江戸東京博物館は建築に注目!両国に鎮座する巨大生物を解説【東京両国】

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今回トリップする建築はこちら。
【両国】江戸東京博物館1
両国駅前に鎮座する「江戸東京博物館」です。
江戸東京の文化の保存と継承、そして未来につながる文化の創造を目指す博物館で1993年に完成しました。

江戸東京博物館は都市と共に新陳代謝していく建築・都市像を提唱した「メタボリズム(新陳代謝)」の建築家の主要メンバーであった菊竹清訓(きくたけ きよのり)氏の設計した建築です。

このブログでも取り上げたメタボリズム(新陳代謝)建築の「静岡新聞・静岡放送東京支社」は1967年、「中銀カプセルタワー」は1972年竣工なので、江戸東京博物館はメタボリズム建築としてはかなり後期になります。
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江戸東京博物館の建物の構成としては、建物下部は特別展示室や運営諸室を設け、中間部のピロティを挟んで上部に常設展示室や収蔵庫、図書館が配置されています。

4本の巨大な大柱と2本の大梁のメガストラクチャーで建物を支え、その他のサブストラクチャーの部分は時代の変化に応じて可変できるような構成となっています。【両国】江戸東京博物館4
巨体な足で支えられた建物は高床式の倉の様です。
前回紹介した横須賀美術竪穴式の美術館でしたが、江戸東京博物館は真逆の建築ですね。設計者の菊竹清訓氏は高床式の建築家でもあり比較してみてみると面白いです。。柱からせり出したキャンチレバー(片持ち)部分も展示室となっており、片持ち部分の先端には制震装置が約120台ずつ設置されており、収蔵物を守っています。

【両国】江戸東京博物館3

幾度となく自然災害や戦争の惨禍に見舞われてきた江戸・東京において、過剰な防御(といっても失ってしまえば取り返しのつかない物に対してはどんなに過剰でもやり過ぎなことはないという考え方もありますが)ともいえる文化の収蔵・発信施設を考えた末に、4本脚で両国の地に鎮座する巨大生物のような建築が出来上がりました。

この4本脚の変わった外観はそういった災害や戦争の過去の記憶からの防衛本能、そして変わらないものとして大枠のフレームつくり、内部の機能は柔軟に変更・更新できるようにするという未来への備えからデザインされたものなのです。
 
また、巨大生物のお腹の部分のピロティは、防災広場としての機能も持っています。

バブル期に建てられ建築家磯崎新から「東京5大粗大ごみ」と評され物議を醸した建築ですが、何があってもそこにあり続ける、居続けるのだという意思と迫力を感じます。
【両国】江戸東京博物館2

ちなみに江戸東京博物館の高さは江戸城の天守閣と同じ約62mとなっています。
この江戸城の天守閣を参照したということも、どう見ても天守閣を想起できないなどの批判が多数あって議論を呼んだ経緯があります。
両国の街からスケールアウトした建築を感じながら江戸城のスケール感覚にトリップしてみるのも面白いと思います。

実際どう感じるかは、見る人やタイミングによって変わってくると思いますが、もはや両国のランドマークとして多くの人に認知されて、親しまれていることは間違いありません。
建築見学にもおススメの建築ですので、気になった人は是非一度トリップしてみて下さい。

■まとめ
・4本の大柱と2本の大梁のメガストラクチャーで支え、フレキシブルな展示空間を目指したメタボリズム建築
・災害対策としての高床とピロティは、高床式の建築家である菊竹清訓氏の思想が最もよく表れた実例  


↑合わせてこちらの書籍もおススメ!昨年取り壊されてしまった菊竹清訓の伝説的傑作「都城市民会館」の記録です。

■建築情報
名称:江戸東京博物館
設計:菊竹清訓
所在地:東京都墨田区横網1-4-1
最寄り駅:両国駅徒歩3分
竣工:1993年


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