今回は富山県富山市にある高志の国文学館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・高志の国文学館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・高志の国文学館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
1.旧知事公館に寄り添うように増築された文学館を訪問
今日訪れたのは富山駅の南西エリアに建つ高志の国(こうしのくに)文学館です。

富山県は、古くは万葉集に多くの歌を残した万葉歌人・大伴家持が200首を超える歌を詠んだ越中万葉ゆかりの地であり、近年では作家の堀田善衞氏やKADOKAWAグループ創業者である角川源義氏をはじめとする多くの作家や文学関係者を輩出しています。高志の国文学館は、そんな富山県ゆかりの人物の功績や作品の発信拠点として2012年にオープンした文学館です。
富山県庁舎の西側エリアの閑静な住宅地を程なく進むと今回の目的地である高志の国文学館がみえてきます。

元々この場所には旧知事公館(1978年竣工)が建てられていましたが、文学館の建設に当たっては旧知事公館の建物を活かしつつ文学館が増設・整備されたのが大きな特徴です。

旧知事公館の東側には展示室や事務所など7つのボリュームが蔵に見立てて配置されていて、その間を土間に見立てたロビーや通路が配置されています。

建物南側のエントランスに立つと左手の奥に旧知事公館、右手に見えるのが文学館のボリュームとなっていて、その間をアプローチの通路と文学館内部のロビー空間が繋いでいます。

アプローチには内外を貫く大きな庇がかけられていて、その下には長さ20mを超えるガラスの開口部が設けられています。
この開口は、内部からみると文学館内部の空間から目の前の公園まで自然が抜けるようにデザインされていて、建物内外がシームレスに連続しているような感覚を覚えます。
また、外から見るとガラスに庭の風景が反射して、建物内部に広がっているように見えるのも面白いです。

ロビーや通路は旧知事公館や展示室を繋ぐ「土間」という位置付けとなっているので、建物の内部でありながら街の延長線のような空間となっています。
建物自体に派手さはないですが、公園の緑や周辺のボリュームと調和した外観が素敵です。

こちらは建物の北側ですが、大きさが異なるボリュームが少し離れて分棟配置されているのがよく分かります。
2.端正なデザインの中に込められたこだわりの建築を堪能
建物を構成する蔵のボリュームで特徴的なのは、建物を覆うアルミの鋳物パネルです。
このアルミ鋳物パネルは富山県のメイン産業の一つでもありますが1つ1つのパネルが異なる表情をみせています。

パネルのパターンは万葉集で詠まれた植物をモチーフとしているのですが、場所によって微妙な表情の違いが生まれていて、みる場所によって印象が異なるのが面白いです。

7つのボリュームはそれぞれ企画展示室、常設展示室、研修室、事務室などの役割が与えられています。
私が訪れた時は常設展のみの展示が行われていて、富山ゆかりの作家さんたちの功績や作品を興味深くみることができました。
展示は現代だけでなく幅広い年代の人物や作品が横断的に取り上げられていて、意外な発見もありました。
また、展示されている作家は小説だけでなく、例えば漫画では藤子不二雄Ⓐ氏や藤子・F・不二雄氏、映画監督では細田守氏などの展示もありとても興味深かったです。
私が訪れたのは日曜日のお昼過ぎだしたが、訪れている人は数人といったところで、静かな環境の中で展示を楽しむことができました。
客層、といえるほど多くの人がいたわけではありませんでしたが、学生風の人や年配の方がお一人で訪れている姿を見かけました。

展示を堪能した後はロビーでひと休みしました。
細部の処理まで計算された大開口と、内外が連続するようにデザインされた足元の花崗岩と天井ルーバーによって、ロビー空間は内外の狭間のような空間となっています。

続いてロビーから見えた旧知事公館を見学します。
この建物が建てられたのは1978年と比較的新しくはありますが、それでも半世紀近く前の建物ではあります。

1階にはChez Yoshi(シェ ヨシ)というフレンチレストラン・カフェがはいっています。
この日頂いたのは、こちらのテリーヌ・オ・ショコラとジンジャエールのセット。

濃厚だけれど口溶けのよいショコラは、程よい甘さでとても美味しかったです。
器も素敵で、お庭の緑と陽の光と共に、文学館の展示と空間の余韻に浸りました。
富山の歴史や土地を感じながら文学の世界を体験できる素敵な空間を堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とても素敵な建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
高志の国文学館
設計:シーラカンスアンドアソシエイツ
所在地:富山県富山市舟橋南町2-22
アクセス:県庁前駅より徒歩約3分
竣工:2012年
備考:第57回BCS賞
公式Webサイト:https://www.koshibun.jp/news/
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