千鳥ケ淵戦没者墓苑がスゴい!都心の真ん中の隠れた名建築をレポート

今日は東京九段下にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・本職は建築の設計事務所で働く建築人

【この記事で分かること】
・千鳥ヶ淵戦没者墓苑を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・千鳥ヶ淵戦没者墓苑の基本情報と、アクセス方法や訪れる際のポイント
・千鳥ヶ淵戦没者墓苑の建築的な見どころや注目ポイント

昭和を代表する建築家谷口吉郎と、日本近代造園学の父と呼ばれた田村剛による墓苑は、まさに東京の隠れおススメ建築スポット。
いったいどんなスポットだったのか早速紹介していきたいと思います。

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1.都心の真ん中に佇む墓苑を見学

今日訪れた千鳥ヶ淵戦没者墓苑は皇居の西側にある千鳥ヶ淵緑道の向かいに建つ墓苑です。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は戦没者の中でも遺族に引き渡すことができなかった無名戦没者の約35万柱の遺骨を納めるためにつくられたのが特徴の国営墓地公園です。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

千鳥ヶ淵といえば都内有数の桜の名所としても知られ、私もこれまですぐまで来たことはあったのですが、実際に中に入るのは初めてです。

千鳥ケ淵戦没者墓苑
千鳥ケ淵戦没者墓苑

公園の造園計画は日本近代造園学の父と呼ばれた田村剛氏が手掛け、古来から武蔵野の地に生息していたとされるシイや、その後武蔵野の森代名詞ともなるケヤキをはじめ、約1800本の樹木が植えられたそうです。
そして墓苑の中核をなす建物は、昭和を代表する建築家である谷口吉郎氏が手掛けているのも特徴です。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

公園の面積は約16000㎡程とさほど広くない墓苑ですが、一歩足を踏み入れると都心の真ん中とは思えないほど静かで、外界から切り離された不思議な雰囲気を身にまとっています。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

敷地の南西にある西門を入って、ぐるりと園内を周るとまずは休憩所と管理事務所が見えてきます。
ここからさらに180度回転すると戦没者の遺骨を納める六角堂が見えてきます。

2.谷口吉郎が手掛けた名建築を堪能する

千鳥ケ淵戦没者墓苑

六角堂の前には水平に伸びる前屋をくぐって入ります。
この前屋はシンプルな半屋外の建物ですが、墓苑に入るもう1つのゲートの役割を果たしています。
前回のブログで広島の厳島神社と広島平和記念資料館を取り上げたこともありますが、この前屋は神社でいうところの鳥居のような神聖な空間の結界のように見えます。

千鳥ケ淵戦没者墓苑
千鳥ケ淵戦没者墓苑

千鳥ヶ淵戦没者墓苑は特定の宗教によらない墓苑として設計されましたが、この時期の宗教建築らしくモダニズムと日本の伝統建築の融合が試みられています。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

建物の規模はだいぶ違いますが、後に谷口氏が設計する東京国立博物館の東洋館の原型のようなデザインに、建築好きとしては思わずニヤリとしてしまいます。

千鳥ケ淵戦没者墓苑
千鳥ケ淵戦没者墓苑

ゲートの向こうにはに見える無名戦没者の約35万柱の六角堂の後ろには皇居の豊かな自然が広がっています。
広島平和記念資料館では慰霊塔のバックに現代的なビルがどうしても入ってきてしまうことが残念な点ではありましたが、千鳥ヶ淵戦没者墓苑では皇居をバックにしていることで一切余計な建物が入ってこないというのもちょっとした注目ポイントです。

3.全方位に開かれたシンプルな納骨堂を見学

千鳥ケ淵戦没者墓苑

前屋をくぐった先に建つ六角堂はその名の通り六角形の形をしたシンプルな建物で、主要戦地から集めた小石を材料にしたという世界最大級の陶棺が祀られています。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

仏教に置ける供養塔のようにシンボリックな形態を持つわけではないこの六角堂は、まるで時が止まっているかのように静かで厳かな雰囲気を醸し出しています。
明確な正面性を持たない建物は、正に全国、全世界の戦没者の魂を受け入れているようでもあります。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

振り返って後ろに見えるのが先ほど通ってきた前屋です。
都心の真ん中ということで、こちらは周辺建物が入らないわけにはいかないのがちょっと残念ではありますが、こうして振り返ってみるてはじめて現代日本の都心の一等地にいることに気づいて我に返る体験は中々興味深くはありました。

ちなみに全方位に開かれた六角堂ですが、明確な都市軸は計算されていて、六角堂から見た直線状のすぐのところには戦死者を祀った靖国神社が建っています。

4.墓苑の中を散策。過去と未来に思いを馳せる静寂な時間を過ごす

千鳥ケ淵戦没者墓苑

六角堂を見学した後はしばらく園内を散策しました。
私が訪れた時には園内にほとんど人はおらず、静かな園内をひとしきり見学することができました。

千鳥ケ淵戦没者墓苑
千鳥ケ淵戦没者墓苑

六角堂に対して向かって左側には平和記念慰霊碑と追悼慰霊碑等がありましたが、こちらは最近建てられたものだからか、園内のマップには記載されていませんでした。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

今回建築目当てに訪れた千鳥ヶ淵戦没者墓苑でしたが、建築とランドスケープだけでなく、過去と未来の様々なことについて思いを巡らせる普段とはちょっと違った建築体験ができました。
都心の真ん中ということでアクセスもしやすい場所に建っていますので、皆さんも興味があれば是非一度立ち寄ってみて下さいね。


↑建築家谷口吉郎について詳しく知りたい方はこちらの書籍も是非チェックしてみて下さい
「雪あかり日記/せせらぎ日記」(Amazonで見る)

千鳥ケ淵戦没者墓苑
建築設計:谷口吉郎
造園設計:田村剛
所在地:東京都千代田区三番町2
アクセス:半蔵門駅徒歩約7分、九段下駅徒歩約7分
竣工:1959年、1962年(建物)
公開時間:
 4月1日~9月30日 9:00~17:00
 10月1日~3月31日 9:00~16:00
入園料:無料
公式HP:http://www.boen.or.jp/


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