今回は雑色・六郷周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・雑色・六郷周辺エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・雑色・六郷周辺エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
1.寳泉寺 客殿庫裏

まずはじめに紹介する寳泉寺 客殿庫裏は、雑色駅の東口から程なく歩いたところに建つ寳泉寺の客殿兼庫裏です。
歴史ある寺院に併設されたコンクリート造3階建ての建物はコンクリートのもつ堅固さ・普遍性と、木や紙の儚さ・フレキシブルさが合わさったデザインとなっているのが特徴。
水平に伸びる庇と2・3階の正方形の開口部のコントラストも鮮やかで、それぞれ違った陰影を落としながら刻々と表情を変化させているのも素敵でした。


設計:メグロ建築研究所
所在地:東京都大田区南六郷2-26-12
アクセス:雑色駅より徒歩約6分
竣工:2015年
2.南六郷ハウス

南六郷ハウスは、町工場や昔ながらの商店が点在する南六郷の住宅街に建つ地上2階建ての賃貸集合住宅です。
1階のコモンダイニングキッチンスペースを抱き込むように賃貸スペースが配置されているのが特徴で、単なる賃貸住宅の使い方や住民の関係性がか拡張されたり、フレキシブルな住まい方を許容するような集合住宅が目指されています。
小スペースの賃貸アパートが細かく部屋が分けられる故に構造的な余裕が生まれ、階高を上げたり、開放的な開口部による魅力的な空間を実現しているのも面白い建築です。


設計:北山恒+architecture WORKSHOP
所在地:東京都大田区南六郷2-3
アクセス:雑色駅より徒歩約7分
竣工:2018年
3.七辻セブンウェイズ

七辻セブンウェイズは雑色・蒲田エリアの隠れ珍スポットとして知られ、7本の道路が交錯する七辻の交差点からすぐの場所に建つ地上4階建てのオフィス、集合住宅の複合施設です。
通りに対して道路際には街と住宅のバッファとなるような空間が設けられていたり、大きさや高さが異なる開口部がリズミカルに並んでいたりするのが注目ポイント。
街や周辺環境と応答し、ゆるやかな関係性を築いていくことが、形になって表現されているように感じるのも素敵な建築です。


設計:佐々木設計事務所+八木工務店
所在地:東京都大田区南蒲田2
アクセス:雑色駅より徒歩約12分
竣工:2017年
4.六郷水門

六郷水門は、大正時代から昭和初期に実施された多摩川改修工事でつくられた水門です。
1931年に竣工した水門は、ドイツ表現主義の影響を思わせる丸みを帯びた大柱が特徴となっていますが、その他にも橋の高欄には六郷を表す「郷」と「ロ」を組み合わせたデザインとなっているなど意匠的な見所が満載です。
また、金森式と呼ばれる中に鉄筋を配した煉瓦造は関東大震災の教訓から生み出されたもので、当時の最新技術でもあった堅固なつくりの水門は竣工から100年近い年月が経った現在でも現役で使われています。


所在地:東京都大田区南六郷2-35
アクセス:雑色駅より徒歩約12分
竣工:1931年
備考:土木学会選奨土木遺産
■六郷排水機場

また、水門のすぐ手前には戦中に建てられた赤煉瓦の排水機場が残されています。
生活排水を機械排出する為の排水機場はかつては都内にかなりの数があったようですが現存するのものは少なくなっているので、六郷水門を訪れた際には是非注目してみてほしいです。

所在地:東京都大田区南六郷2-35
アクセス:雑色駅より徒歩約12分
竣工:1943年
5.六郷神社

六郷神社は、平安時代の後期に創建された由緒ある神社です。
六郷神社という名称となったのは明治のはじめの1876年のことですが、現在の本殿はそれよりもさらに150年前の1719年に建てられたもので、改修されつつも300年以上前の建物というから驚きです。
また、境内には大田区内に現存する中では最も古い1685年奉納で大田区文化財にもなっている狛犬がいたり、平安時代の武将 梶原景時が寄進したと伝えられる太鼓橋が残されていたりと時代の積み重ねを感じる遺構が随所にみられるのも注目ポイントの神社です。


所在地:東京都大田区東六郷3-10-18
アクセス:雑色駅より徒歩約10分
竣工:1719年(本殿)、1987年(拝殿、神楽殿)
6.旧六郷橋 橋門・親柱

六郷橋 橋門・親柱は、1925年に多摩川に架けられた旧六郷橋の一部を移設したもの。
1980年代に新しい橋への掛け替え工事が行われた際に現在の宮本台緑地に移設されました。
長さ400mを超える東京と神奈川を繋ぐ巨大な橋は、2つのアーチを短いタイで繋ぐタイドアーチと呼ばれる形式でしたが、現在残されていたのは橋門のひとつのみ。
また、この旧六郷橋は架け替えの為の解体作業中の事故によって多くの犠牲者がでる痛ましい出来事がありました。現在保存されている親柱には犠牲になった方の名前と鎮魂の為の詩が取り付けられています。


所在地:東京都大田区仲六郷4-30
アクセス:六郷土手駅より徒歩約1分
竣工:1925年
7.プラウドシティ大田六郷

プラウドシティ大田六郷は、雑色駅の南西エリアの隣接する2つの敷地に建つ総戸数632戸の集合住宅です。
最低限の利便性はありつつも都心からは少し距離をおいた多摩川沿いの立地を活かしながら足元には公開空地も含めた緑の空間を確保し、軽やかな外観の大規模マンションが実現しています。
また、青山ブックセンターとブックオフと提携した蔵書約7000冊、定期的に入替えのある住民専用ライブラリーが併設されているのも大きな特徴で、この取り組みは2017年のグッドデザイン賞にも選出されています。


設計:長谷工コーポレーション
所在地:東京都大田区西六郷3
アクセス:雑色駅より徒歩約12分
竣工:2017年、2018年
備考:2017年度グッドデザイン賞
8.六郷の集会所

六郷の集会所は、奈良時代にルーツをもつ安養寺に隣接する土地に建てられた寺院の客殿兼集会施設です。
安養寺の元となった寺院は一度は廃寺になったものの16世紀ごろに再興され、区内でも有数の歴史ある寺院として知られています。
2013年に建てられた集会所は作庭家の高橋良仁による造園計画に寄り添うようにデザインされているのが特徴。分節されたボリュームと窓や樋等な建築要素を外装から排する納まり計画によって庭の緑に溶け込むような建築がつくりだされているのが注目ポイントです。
抽象的な美しさを持つ装いは建築的な美しさと同時に宗教的な深遠さがもたらされているのも面白い、六郷の注目建築です。


建築設計:堀部安嗣建築設計事務所
造園設計:高橋良仁/庭良
所在地:東京都大田区西六郷2
アクセス:雑色駅より徒歩約12分
竣工:2013年
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