柴又帝釈天がスゴい!建築好きがその魅力と見どころを徹底レポート【東京柴又】

こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は東京の葛飾柴又にある経栄山 題経寺(柴又帝釈天)を見学してきましたので、その魅力や見どころを紹介したいと思います。
柴又帝釈天といえば映画「男はつらいよ」の舞台として知られていますが、実は数々の名建築が境内に点在し、別名「彫刻の寺」とも呼ばれる木彫りの彫刻群も堪能できる隠れ建築・アートスポットでもあるのです。
いったいどんなお寺なのか、早速紹介してきたいと思います!

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1.経栄山 題経寺(柴又帝釈天)って?

経栄山 題経寺は東京都の葛飾区柴又に建つ日蓮宗の寺院で別名、柴又帝釈天(しばまたたいしゃくてん)とも呼ばれています。
創建は江戸時代初期の1629年(寛永6年)とされていて、江戸時代中期より「柴又帝釈天」として知られるようになります。
明治に入って境内の建て替えが進んだ頃には夏目漱石をはじめとする文豪たちの作品にも登場するようになり、庶民が訪れる観光名所として広く知られるようになりました。
現在の境内には二王門をはじめ、明治~昭和初期に建てられた建築が点在していて古建築好きにはたまらないスポットともなっています。
その後20世紀後半には映画「男はつらいよ」の舞台として描かれることでその名が全国的に知られるようになります。


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寅さんの舞台として有名観光地となった柴又帝釈天ですが、古い街並みを活かしつつ整備された参道や、貴重な建築群、帝釈堂をガラスで囲った「彫刻ギャラリー」など現在進行形で進化している点でも目が離せない注目スポットです。

2.早速参拝!境内には見応え抜群の建築が盛りだくさん

京成電鉄柴又駅前から続く参道を通って早速柴又帝釈天に向かいます。
帝釈天に向かう参道の両側には老舗の料理店や土産物屋が所狭しと並びます。

参道を5分ほど進むとまず初めに見えてくるのが二王門です。
この仁王門は柴又帝釈天に現在も残る建物の中でも2番目に古い建物で、1896年(明治29年)に坂田留吉棟梁によって建てられました。
柴又帝釈天は「彫刻の寺」とも呼ばれていますが、頭上を見上げると見事なつくり浮き彫りの装飾彫刻を見ることが出来ます。

山門を入るとまず正面に見えてくるのが帝釈堂です。
帝釈堂は手前に見える拝殿と奥の内殿から構成されていて、1915年(大正4年)に建てられた内殿は板本尊も納められている帝釈天のメインともいえる建物です。
後ほど詳しくレポートしますが、建物の4周に浮き彫りの装飾彫刻が施されているのが最大の見どころで、現在ではガラスで内殿の周りを囲った「彫刻ギャラリー」として公開しています。
ちなみに拝殿は1929年(昭和4年)に建築されたもので、どちらも約100年前の建物となっています。

境内を向かって右にある釈迦堂柴又帝釈天に現存する最古の建物です。
建築は江戸時代の後期とされていて、内部には奈良時代につくられたという釈迦如来立像などが納められています。

境内の建物でもう一つ見逃せないのがこちらの大鐘楼です。
寅さんの映画ではこの大鐘楼が効果音として使われているので、実は聞いたことのあるという人も多いのではないでしょうか。
林家8代目の林亥助棟梁によってつくられた大鐘楼は、高さ約15mほどあるの総欅つくりの圧巻の建物です。
知らないとついつい見逃してしまいますが、こちらの鐘楼も要チェックです。

3.お堂をガラスで囲った彫刻ギャラリーは必見

柴又帝釈天は別名「彫刻の寺」とも呼ばれていますが、帝釈堂では「法華経」の説話を題材にした彫刻が建物の4周を巡っています。
この彫刻は大正時代から製作が始まり、途中関東大震災による被害を経ながらも昭和の初期に完成したという大力作。
海外でも聖書を文字が読めない人の為に絵画に描いたり、サクラダファミリアのように建築で表現したりといったことがありますが、帝釈堂では「法華経」を彫刻として彫りこんで建築化しています。

こちらの帝釈堂では1991年に建物をガラスで囲んで改修して「彫刻ギャラリー」として公開しているのも注目です。
これはおそらく当時としては反対する声も大きかったと思いますが、個人的にはかなり面白い試みだとと思います。
寅さんブームやバブルによる影響もあったとは思いますが、名工 加藤寅之助らの作品を室内環境で心行くまで堪能できるのはとても有り難いです。また、あえてガラスという現代的な素材を使っていることも好印象で、ガラスと古建築によって生まれるコントラストがとても美しかったです。

彫刻ギャラリーへは一度左手にある祖師堂(本堂)に入り、こちらの渡り廊下を使ってアクセスします。

チケットはこちらの受付で購入でき、拝観料は彫刻ギャラリー・邃渓園(庭園)共通で大人400円です。

見学前は拝観料は少し高い気もしていましたが、立体感溢れる圧巻の彫刻は確実にそれ以上の価値がありました。
詳細に彫られた木彫りのディテールも素晴らしいですが、1つ1つにストーリーがあり物語になっているのもとても面白いです。

また、ギャラリーは2層のつくりになっていて、最初に上部の彫刻を巡った後は階段を下りて下部もじっくり見学できます
こんなギャラリーは、日本全国の美術館を見渡しても中々見ることはできない貴重なものだと思いますので、柴又帝釈天を訪れた際には是非こちらのギャラリーの内部に入って見ることをおススメします。

■彫刻ギャラリー
 営業時間:9:00~16:00
 拝観料:大人¥400、小中学生¥200

4.鳳翔会館に注目!大建築家による作品は建築好き必見

柴又帝釈天の建築でもう1つ注目なのが、寺務所やホール、法事などで使われる和室からなる帝釈天鳳翔会館です。
設計を行ったのは日本を代表する建築家である菊竹清訓氏。
菊竹氏と言えば出雲大社庁の舎や江戸東京博物館の設計者として知られている大建築家です。

外観は菊竹氏の代表作でもある自邸「スカイハウス」を思わせるようなデザインになっていてとても興味深いです。
外から見た感じだとある程度内部もフレキシブルに変更できるように設計されているようです。
他の菊竹氏の作品と違うのは表面からは建物の構造体がうまく隠されていて、水平のスラブとその間に挟まったガラスが宙に浮いているデザインとなっていること。柴又帝釈天では張り巡らせた渡り廊下が各建物を繋いでいますが、そんな既存の建物がつくり出したデザインコードをうまく受け継ぎつつ境内に溶け込むようなデザインとなっていることに注目です。

また建物は3階建てですが、敷地内から見たときには3階部分はほとんど見えないように工夫されています。
あくまで主役は社寺本体ということでしょうか。境内の古建築と合わせて見るととても味わい深い建築でした。

5.庭園もおススメ!境内を満喫

最後に巡ったのは釈迦堂の裏手にある大客殿庭園 邃渓園(すいけいえん)です。
客殿は昭和初期の1929年(昭和4年)の建築で、名棟梁と呼ばれた鈴木源治郎によってつくられました。

大客殿の前に広がる邃渓園は東京都指定名勝にも選ばれていて、大客殿の建設時から整備されてきた庭園です。1960年代に現在の姿になったとされる名園で、彫刻ギャラリーと共通のチケットで見学することが出来ます。
私が訪れたときはちょうど閉園日だったので、外から見ることが出来ませんでしたが、次回訪れたときには見学してみようと思います。

最後に境内をぐるりと周りながら柴又帝釈天の辿ってきた歴史に思いを馳せました。
ちなみに境内には昭和を思わせる獅子舞のおみくじや「寅さんおみくじ」なる機械もあって結構面白かったです。
こういった風景もいつまで残るかわかりませんので、見れるうちに見ておけて良かったなぁと思いながら今回の柴又帝釈天を満喫しました。


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設計:
 坂田留吉(二王門)
 林門作+坂田留吉(帝釈堂)
 鈴木源治郎(大客殿)
 林亥助(大鐘楼)
 菊竹清訓:(鳳翔会館)
所在地:東京都葛飾区柴又7-10-3
アクセス:柴又駅徒歩約5分
竣工:
 江戸時代後期(釈迦堂)
 1896年(二王門)
 1915年(帝釈堂)
 1929年(大客殿、拝殿)
 1955年(大鐘楼、祖師堂)
 1973年(鳳翔会館)
 1991年(彫刻ギャラリー)
拝観料:邃渓園・彫刻ギャラリー共通
 大人400円、小中学生¥200
 ※境内は無料
開門時間:9:00~18:00
 ※彫刻ギャラリーは16:00まで
公式HP:http://www.taishakuten.or.jp/


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