横須賀美術館を見学!繭のような不思議な建築の見どころを解説【神奈川横須賀】

関東建築巡り
今回トリップする建築はこちら。
【神奈川横須賀】横須賀美術館5
横須賀からバスで15分程のところにある「横須賀美術館」です。
北側を東京湾に向け、3方を緑地に囲まれた敷地に建築家の山本理顕(やまもとりけん)氏が設計した初の美術館です。
【神奈川横須賀】横須賀美術館1
ここでは多き3つのポイントに分けてその魅力とミカタを紹介したいと思います。
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①なぜ埋まっているのか。閉じながら開く美術館

特徴は繭の様な建築がガラスに囲われて地中に埋まっているという不思議な美術館です。
このガラスの外皮と鉄の内皮のシェルターの入れ子のような構成は、塩害・湿気対策として機能しています。

通常の美術館は収蔵品を守るため、また美術鑑賞に集中する為に箱のような空間で外部から遮断することが多いです。この建築は「半分地下に埋める」「丸い穴をあけた鉄板」「透明なガラス」といった「閉じながら繋げる」工夫を何重にも組み合わせることで、周辺環境との距離感を調整し、閉じながら開いた美術館を実現しています。
【神奈川横須賀】横須賀美術館2
穴のあいた鉄板の内皮、その向こうに見えるガラスの外皮、伸びる芝生の広場。
いくつものレイヤーによりグラデーションのように周辺環境とのつながりを保っています。

また、しっかりと外からの要因から建物を守り、構造的にもしっかりと支えられているので内部はそういった制約を極力考えずに自由に機能を配置できています。
天井高の高い展示場やワークショップや映像スペースなどが、立体的に配置されているのが魅力的です。

②自然と建築のバッファーゾーン(中間領域)にも注目

建物の構成も例えば前面部にカフェレストランを持ってくることで、塩害から収蔵品を守るバッファーゾーンをつくりつつ、美術館と外部環境の間に人が滞在し、賑わう中間領域をつくっています。
【神奈川横須賀】横須賀美術館3
路地の様にも見えますね。建物の正面が人が集まる場所になることで、この建築が建つまで意識されなかった海の方向へ視線が向くと同時に、訪れた人々が美術館の「顔」になることがとても面白いと思います。

③山本理顕氏は「竪穴式」の建築家

私的な意見ですが建築家には「高床式」と「竪穴式」の2つのタイプの建築家が存在すると思います。「高床式」の建築家は、とにかく建物を持ち上げてピロティとし、上空に建築をつくる建築家です。丹下健三氏や菊竹清訓氏は高床式建築家の代表格でしょう。

それに対して山本理顕氏は「竪穴式」の代表建築家といえます。埼玉県立大学福生市庁舎など山本理顕氏の建築は地中に埋まり、大地と一体となった建築が数多くあり、横須賀美術館はそんな竪穴式建築家の代表作といえると思います。

「高床式」と「竪穴式」の建築という考え方については今後もう少し詳しく紹介しようと思いますので、気になった方は今後チェックしてみてください。

ちょっと行きづらい場所にはあるのですが、私は今までに3~4回訪れていて、一緒に行った人の満足度がダントツナンバーワンの美術館です。
行って絶対損はない建築ですので温かくなってきた春の休日にちょっと足を延ばしてトリップしてみてはいかがでしょうか。
【神奈川横須賀】横須賀美術館4
屋上の展望台からの眺め。海を見ながら展示の感想などを話すのもおススメですよ。



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名称:横須賀美術館
設計:山本理顕
所在地:神奈川県横須賀市鴨居4-1
最寄り駅:横須賀駅からバスで約30分
竣工:2006年

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