今回は水道橋にあるカプセルホテル ナインアワーズ水道橋を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・ナインアワーズ水道橋を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・ナインアワーズ水道橋の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
1.都心部で話題のデザイナーズカプセルホテルを訪問
今回訪れたナインアワーズは、ホテル滞在時間を「1h(汗を洗い流す)+7h(睡眠)+1h(身支度)=9h」と設定し、宿泊の基本行動に特化した都市型の宿泊施設です。

都内を中心に急速に店舗数を拡大していったナインアワーシリーズの13号店となる水道橋店は、飯田橋駅から歩いて数分、神田川とその支流である日本橋川が繋がる少し手前の川沿いにあります。

駅から歩いていくと目に飛び込んでくるシンプルな外装の建物の設計を行ったのはナインアワーズ大手町、赤坂、浅草、半蔵門なども手掛けている平田晃久氏。
このナインアワーズ水道橋は外観は1階と6階部分が全面ガラス張りとなっているのが大きな特徴で、表皮のような白い外装とガラスの開口部の中に睡眠用カプセルがぎっしりと詰め込まれています。
地上から見ると、建物上部が浮いているようなデザインとなっていますが、天井部分がミラー加工となっているのがさらに浮遊感を高めてくれています。

こちらは別日に神田川のクルーズ船に乗船したときの写真ですが、どっしりとしたコンクリートのインフラとスタイリッシュで軽やかな建築とのコントラストがとても鮮やかで印象的でした。
ホテルに到着したらまずは1階の受付でチェックイン。
カードキーを受け取ってエレベーターに乗ります。
2.スリーピングポッドがズラりと並ぶ空間にワクワクが止まらない
客室階についたらまずはロッカーに荷物を預けます、各フロアにはカプセル形の寝室の他、ロッカー、トイレ、洗面、シャワーといった宿泊に必要な機能がコンパクトにまとめられています。

ちなみに男女はフロアごとに完全に分離されていて、エレベーターのカードも不要な階のボタンは押せないように設定されています。
一人一人の専有部分として用意されたのはスリーピングポッドと呼ばれるこちらのカプセル。

こちらのポッドはプロダクトデザイナーの柴田文江氏がデザインを手がけたもので、繊維強化プラスチックによる柔らかなフォルムが特徴。
繭のような形状のポッドは包まれるような安心感のある空間となっていて、閉塞感はほとんど感じませんでした。

寝るという行為に特化した最小限のサイズでありながら、人が快適に過ごせるギリギリのサイズを見極めつつ、その中で最大限広がりや安心感を得られるサイズなのが素敵です。

隅のない白い世界に吸い込まれるような空間は、広さのある他のホテルでは味わえない空間となっているのも面白いです。
照明のスイッチやコンセントもコンパクトに、しかし過不足なく配置されていて快適です。

音は完全に遮断するわけではないですが、ドミトリーのベッドや特製のカプセル風ホテルのように素材として隙間があるわけではないので自分は気になりませんでした。
洗面やシャワーブースも最小限のスペースでありながら、機能性とデザイン性を兼ね備えたつくりとなっています。

使用する材料は決して高価な素材ではないですしスペースも限られているのですが、抜け感のある鏡周りのデザインや、余計なものはしっかり隠しつつ機能性も備えた洗面台など細かな工夫が光ります。
また、配管をそのまま見せる天井も、先ほど見たカプセルと相まって近未来的な雰囲気を醸し出しているのが面白いです。
さらに内装はモノトーンを基調にしていますが、カプセルゾーン、ロッカーゾーン、洗面ゾーンといくに従って自然光に導かれるように徐々に明度が上がっていくなど、じっくりみないと気づかない工夫が随所に散りばめられているのが素敵です。
3.都心と繋がるようなラウンジや、川の流れを感じるカフェも見逃せない
カプセルフロアをひと通り散策した後は6階にある宿泊者専用ラウンジへ。

このラウンジ空間は、街に開かれた開放感のある空間となっていて、睡眠を行うカプセル部分と対比されるような空間となっています。
フロア一面を使って高低差がつけられたラウンジは、上空につくり出されたもう一つの地面のような空間となっているのもこの効果を高めています。

ガラスの大開口によって周囲の街に開かれたこのラウンジでは、東京という街に体を投げ出されたような浮遊感とエモさがあります。
最後に訪れたのは1階につくられたREC COFFEEです。
こちらは宿泊客以外も利用できるカフェとなっていて、週末には行列ができる人気店となっています。

店内へは道路からそのままアクセスできますが、高低差をうまく使うことで、建物のボリュームを数メートル浮かして視線の抜けをつくっているのが面白いところ。

目の前に広がる日本橋川や神田川の景観を楽しみつつ、お出かけ前や就寝前のちょっとした時間を過ごせる格好のスポットとなっています。
こうしてみると、カフェもラウンジも狭小敷地の厳しい条件の土地に建てられながらも、川のせせらぎや都心の絶景など外部の環境を巧みに取り込んで楽しめるようにデザインされているのが分かります。
街に対して閉じる部分と開く部分、ゆとりを持たせる部分と合理性を追求する部分、9hの体験の中でメリハリを持たせながらここでしかできない体験を提供する、そんな気概を随所から感じます。

素敵な空間をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメの建築なので、東京で宿泊する機会があれば、皆さんも是非使ってみてくださいね。
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ナインアワーズ水道橋
設計:平田晃久/平田晃久建築設計事務所
所在地:東京都千代田区神田三崎町3-10-1
アクセス:水道橋駅より徒歩約3分
竣工:2019年
公式HP:https://ninehours.co.jp/suidobashi
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