神戸「神戸文学館」大学チャペルを改修した赤煉瓦の文学館をレポート

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今日は兵庫県にある神戸文学館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・神戸文学館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・神戸文学館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント

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1.長い歴史の中で改修を重ねた赤レンガ建築の文学館

今日紹介するのは東京から少し離れた兵庫県神戸市にある神戸文学館です。

ちょうどこの日は神戸市で開かれていたイベント神戸モダン建築祭に参加していたのですが、イベントの中心地である三宮からすぐの場所に素敵な赤煉瓦の文学館があると聞いて訪問してきました。

神戸文学館があるのは、神戸三宮駅から東に2駅ほど移動した王子公園駅からすぐの場所。
神戸の王子公園といえば、年間の来場者数げ約100万人を超える市立王子動物園があることでも知られます。
この日も動物園を訪れた団体の幼稚園児を横目に公園の西端まで歩きます。

程なく歩くと少し小高い台地に建てられた神戸文学館の建物が見えてきます。

この神戸文学館の建物は、もともとは明治時代の後期である1904年に関西学院のチャペルとして建てられた建物を改修し、地元神戸出身の作家や神戸ゆかりの文豪に関する資料を収集・展示している文学館です。

ちなみに道路の向かいに建つ兵庫県立美術館王子分館 原田の森ギャラリー・横尾忠則現代美術館は、建築家の村野藤吾氏が設計を手掛けているので、訪れた際は建築ファン必見です。

長い歴史を積み重ねてきた建物ですが、その歴史はまさに紆余曲折。
もともと大学のチャペルとしてM・ウィグノールの設計で建設された建物ですが、昭和初期に関西学院が移転し大学チャペルとしての役割を終えた後は神戸市に売却されましたが、戦禍により尖塔をはじめとする大部分が焼失、倒壊するなどの被害に見舞われます。

赤煉瓦の建物は現在は補修や改修がなされてきれいな外観となっていますが、近づいてみてみるとは戦争時についた傷跡などにその跡を垣間見ることができます。

戦後は一部を除いて修復され、瀬戸内海観光館、市民美術教室、アメリカ文化センターなど、その用途を変えて様々な施設として利用されてきました。
また、1960年代から80年代の終りまで神戸市立中央図書館として使用され、その後一粒社ヴォーリズ建築事務所によって大規模な改修・復元が行われました。

一粒社ヴォーリズ建築事務所といえば、このブログでも何度か作品を取り上げ、神戸の学校建築や教会を数多く手掛けたウィリアム・メレル・ヴォーリズが創設した設計事務所ですが、このヴォーリズ事務所による改修により1993年に神戸市立王子市民ギャラリーがオープンとなりました。

チャペルの尖塔や装飾や復元などもなされた過去最大のもので、このリューアルによって現在の文学館の姿が完成しました。
さらに2006年に神戸文学館となり現在の形に落ち着きますが、こうしてみると120年の中で激動の歴史を辿った建築であることがよくわかります。

外観は煉瓦の外壁以外にも葡萄蔓文様の特徴的な窓のガラスやエントランスの照明などの細かい部分も魅力的な意匠が満載で見ごたえがありました。

2.近代から現代までの様々な文学者の世界を堪能

元々はチャペルだったこともあり、高い天井高と天に伸びる尖塔によって外観は大きな建物に見えましたが、実は建物はシンプルな平屋建てです。

エントランスから中に入ると向かって左側のスペースが受付カウンターや休憩・図書コーナー、向かって右側のスペースが常設展示室と企画展示室を兼ねた展示空間となっています。

展示室はハンマービーム・トラスと呼ばれる工法で掛けられた大空間が広がっていて、基本的には無料で常設展、企画展の両方を楽しむことができます。

西側にある常設展示では谷崎潤一郎や正岡子規などの文豪から、風立ちぬで知られる堀辰雄や、少年Hなどの著作で知られる妹尾河童など約40人にも及ぶ文学者の資料が展示されています。

展示されている文学者は近代から現代まで多岐に渡っているので、展示をみていると意外と過去に読んだことのある作者だったり、神戸の街や建築に関係していたりしてとても興味深かったです。

このとき開かれてい企画展フタタビ参上 かなしきデブ猫ちゃんの冒険 in ひょうごは写真撮影もOKとのことでしたのでいくつか紹介します。

かなしきデブ猫ちゃんは、2018 年に愛媛出身の小説家早見和真さんと絵本作家かのうかりんさんによってつくられた創作童話。
ここ兵庫文学館での展示は神戸新聞に連載された兵庫編にフォーカスしたものです。
シュールだけど、じっと見ているとどこか可愛く思えてくるデブ猫ちゃんの魅力が伝わってきて、初見でしたがファンになってしまいました。

また、神戸文学館では時季によっては旧チャペル建築であることを活かしたクリスマス・アカペラ・コンサートなどのイベントも開かれているようなので、次回訪れたときにはこうしたイベントも体験してみたいです。

見どころ満載の建築とユニークな展示をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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2025年4月17日には「一級建築士矩子の設計思考」第4巻が発売になりましたので、是非チェックしてみて下さいね。

神戸文学館
原設計:M・ウィグノール
改修設計:一粒社ヴォーリズ建築事務所
所在地:兵庫県神戸市灘区王子町3-1-2
アクセス:王子公園駅、灘駅北出口より徒歩約7分
竣工:1904年
開館時間:
 平日10:00~18:00
 土曜・日曜・祝日9:00~17:00
休館日:水曜
入館料:無料
備考:国登録有形文化財
公式HP:http://www.kobebungakukan.jp/


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