付の室内駐輪場やコインランドリーも併設していて、まさに新しいことに敏感な都市生活者のための施設といった印象です。
また、大崎広小路駅側のエリアは店舗間の仕切りがほとんどなく、とてもクリアに各店舗が繋がっているのも印象的でした。
外から見てみても、余分な仕切りは一切なくて、クリアなガラスの箱が高架下とコントラストを生み出していて面白いです。
ガラスと黒いフレームの軽やかな現代的な要素と、昔から高架を支える太い構造体の対比はこの建物のデザイン的な見どころの1つでもあります。
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3.飲食エリアも面白い!軒下空間が線上に続く風景に注目
サイクルショップをさらに進むと飲食エリアが見えてきます。
飲食エリアは醸造所兼クラフトビールバーRIO BREWING & CO. 東京醸造所や熟成肉専門店BUTCHER NYC UNITED、地中海料の島ワイン専門店Tavola calda Peri Peri、やきとん・もつやき屋木々家 六号店などどれも都内で話題となっている人気店舗や新業態が入っています。
道路際にはSTYLE-Bエリアの軒を引き継ぐように軒下空間が連続していて、街と建築のバッファーゾーンが賑わい溢れるテラス席となっているのも面白いです。
こちらも要素としてはシンプルですが、ガラスの開かれた高架下のデザインが力強い高架の構造体と並行するようにライン上に広っています。
線路と高架という条件をうまく生かしたデザインは、他の建築ではなかなか経験できない体験なのでワクワクします。
4.五反田桜小路で終着!大人のたまり場の雰囲気を残す小路に注目
飲食ゾーンを抜けた五反田駅にほど近いエリアににあるのが五反田桜小路です。
まさに大人のたまり場の雰囲気を残す小路は2018年に外観のリニューアルが行われていて、建物全体館としてゆるやかな統一感を感じます。
五反田桜小路は五反田高架下の中で唯一高架の直下が外部スペースになっていて、路地状の空間におでん屋、たこ焼き屋、ワインバル、煮込み料理屋などが入っています。
テーブルセットが石というのも面白いですが、夜になるとビール片手にお酒と料理を楽しむ姿が目に浮かぶようです。
一部の店舗は昼間のランチ営業もやっていますので、建築見学の後にはここで腹ごしらえをするのもアリですね。
私は今回ちょうどランチともディナーともいえない時間に訪れてしまいましたが、次回訪れる時に申し越し遅めの時間帯で、夜の高架下空間とお酒を楽しみたいと思います。
ちなみに五反田駅周辺の建築巡りについてはこちらの記事でレポートしていますので、是非参考にしてみて下さい。
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2024年4月18日には「一級建築士矩子の設計思考」第3巻が発売になりました。
五反田高架下
設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE+交建設計
所在地:東京都品川区西五反田1-22-4他
アクセス:大崎広小路駅より徒歩約1分、五反田駅より徒歩約5分
竣工:2018年
備考:2018年度グッドデザイン賞受賞
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東京で泊まりたい、建築が素敵なホテル・旅館についてのまとめも書いてます。
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