今回は東京白金台にある港区立郷土資料館(旧公衆衛生院)を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・港区立郷土資料館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・港区立郷土資料館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・港区立郷土資料館の建築的な見どころや注目ポイント
ちなみに白金台周辺エリアでの建築巡りについてはこちらの記事でもレポートしていますので、気になった方は是非併せてご覧ください。
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1.昭和初期に建てられた旧公衆衛生院を改修した郷土資料館を訪問
今日訪れたのは、東京都港区の白金台駅をでてすぐの場所にある港区立郷土資料館です。
港区立郷土資料館は自然・歴史・文化を通して港区を知り、探求し、交流する拠点となることを目指してつくられた歴史資料館です。
港区立郷土資料館が建つのは地下鉄東京メトロの白金台駅をでてすぐの場所。
地下鉄の出口から地上にでると、早速資料館の案内看板と建物の外観が見えてきます。
港区立郷土資料館の建物は、昭和初期の1938年に建てられた旧公衆衛生院を改修したもので、築85年を超える歴史ある建物です。
この建物の設計者の建築家内田祥三(うちだよしかず)は安田講堂を始めとする東京大学などの作品を手掛けたことでも知られ、内田ゴシックと呼ばれるスクラッチタイルで覆われたゴシック調のデザインを得意とした建築家でもあります。
ここ港区立郷土資料館でもその手腕は遺憾なく発揮されていて、堂々とした見事な外観の建物となっています。
建物は築85年超えということもありかなり古い建物ですが、資料館のオープンに際してはバリアフリー化や設備の更新などの大改修が行われ、2018年に新たな施設として生まれ変わりました。
2.見どころ満載の館内の空間と展示をたっぷりと堪能
建物としては2階にある正面の入口をはいってまずはチケットを購入します。
チケットは、常設展(一般300円)と時期によって開催される特別展・企画展から選びます。
この日は夏休み企画展「港区たてものウォッチング ~お寺や洋館をたずねてみよう~」が開催されていたので、常設展と企画展セットのチケットを購入しました。
チケットを購入して建物の中を進むとまず見えてくるのがこちらの中央ホールです。
巨大な柱と呼応するような四角いデザインの床と、天井の丸い吹抜けのデザインが対比される中央ホールは港区立郷土資料館の大きな見どころのひとつです。
細かな装飾、彫りが生み出す陰翳、ふんだんに使われた石材など見応え抜群のホールとなっています。
展示室は企画展が行われる特別展示室が2階にあり、3・4階が常設展示室となっています。
展示室はチケットについているQRコードを読み取って入退するシステムになっているのもスマートです。
この日の企画展は建築に関連する展示だったので、建築ファンの私としてはとても興味深い展示となっていました。
展示室の中も旧公衆衛生院時代の建物の雰囲気を存分に感じることができて大満足の見学となりました。
また、展示室の先には休憩スペースが用意されていて、自然光が降り注ぐ明るい空間で一休みすることもできます。
建物の中には旧講義室が休憩スペースになっていたり、旧図書観覧室がライブラリーになっていたりと古い建物を空間ごと楽しめる歴史館になっているのも素敵です。
3階にある旧院長室、旧次長室は中に入ることはできませんが当時の様子がよくわかる部屋です。
床の寄木細工を始めとする上質な空間の雰囲気を存分に味わえました。
こちらの旧講堂も港区立郷土資料館の建築的な見どころの1つです。
300席を超える階段状の講堂は、椅子の張り地や天井以外は建築当初の部材がそのまま残されています。
3・4階にある常設展示室では、「都市と文化の広がり」や「ひとの移動とくらし」といった様々なテーマに沿った展示が見られます。
古い資料や写真、模型など様々な展示方法によってビジュアルで港区の歴史や人々の営みについて知ることができます。
展示のボリュームも想像以上にあって、充実した展示となっていたのが嬉しかったです。
4階には小さなギャラリーがあって、この日は入場無料の展覧会をみることができました。
展覧会の開催は時期によりますが、中々見どころが多い建物です。
最上階である6階は元々は寮として使われていたスペースです。
シンプルな空間ですが、当時の様子を思い浮かべることができる内装がところどころに残されています。
3.旧食堂を改修したカフェもオススメ!素敵な空間で癒やしのひとときを
最後に訪れたのがエントランスから1フロア下がった1階。
1階に降りるとガラスブロックの床がお出迎え。
このガラスブロックの床は地下に光を注ぐ工夫です。
また建物1階は旧食堂を改修したカフェVEGETABLE LIFEがあります。
こちらのカフェは名前の通り新鮮な野菜を使ったヘルシーなメニューやおやつにピッタリのスイーツがいただけます。
今回はちょうどおやつの時間だったので、ケーキとドリンクのセットをチョイス。
優しい味わいのチーズケーキを頂きながら、素敵な建築の余韻に浸ります。
カフェスペースも、壁面に貼られた泰山タイルや高窓から降り注ぐ自然光など、とても魅力的な空間となっています。
ちなみにメニューはケーキなどのカフェメニューに加えてモーニングメニューやカレーなどのランチメニューもあります。
訪れているお客さんも資料館を訪れている人から近所の人と思われる人まで様々なようで、いろいろな人の憩いの場になっていました。
素敵な建物と展示をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とても魅力的なスポットでしたので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
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港区立郷土資料館
設計:内田祥三
改修設計:日本設計
所在地:東京都港区白金台4-6-2
アクセス:白金台駅より徒歩約1分
竣工:1938年(2018年改修)
開館時間:9:00〜17:00
休館日:第3木曜日、年末年始
常設展観覧料:
大人 300円
小・中・高校生 100円
備考:2021年 東京建築賞優秀賞
2020年 第29回BELCA賞ベストリフォーム部門
公式HP:https://www.minato-rekishi.com/
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