三田「カフェ八角塔」慶應義塾大学の旧図書館にできたカフェをレポート

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今回は慶應義塾大学の三田キャンパスにある図書館旧館にできたカフェ八角塔を訪れてきましたので、その模様をレポートします。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・慶應義塾大学図書館旧館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・慶應義塾大学図書館旧館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・慶應義塾大学図書館旧館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.慶應義塾大学旧図書館の1階にオープンしたカフェを訪問

今日は三田にある慶應義塾大学の三田キャンパスの1階に、学外の人も利用できるカフェがあると聞き、早速訪れてきました。

慶應義塾大学は、江戸時代の終わりの1858年に福澤諭吉が開校した蘭学塾を起源とし、10年後の1868年(明治元年)4月に「慶應義塾」と現在の大学名がつけられた歴史ある大学。

ちなみに福澤諭吉はその後、1872年に槇村正直・大黒屋太郎右衛門ら日本国初の公共図書館である集書院(後の京都府立図書館)を設立したりもしています。
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今回訪れた図書館旧館は、それからしばらくたった1906年に慶應義塾の創立50年を記念して計画がはじまり、1912年に竣工した建物。

田町駅から三田キャンパスに近づいていくと、現在も高台に聳え立つ図書館旧館の姿をみることができます。

図書館旧館は様々な時代の建築が残る三田キャンパスにおいて象徴的な建物であり、国の重要文化財にも指定されていますが、そんな建物の1階に2021年4月にオープンしたのがカフェ八角塔。

この時代の図書館建築といえば、1904年に竣工した大阪中之島の大阪図書館(大阪府立中之島図書館)や1906年に竣工した東京上野の旧帝国図書館(国際子ども図書館)、先ほど少し触れた1909年に建てられた京都府立図書館などがあり、日本各地で大規模な公共図書館が建設されていました。
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これらの図書館は公共図書館でしたが、私学の大規模な図書館として最初期に建設されたのが慶應義塾大学の図書館でした。

この図書館旧館は、現在は図書館としての役目を終えていますが、赤煉瓦と花崗岩による鮮やかなネオ・ゴシック様式の外観は今見ても圧巻の一言。

1912年に建てられた建物は、関東大震災による被害や太平洋戦争の空襲などで内部が焼けるなどの被害がありましたが、強固な構造や関係者の努力により現在までその堂々とした姿を保ち続けています。
度重なる修復と改修工事が行われた図書館ですが、修復にあたっては過去の記憶を残すために戦禍で傷付いた跡をあえて残したりもしていたそうです。
2019年に大掛かりな補修・改修工事を行った際も、安全上問題ないことを確認した上で、この修復方針を踏襲してそれらの歴史の爪痕を現代に伝えています。

ちなみに図書館時代の建物は内部は6層に分かれて書架が並べられ、約20万冊の書籍が納められた当時の最大級の規模の図書館でした。

さらに1961年には蔵書数の増加に伴い、写真の左側の部分を増築したりもしています。

2.歴史ある建物をたっぷり堪能できるカフェ八角塔が素敵すぎる

現在は図書館としては使われていない図書館旧館の建物ですが、エントランスには「創立五十年紀念慶應義塾図書館」の文字が現在も健在です。

エントランスの階段を上がってすぐのところにあるのが、今回の主目的であるカフェ八角塔。
図書館旧館といえばキャンパスの外からも見える八角形の塔がトレードマークですが、カフェが入るのはこの塔のある建物東側です。

カフェの入口には、本が積み上げられたサインがあるので、初めて訪れる人にも分かりやすいです。

内部は図書館時代を思わせる高い天井高の空間が広がり、南東2面の窓からは優しい自然光が目一杯に降り注いて空間を満たしています。

店内を見渡すと奥の八角形の塔の部分は自由に閲覧できる小さなギャラリーになっていたり、天井や床には八角形をモチーフにしたデザインが施されていたりと、旧図書館の象徴である八角形がいたるところに見らます。

元々は図書館だったことからカフェのメニューも図書カードを思わせるデザイン。

この日はお昼の少し前の時間ということもあり小倉トーストをチョイスしました。

小倉トーストはあんこと発酵バターのシンプルなトーストメニューですが、もちもちの生地がカリッと焼かれたトーストは絶品の味わいでした。
トーストには脇に添えられた岩塩をかけて食べるのですが、甘い小倉あんと岩塩がマッチしてとても美味しかったです。

今回はトーストをいただきましたが、パスタやカレーなどのフードメニューやクリームソーダやプリンなどのメニューもあります。

食後は歴史の積み重なった空間を堪能しつつアイスコーヒーでアイスブレイク。
とっても豊かな時間を過ごせました。

カフェを楽しんだ後は館内を散策。
2階は福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館になっていて、こちらも一般開放されているのが嬉しいです。

館内はそれ自体が歴史の写し鏡であり、惚れ惚れするような内装は見応えがあります。

お手洗いは地下階にあるのですが、お手洗いに行く途中にも昔の卒業アルバムが展示されていて、昔の建物の写真や学校の様子を知ることができます。

最後に図書館の新館も外観だけ見学しました。

図書館新館は1981年に建築家の槇文彦氏によってデザインされたもの。
槇文彦氏といえば東大・ハーバード大のイメージがありましたが、実は慶応義塾幼稚園から慶應義塾大学(中退)まで通った生粋の慶應ボーイだったのですね。

建物は矩形の造形がセットバックしたり、入れ子の様に重層的に配置されていて、前面の広場と連続しながら引き込まれるようなデザインが特徴。
さらに、同じ敷地内に建つ慶大学院棟も槇氏による設計なので、訪れる際は合わせて見てみることをおススメします。

慶應義塾大学図書館新館
設計:槇文彦/槇総合計画事務所
所在地:東京都港区三田2-15-45
アクセス:田町駅、三田駅より徒歩7分
竣工:1981年
備考:第24回BCS賞受賞

素敵な建築とカフェ&展示館を堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
素敵な建築をたっぷりと味わえる慶應義塾大学三田キャンパス、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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慶應義塾大学図書館旧館カフェ八角塔
設計:曽禰中條建築事務所
所在地:東京都港区三田2-15-45
アクセス:田町駅、三田駅より徒歩7分
カフェ八角塔オープン年:2021年
竣工:1912年
備考:重要文化財


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