今日は千石・白山周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・千石・白山・小石川エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・千石・白山・小石川エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・千石・白山・小石川エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.本屋 Plateau Books

本屋 Plateau Booksは、白山駅から程なく歩いたところに建つ書店・カフェです。
1974年に建てられたシブい装いのビルを改修し、無機質で力強いコンクリートと温かみのある本棚のコントラストが美しい書店は、設計を手掛けた東京建築PLUSの事務所に併設してつくられているというのも大きな特徴。
設計者は場のデザインだけでなく運営も行っていて、時期ごとのフェアや読書会などのイベントを通して地域の書店・本文化を盛り上げています。

設計:中里聡/東京建築PLUS
所在地:東京都文京区白山5-1-15 2F
アクセス:白山駅より徒歩約3分
竣工:2019年
営業時間:12:00~18:00
2.小石川白山教会

小石川白山教会は、白山通りから蓮華寺坂にはいって程なく歩いたところに建つ教会です。
現在の教会は戦後間もない時期に建てられたもので、豪華な装飾はないですが端正なフォルムと太陽の光を反射して白亜に輝く外観が印象的な建物となっています。
大地に根を張るような安定感と、天まで伸びるような軽やかなデザインが共生した教会は、周辺のちょっとしたランドマークにもなっています。


所在地:東京都文京区白山2-37-3
アクセス:白山駅より徒歩約5分
竣工:1951年
3.小石川植物園
小石川植物園は、江戸幕府によってつくられた小石川御薬園をルーツとする日本最古の植物園で、現在は東京大学大学院理学系研究科附属植物園として一般にも開放されています。
敷地内には貴重な植物や記念碑的なスポットがいくつも点在していますが、建築も見ごたえのある貴重な建物がいくつも残されています。

エントラスの門をくぐって程なく歩くと見えてくる本館は、安田講堂をはじめ多くの東京大学の建築を手掛けた内田祥三氏によるもの。
約80万点の植物標本が収められた建物は、内田氏の作品には珍しいモダニズムの端正なデザインの建物となっています。
また、豊かな自然を有する小石川植物園の中では、シンプルな造形がより引き立てられているのも面白いです。

敷地の北側に建つ柴田記念館(旧東京帝国大学理学部植物生理化学実験室)は、東京大学植物学教室の柴田桂太教授の寄付によって建てられた記念館です。

小さな建物をさらに分割して異なる方向にかかる屋根も素敵で、小さな建物ですが植物園の樹木によく馴染んでいます。
こちらは資料館やミュージアムショップとして整備されているので、内部もじっくりと堪能することができます。
敷地の西端に建つ東京大学総合研究博物館小石川分室(旧東京医学校)は、東京大学の前身である東京医学校の施設としてつくられた施設です。

1911年に移築された際に大きな減築や改修がされた後、1965年に一度解体されてしまいますが、1969年にここ小石川植物園内に再建されました。
明治のはじめにつくられた建物は、当時の木造擬洋風建築の特徴をよく表していて、日本庭園越しにみる鮮やかなコントラストがとても印象的でした。
設計:工部省営繕局(東京大学総合研究博物館小石川分館)、東京帝国大学営繕課(柴田記念館)、内田祥三(本館)、久米設計(温室)
所在地:東京都文京区白山3-7-1
アクセス:白山駅より徒歩約10分
竣工:1876年(東京大学総合研究博物館小石川分館※1969年再建)、1919年(柴田記念館)、1939年(本館)、2019年(温室)
備考:重要文化財(東京大学総合研究博物館小石川分館)
4.京華女子中学高等学校

京華女子中学高等学校は、白山通り沿いに建てられた鉄骨鉄筋コンクリート造4階建ての校舎建築です。
90年以上の歴史が積み重なったスクラッチタイル貼りの外装は、光の当たり具合や見る角度によって多様な表情をみせてくれるのが味わい深いです。
また、外壁頭頂部の白い装飾は、風合いのあるタイルと鮮やかなコントラストを描きつつ、女学校らしい爽やかな印象的を建物に与えています。


所在地:東京都文京区白山5-13-5
アクセス:白山駅より徒歩約8分
竣工:1933年
5.彰栄保育福祉専門学校(旧東京保姆伝習所)

彰栄保育福祉専門学校(旧東京保姆伝習所)は、明治時代にアメリカからやってきた婦人宣教師により作られた幼稚園教諭養成塾にルーツを持つ歴史ある学校です。
鉄筋コンクリート造3階建ての建物は、シンプルなデザインですが、3階まどは丸みをおびた窓が連なっていたり、窓枠やパラペット、足元の腰壁に赤煉瓦があしらわれていたりと、見る人を楽しませるしかけがいろいろな部分にみてとれる素敵な建物です。


設計:清水組
所在地:東京都文京区白山4-14-15
アクセス:白山駅より徒歩約10分
竣工:1932年
6.アーバン・ナウ社屋

アーバン・ナウ社屋は、千石駅より程なく歩いた住宅街に建つプロモーション・企画を専門とする会社の社屋です。
正方形のキューブが積み重なるような外観が特徴の建物は、ボリュームをヒューマンスケールに分割しつつ、角地の立地を活かして街にアピールしています。
複雑に立ち上がるキューブは、時には煙突のような天窓となり屋内に光を導き、時にはテラスとなってオフィスに小さな憩いの場を提供しています。


設計:秋元敏雄建築設計工房
所在地:東京都文京区千石1-20
アクセス:千石駅より徒歩約3分
竣工:1986年
7.進開屋

進開屋は、千石駅前を通る不忍通りから1本路地にはいったところに建つ老舗のお蕎麦屋さんです。
老舗の蕎麦屋建築は以前このブログでも大正時代に建てられた神田まつやを紹介しましたが、進開屋も当時の雰囲気を色濃く残す店舗となっています。
前面の土間に客室を配し、奥には一段上がった板間のある店舗は、時の流れが止まったような懐かしい雰囲気で現在も営業を続けています。
素朴だけれど美味しい蕎麦をリーズナブルなお値段で頂ける、千石の隠れた名スポットです。


所在地:東京都文京区千石2-30-6
アクセス:千石駅より徒歩約7分
竣工:昭和初期
備考:国登録有形文化財
8.伊勢五 主屋・蔵

伊勢五は、江戸時代に創業された老舗のお米屋さんです。
水平ラインが際立ち、手を伸ばすと届きそうなスケールの軒は、母屋と蔵とで連続しながらかつての街並みを現代に残しています。
戦後の増築と思われる蔵前の屋根に設けられた明かり取りの窓も風合いがあり、長い年月の間、様々に工夫をしながら使い続けられていることが伝わってきます。


所在地:東京都文京区千石3-38-9
アクセス:千石駅より徒歩約8分
竣工:明治初期(主屋)、大正(蔵)
備考:国登録有形文化財
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