今回は私が訪れた中から山形県山形市の現代建築について紹介したいと思います。
山形市は明治期に建てられた貴重な近代建築から、丹下健三や妹島和世といった有名建築家の作品まで超一級の建築がひしめく建築パワースポットでもあります。
では早速見ていきましょう。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・山形市周辺エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・山形市周辺エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・山形市周辺エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.旧済生会本館(筒井明俊)
まず初めに紹介する旧済生会本館は明治11年に建築された木造の擬洋風建築です。
なんとこの建築、当初は県立病院として建てられたというから驚きで、東北地方のおススメ近代建築はと聞かれたらまずはこの旧済生会本館を挙げたいくらい貴重な建築です。
外見が病院に見えないことはもちろんのこと、平面計画も中庭を取り囲んで受付、手術室、病室と円形にとり囲むように並んでいて、正面には2階・3階・4階と形の変わった搭が乗っているという世にも珍しい構成となっています。
明治期に無名の職人たちによって建てられた建築は奇抜ながら見事な発想と意匠を随所に見ることができ、現存する近代建築としては東北地方一といっても差支えはないと思います。
現在は山形市郷土館として郷土史・医学関係資料を展示しており、一般に開放されています。
設計:筒井明俊
所在地:山形県山形市霞城町1-1
アクセス:山形駅より徒歩約10分
竣工:1878年
2.日本基督教団山形六日町教会
山形六日町教会は大正3年に建築された木造2階建ての教会です。
尖閣アーチの窓と白の下見板張りの外装が特徴的な簡素な建築ですが、山形県内でも最古の教会のひとつです。
設計者は不明ですが、以前福島市の記事で紹介した福島教会(1909年)がヴォーリズが最初に手掛けた教会建築だったので、この建築はその5年後となります。J.M.ガーディナーなどはその少し前から教会建築を手がけていましたが、そういった建築を参考にしながら地元の職人さんや信徒の皆さんによって試行錯誤しながらつくられたのではないかと思うと感慨深いです。
所在地:山形県山形市旅篭町3-3-34
アクセス:山形駅より徒歩約20分、北山形駅より徒歩約15分
竣工:1914年
3.旧山形県庁舎(中條精一郎+田原新之助)
旧山形県庁舎は、慶應義塾大学図書館などの設計者としても知られる山形出身の建築家 中條精一郎が建築顧問を務め、建築家 田原新之助が設計を行った山形を代表する近代建築です。
当時の日本において最も参照され、影響力を持っていたイギリス・ルネッサンス様式を体現し、当時の日本の庁舎建築を伝える貴重な遺産でもあります。
外壁の石材は貼り方や凹凸の変化によって様々な表情を引き出しているのでのっぺりした感じは一切なく、いつまでも見ていられます。実はこの建築、石張りなのは正面だけで、中庭に周ると煉瓦造の仕上げに変わっているのも見どころの建築です。
設計:中條精一郎+田原新之助
所在地:山形県山形市旅篭町3丁目4-51
アクセス:山形駅より徒歩約20分、北山形駅より徒歩約15分
竣工:1916年
4.旧山形県会議事堂(中條精一郎+田原新之助)
旧山形県会議事堂は旧山形県庁舎と同時に建てられた県会議事堂で、建設当時は来賓室や議員控室などにも使われていました。
内部のかまぼこ型のヴォールト天井のホールは必見で、旧済生会本館・旧山形県庁舎と合わせてまさに山形の近代建築の3種の神器ともいえる歴史遺産ですが、どれも現役で建物として使用されているのはまさに奇跡的ともいえます。
設計:中條精一郎+田原新之助
所在地:山形県山形市旅篭町3丁目4-51
アクセス:山形駅より徒歩約20分、北山形駅より徒歩約15分
竣工:1916年
5.七日町二郵便局
七日町二郵便局は旭銀座通りに建つ大正14年に建てられた建築で、何と現在も郵便局として現役で使用されています。
当時としてはかなり珍しかった鉄筋コンクリート造の建物としても貴重な建築ですが、権威性はあまり感じずところどころにある丸みを帯びた装飾や小さなバルコニーなどに愛らしさが漂います。
もともとは洋品店として建てられ、市民にとって馴染みの深いお洒落スポットとして親しまれてきたのが外観からも伝わってきます。
所在地:山形県山形市七日町2-7-20
最寄駅:山形駅より徒歩約20分、北山形駅より徒歩約15分
竣工:1925年
6.山形市立第一小学校(伊藤高蔵)
山形市立第一小学校は七日町二郵便局とほぼ同時期に建てられた鉄筋コンクリート造の小学校です。
旧山形県庁舎と比べてかなり簡素に見えますが、無駄のなくシンプルかつ合理的な校舎として当時としては先駆的な小学校であったと考えられます。
機能、構造、そして換気・採光といった環境面で今までの小学校にはない最新鋭の技術と知識をもってデザインされ、未来の日本を担う子供たちを育てるのだという意思を感じることができます。
現在ではその歴史的価値から保存・活用が行われ、2010年に修理工事が完了した後は「山形まなび館」として観光案内や展示ギャラリーとして地域の活性化に生かされています。
設計:伊藤高蔵
所在地:山形市本町
アクセス:山形駅より徒歩約10分
竣工:1927年
7.山形県県民会館(山下設計)
山形県県民会館はやまぎんホールの愛称でも親しまれた約1500席の大ホールと150席の地下講堂などからなるホールです。
設計は山形出身の建築家である山下寿郎が行い、戦後の山形の文化発展の礎を築いた建築です。(山下寿郎設計事務所は後の山下設計です)
赤とグレーのコントラストが効いた外壁、光が降り注ぐ大きな開口部など、後に数々のホール建築を生み出していく山下設計の初期の良作ともいえるホールでしたが、2019年に閉館となってしまったようです。
設計:山下設計
所在地:山形県山形市七日町3-1-23
アクセス:山形駅より徒歩約20分、北山形駅より徒歩約15分
竣工:1962年
備考:2023年解体
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8.山形県武道館(山下寿郎)
山形県武道館は霞城公園に建つ武道館です。
コンクリート打ちっ放しの荒々しくも力強い建築ですが、窓枠の格子状のコンクリートや2階以上が大きくせり出した構成、柱とスラブのみの外廊下など後期のコルジュジェや丹下健三など同時代の建築の影響をかなり受けているものと思われます。
設計:山下寿郎
所在地:山形県山形市霞城町1-2
アクセス:山形駅より徒歩約10分
竣工:1967年
9.旧殖産相互銀行本店(日建設計工務)
旧殖産相互銀行本店は現在もきらやか銀行桜町支店として現役で使われている銀行建築です。
2つのコアに執務室が取り付く構成は、前年1966年に竣工した山梨文化会館や1967年に竣工した静岡新聞・静岡放送ビルの影響を思わせつつも、メタポリムズという酔狂な夢ではなくオフィス空間としての機能とデザイン性を追求したあたりに日建設計の凄みを感じます。
白い外壁とぐるりと回る開口部は2017年にできた埼玉県大宮のさいたま赤十字病院の印象にもかなり近いものがあり、日建設計イズムを感じます。
設計:日建設計工務
所在地:山形県山形市桜町7-35
アクセス:山形駅より徒歩約12分
竣工:1968年
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