今回は栃木県の那須にある水庭を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・水庭を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・水庭の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・水庭の建築的な見どころや注目ポイント
1.那須の大自然の中につくられた美しい水の庭を訪問
今回訪れた水庭は、栃木県の那須に建つ宿泊施設に併設してつくられた庭園です。
この水庭は、元々は宿泊施設の建設により伐採される予定だった樹木を移設し、160個もの池と318本の樹木が生い茂る水辺の空間がつくられました。
水庭は2018年のオープン当初の宿泊施設は、コロナ禍等の影響もあり残念ながら閉業となってしまいましたが、2024年4月に新たな宿泊施設である那須 無垢の音が開業しました。
今回はせっかくなので、無垢の音の宿泊施設B＆Bに宿泊し、水庭を心ゆくまで楽しんできました。
この美しい水景と草木が生い茂る空間をデザインした石上純也氏は、日本建築学会賞やヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞などを受賞し、世界的に注目される建築家です。
石上氏の建築は、このブログでは以前、神奈川工科大学KAIT工房や、パビリオン・トウキョウ2021の木陰雲をレポートしましたが、従来の建築の概念を超越し、拡張するような斬新な作品を多く手掛けています。
水庭の入口は2ヶ所あり、どちらからはいっても大丈夫です。
門などの仕切りはないのですが、階段をあがって敷地内にはいると、神社の境内に足を踏み入れたように空気感が少し変わるような感覚を覚えます。
飛び石を頼りに、迷路のようにうねる庭を進んでいきます。
水の流れる音と、虫の鳴く声を聞きながら、日常で体験する空間とは異なる世界感に没頭していきます。
ちなみに水庭では雨の直後などは受付で長靴を貸出してくれますが、それ以外の晴れた日には運動靴で散策できます。
訪れる際はスニーカーなど動きやすい靴を履くようにしましょう。
水面に鏡のように映しだされる木々が、見渡す限り連続する風景は圧巻の一言。
水面を覗き込むと映し出されるもう一つの世界的は、そよ風にゆられながら豊かな生態系を育んでいます。
水庭の空間は、一見すると大自然の只中にあるようにみえますが、実際に体験していると緻密な計算の元にデザインされた庭であることがよくわかります。
むしろ人工物の極致といえるような庭は、人が介在することによって生まれた風景ともいえます。
庭には所々に椅子のような石が置かれていて、腰を下ろしてゆっくりと水庭を鑑賞できます。
建築よりも建築らしい、魅力に満ちた空間はとてもユニークです。
また、人工的につくられた水庭空間は、竣工から約6年の月日が経ったことで植物が成長し、生き物がやってきて、人工物と自然との境界が溶け合い曖昧になっています。
人の手によってつくられたランドスケープが、だんだんと自然と融合していくのがみれるのも水庭の大きな魅力です。
今後も時を経るごとにた、さらにその姿を変化させるであろう水庭空間は、時間を置いて何度でも訪れたくなります。
2.宿泊施設B＆Bでゆったりとした時を過ごしながら那須塩原の自然を堪能
無垢の音は、1棟貸しのスイートヴィラと、ツインタイプの宿泊施設B＆Bの2つの宿泊施設に分かれています。
今回宿泊したB＆Bは、2024年の7月にオープンした、一泊朝食付きのカジュアルステイができる宿泊施設です。
B＆Bの客室は、ミニキッチン、バス、トイレ等を備えたツインルームのお部屋です。
お部屋は2人で泊まるのに十分な広さがあり、奥はバルコニーと那須自然が望める開放的なお風呂となっています。
机もお茶やちょっとした食事に使えるダイニングテーブルと、パソコン作業や物書きができるデスクの2つが置かれています。
また、宿泊棟のエントランスを入ってすぐのことろには広々としたラウンジスペースがあり、宿泊者は自由に使うことができます。
珈琲や紅茶、フルーツウォーターも自由に頂くことができ、水庭の鑑賞後や食事の後などにホッとひと息つくことができます。
B＆Bでは夕食は用意されていないので、外で済ませるか施設外で入手してきたものを持ち込む必要があります。
カフェにもポテトチップスやカップラーメンが売られていますが、施設内で食べる場合は持ち込むことをオススメします。
向かい側には受付やカフェが入る建物となっていて、間にはテーブルの置かれたテラスとなっています。
宿泊者は自由な時間に水庭の見学ができるので、夕方の水庭、早朝の水庭など何度か訪れてみると面白いです。
B＆Bの朝食は、バケットにはいったピクニックセットのようなメニューとなっていて、お部屋の他、テラスやラウンジで頂くことができます。
地元の素材を使ったサラダや、スモークサーモンがたっぷり挟まったサンドなどを頂きながら、充実のモーニングタイムを過ごせました。
カフェは夕方の16:00まで営業していて、ランチやスイーツを楽しむこともできます。
ランチタイムはとちぎ和牛をたっぷりと使用した自家製ビーフカレーを頂きました。
牛肉の旨味が溶け込んだ濃厚なソースに、ピリッとしたスパイスのアクセントが効いた絶品カレーでした。
また、デザートメニューではアイスクリーム盛り合わせや、かぼちゃタルトなどもあり、午後のおやつにピッタリでした。
素敵な庭と建築をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
宿泊もオススメですが、水庭のみの見学も受け付けているので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
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無垢の音 水庭
設計(水庭)：石上純也
所在地：栃木県那須郡那須町高久乙2294-3
アクセス：那須塩原駅より車で約30分
竣工：2018年
公式HP：https://mukunone.jp/mizuniwa/
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