吉祥寺「くぐつ草」若き建築家が手掛けた洞窟のような喫茶店を探訪

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今日は東京吉祥寺にある老舗の喫茶店 COFFEE HALL くぐつ草を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・東京都内の純喫茶も30店以上訪れる純喫茶好き

【この記事で分かること】
・COFFEE HALL くぐつ草を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・COFFEE HALL くぐつ草の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・COFFEE HALL くぐつ草の建築的な見どころや注目ポイント

ちなみに吉祥寺周辺での建築巡りは、こちらの記事でレポートしていますので、興味のある方は是非併せてご覧ください。
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1.まさに異世界!地下にある老舗の喫茶店がスゴい

今日訪れたのは吉祥寺駅から歩いて約5分、ダイヤ街チェリーナードという通り沿いにあるCOFFEE HALL くぐつ草(くぐつそう)という喫茶店です。

最近純喫茶巡りにハマっていつことを話した吉祥寺在住の友人から、おススメしてもらったのがこちらのお店。
調べてみると、建築家としても著名な鯨井勇氏が、20代後半から30歳の頃に設計を手掛けたということも分かり、建築好きの私としては訪れないわけにはいかない!ということで早速訪れてきました。

1979年にオープンしたくぐつ草は、元々は創立380年になる超老舗の劇団「江戸糸あやつり人形劇団 結城座」の劇団員によってつくられたお店とのこと。
お店の看板には、まさに傀儡の人形が形とられたレリーフがおかれていますが、ちょっとコミカルな人形が面白いです。

訪れる前までは、傀儡とはスゴい店名だなぁ、と思っていましたが、劇団が立ち上げたお店だったということで、なるほどと納得。
お店は地下にあるので、階段を下って入り口に向かいます。
スプーンカットのように凹凸が彫られ、丸くカーブした壁面は、今まで見たことのない不思議な雰囲気を纏っています。

階段を降りるころには、異世界に迷い込んだような不思議な感覚に。
階段を下りただけなのに、吉祥寺の街からは隔絶された、別の世界に来てしまったかのようです。

2.まるで洞窟のような店内を堪能

店内に入るとさらに驚きの、洞窟のような内部空間が広がります。

丸みを帯びた壁面は、ドーム状に空間全体を包み込んでいて、一気にくぐつ草の世界観に引き込まれます。
この日はオープン時間にピッタリに訪れたこともあって、店内に他のお客さんはまだいませんでした。人の居ない店内は何か神聖さのようなものすら感じます。

シンプルな空間ではありますが、凸凹とした壁面が複雑な陰影をつくり出していて、その陰影が空間に独特の深みを与えているようです。

60年代~70年代に数多く建てられたいわゆる純喫茶は、ビルの地下につくられることが多くありましたが、多くのパターンはステンドグラスを模した光壁や豪華なシャンデリアといったアイテムで空間を演出しています。

もちろんそれはそれで大きな見どころなのですが、くぐつ草では当時の若き建築家 鯨井勇氏がデザインを手掛けたことで、建築家ならではの空間感や素材の質感が堪能できます。

鯨井勇氏は戦後間もない1949年生まれの建築家で、大学卒業間近から建設をはじめたセルフビルドの自邸「プーライエ」が当時の建築界でも話題となった新進気鋭の建築家でした。
くぐつ草の設計を始めたのが20代の後半、30歳の時にくぐつ草は完成しますが、くづつ草の施工にあたっても仲間と共に手作業で材料を加工したりしたそう。
どこか人の手の温もりを感じる空間には、本当に人の手による温もりと格闘があったようです。

照明を落とした洞窟のような店内ですが、店の奥の庭は外部と繋がる光庭になっているのもポイントで、時間や天気によって微妙に表情を変える奥の空間も、店内に自然な温もりを与えています。

椅子もダイナミックな木の手彫りなのですぐが、本当によく体にフィットします。
いつまでもここに結わっていたくなる素敵な椅子でした。

3.絶品モーニングを頂きながら店内の隅々まで堪能

メニューも手ぐくり間の溢れる木の表紙。
永い間大切に使われてきたものであることが伺えます。

今回は開店と同時に訪れたので、12時まで注文できるタイムサービスメニューを注文しました。

モーニングのトーストセット(1080円)はトーストとサラダ、ジャムと飲み物がセットになったもの。
ドリンクの珈琲はストロングとソフトから選べる他、紅茶やアイスドリンク(プラス20円)も選べます。

トーストはバターが染み染みに溶けていて、絶品。
この1年で数十件の純喫茶に行きましたが、お世辞抜きにその中でも一番と言っていいくらい美味しかったです。

店内のアイテムもメニューと同じく長きに渡って大切に使われ続けていることが伝わってきます。

ミルク入れやお塩入れも独特の深みがあって、内装だけではなくて店内にあるすべてのアイテムが合わさってくぐつ草の世界をつくっているのだと改めて感じます。

抑制のきいた、ちょっと薄暗い空間で珈琲を頂く時間はまさに至福のひと時です。
くぐつ草の珈琲はオールドコーヒーよ呼ばれる2年以上自然乾燥させて熟成させた豆を使っているそうで、酸味や荒味がないじっくりとした味を楽しめます。

今回はモーニングを頂きましたが、カレーの激戦区吉祥寺で40年以上愛されたくぐつ草カレーなどのメニューもあるようなので、次回はランチの時間に再訪してみようと思います。

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COFFEE HALL くぐつ草
設計:鯨井勇/藍設計室
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 島田ビル B1F
アクセス:吉祥寺駅より徒歩約5分
竣工:1979年
公式HP:https://www.kugutsusou.info/


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