今日は東京の駒場公園内に建つ日本近代文学館を訪れてきましてので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・日本近代文学館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・日本近代文学館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・日本近代文学館の建築的な見どころや注目ポイント
1.駒場東大前に建つ近代文学の殿堂を訪問
今回訪れたは、駒場公園内に建つ日本近代文学館です。
最寄り駅である駒場東大前駅を出て東京大学の広大な敷地の西側の5分ほど歩くと、今回の目的地である日本近代文学館が建つ駒場公園の東門が見えてきます。
この日本近代文学館は、この駒場公園に1967年に開館した文学館です。
元々この駒場公園の敷地は石川県の旧加賀藩主前田家の第16代当主であった前田利為侯爵邸が建てられていました。
終戦後はGHQに接収されていて、返還後は東京都によって整備が進められ1967年に駒場公園としてとして市民に開放されました。
日本近代文学館はそんな駒沢公園のオープンと同じ1967年に開館した文学館です。
ちなみに現在にも駒場公園内には戦前の昭和4年と昭和5年に建てられた邸宅が現在も残されていて、洋館は日本近代文学館のオープンと同時に都立近代文学博物館として活用されたりもしていました。
この文学館は当時戦後の混乱から復興し、急激に成長・変化していく中で、文学に関する様々な資料が散逸し失われてしまうことを危惧した文化人達が発起人となって計画が進められ、市民の多くの寄付もあって完成した経緯があります。
設計を手掛けたのは大手のゼネコンである竹中工務店。
建物の外観はコンクリートの堅牢な躯体が印象的なシンプルなデザインです。
モダニズムの建築らしいシンプルさの中に、深い久や格子のルーバーなど日本の伝統建築を思わせるデザインが上手く融合しています。
簡素な見た目も、広く文学に関する資料を収集・保存する巨大な書庫と考えるととてもしっくりきます。
この文学館が建つまでは、作家個人にフォーカスした施設はありましたが、このような総合的な文学館はありませんでした。
そう考えると簡素で堅牢な見た目は100万点以上の幅広い資料を長きに渡って収蔵するという機能を象徴しているようであり、ある種の普遍性のようなものさえ感じます。
シンプルな外観は、周りにある駒場公園の豊かな自然との鮮やかなコントラストを生み出し、庇と格子は刻々と変わ日の光によってその表情を変化させます。
2.貴重な資料が満載!近代文学の宝を間近で堪能
文学館の入館券はエントランスを入った右奥のチケットカウンターで購入します。
チケット料金は300円とかなりリーズナブルです。
展示は総計100万点以上に及ぶ膨大なコレクションの中から、様々な企画が催されています。
中にはここでしか見られない貴重な資料も多くあり、日本各地の文学に関するお宝が集結しています。
有名な文豪たちの蔵書やメモ書き、原稿など、本や複製を通じてしか見たことのなかった資料の生の姿は迫力満点です。
また、外からは閉じられた箱の印象が強かったですが、ロビーなどは光が溢れ視線が抜けるような気持ちのいい空間となっています。
3.展示を堪能した後は併設のブックカフェで贅沢なひと時を
館内の展示を堪能した後は文学館の1階にはいるBUNDAN COFFEE & BEERでひと休みしました。
こちらのカフェは建物の北側に配置されていて、北側の窓から差し込む自然光と、南面の壁一面の本棚が印象的なブックカフェとなっています。
店内の本は約2000冊ほどあるそうで、壁一面の本棚の他にも様々に本が並べられた本好きにはたまらない空間となっています。
並べられた本の中には今では絶版となっている貴重な本もいくつもあり、さすが歴史ある文学館のカフェといったラインナップです。
また、こちらのカフェは展示会のチケットの有無に関係なく利用できるので、店内には近くにある東大駒場キャンパスの学生らしき常連客が勉強していたり、近くに住んでいるであろう住民がお茶していたりと、様々な目的の人が訪れているようでした。
カフェは文学館内部の他に正面のテラス席も利用できるので、快晴のこの日は外の席も人気でした。
それぞれのメニューは文学作品や作家にちなんだものとなっているのも特徴で、例えば珈琲は芥川や鴎外といった名前がつけられていたり、谷崎潤一郎のサンドイッチがあったりするのもおもしろいです。
こちらは人気メニューの芥川の珈琲。
芥川の珈琲は、彼らが当時味わっていたお店の珈琲を再現したものだそうで、単なるネーミングだけでなく、その味や内容にもこだわりがあります。
また、店名にBEERとあるように、ビールや日本酒などのお酒のメニューも充実しているのも特徴です。
もちろん文学にちなんだメニューはドリンクだけではありません。
こちらのスコーンは「シェイクスピア」と名付けられています。今回初めて知ったのですがスコーンは元々はシェイクスピアの戯曲の中に出てきた石の名前から名付けられたそうです。
芥川の珈琲と、シェイクスピアのスコーンとはなんだかちょっと面白い組み合わせですが、その相性はバッチリでとても美味しかったです。
フードメニューは軽食の他にも朝食セットやパフェ、カレーや丼ものまで幅広いので、いろいろな時間で楽しめます。
素敵な空間と美味しい食事を堪能して、この日の建築巡りも大満足なものとなりました。
とてもオススメの建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。
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日本近代文学館
設計:竹中工務店
所在地:東京都目黒区駒場4-3-55
アクセス:駒場東大前駅より徒歩約7分
竣工:1967年
開館時間:9:30~16:30
休館日:日曜、月曜、年末年始
公式HP:https://www.bungakukan.or.jp/
※記載している営業時間や金額は記事執筆時点のものです。変更となっている場合もありますので、訪れる際は公式HP等をご確認ください。
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