小石川植物園は、江戸幕府によってつくられた小石川御薬園をルーツとする日本最古の植物園で、現在は東京大学大学院理学系研究科附属植物園として一般にも開放されています。
敷地内には貴重な植物や記念碑的なスポットがいくつも点在していますが、建築も見ごたえのある貴重な建物がいくつも残されています。

エントラスの門をくぐって程なく歩くと見えてくる本館は、安田講堂をはじめ多くの東京大学の建築を手掛けた内田祥三氏によるもの。
約80万点の植物標本が収められた建物は、内田氏の作品には珍しいモダニズムの端正なデザインの建物となっています。
また、豊かな自然を有する小石川植物園の中では、シンプルな造形がより引き立てられているのも面白いです。

敷地の北側に建つ柴田記念館(旧東京帝国大学理学部植物生理化学実験室)は、東京大学植物学教室の柴田桂太教授の寄付によって建てられた記念館です。

小さな建物をさらに分割して異なる方向にかかる屋根も素敵で、小さな建物ですが植物園の樹木によく馴染んでいます。
こちらは資料館やミュージアムショップとして整備されているので、内部もじっくりと堪能することができます。
敷地の西端に建つ東京大学総合研究博物館小石川分室(旧東京医学校)は、東京大学の前身である東京医学校の施設としてつくられた施設です。

1911年に移築された際に大きな減築や改修がされた後、1965年に一度解体されてしまいますが、1969年にここ小石川植物園内に再建されました。
明治のはじめにつくられた建物は、当時の木造擬洋風建築の特徴をよく表していて、日本庭園越しにみる鮮やかなコントラストがとても印象的でした。
設計:工部省営繕局(東京大学総合研究博物館小石川分館)、東京帝国大学営繕課(柴田記念館)、内田祥三(本館)、久米設計(温室)
所在地:東京都文京区白山3-7-1
アクセス:白山駅より徒歩約10分
竣工:1876年(東京大学総合研究博物館小石川分館※1969年再建)、1919年(柴田記念館)、1939年(本館)、2019年(温室)
備考:国重要文化財(東京大学総合研究博物館小石川分館)




