四谷・麹町エリアで建築巡り!建築好きがおススメする名建築15選

当サイトは、アフィリエイト・アドセンス広告を利用しています

今日は東京都の四谷・麹町エリアで建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築について紹介していきたいと思います。
四谷・麹町は近代に建てられた歴史ある建築物から最新の現代建築までバランスよく巡れる建築パワースポットでしたので、建築巡り・街歩きの参考、もしくはバーチャル建築巡りとして楽しんでいただければと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・四谷・麹町エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・四谷・麹町エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・四谷・麹町エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説

スポンサーリンク

1.カトリック麹町 聖イグナチオ教会

まず初めに訪れたのは、四ツ谷駅を出て東にすぐの所に建つカトリック麹町 聖イグナチオ教会です。
元々この敷地には戦後間もなく建てられた旧教会がありましたが、老朽化や信徒の増加などの理由から半世紀後の1999年にコンペによって選ばれた現在の建物に建て替えられました。
コンペ当選後も何年も信徒や関係者との打ち合わせを続けながらつくられた聖堂は、楕円形で700席ある主聖堂、円屋根のマリア聖堂、日本らしさを感じさせるザビエル聖堂など異なる空間の3つの建物が広場を囲むこうに配置されています。
形の持つ意味や、光による陰影など、その建築を訪れた人がいろいろな意味を受け取ることのでき、宗教建築ならではの奥深さを感じる建築となっています。

設計:坂倉建築研究所
所在地:東京都千代田区麹町6-5-1
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約1分
竣工:1999年
備考:第42回BCS賞

2.上智大学

聖イグナチオ教会に隣接して建つ上智大学も、各年代の建築を楽しめる建築パワースポットとなっています。

中でも注目したいのが、聖イグナチオ教会から新宿通りを少し進むと見えてくるのが7号館です。
建物の設計は日本の近代建築にも大きな影響を与えた建築家A.レーモンドが手掛けている隠れた名建築です。
白い外観に矩形の窓が並ぶ外観が特徴的なこの建物は大学のゲートの役割も果たしています。シンプルなデザインですが、掘りこまれた窓枠が独特の陰翳を生み出していて、時間によっても表情を変えるところが面白い作品です。

奥見見えるのが7号館
7号館側面

実は隣接して建つ旧6号館もレーモンドの作品でしたが、残念ながら解体されてしまっています。
現在はソフィアタワーとして地上17階・地下1階、高さ約75mのインテリジェントビルとして建て替えられています。設計を手掛けたのは日建設計で、日建設計はこのソフィアタワーの他に10号館のデザインも手掛けています。

ソフィアタワー(6号館)

その他にもキャンパス内にはクルトゥルハイム聖堂や1号館など見応えのある近代建築もたくさんあります。
また、2022年は木造3階建ての新校舎である15号館がオープンしました。

太さが異なる木材を格子状に交錯したデザインの外観は、大学の理念である多様性や伝統、異なる他社との交流を表しています。
建物の躯体から内外装にいたるまで様々な部分で木の特性と質感が感じられるようにデザインされた建物は、都市の中に小さな森をつくり出しています。

設計:A.レーモンド(7号館)、日建設計(6号館・10号館)、住友林業(15号館)
所在地:東京都千代田区紀尾井町、麹町
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約3分
竣工:1968年(7号館)、1982年(10号館)、2017年(6号館)、2022年(15号館)

3.麹町ダイビル

上智大学の東側の坂道を降りる途中にある麹町ダイビル(旧大阪ビルディング)は、一見すると聖堂のようにも見える外観が特徴的なオフィスビルです。
設計したのは近代日本の建築界を牽引した村野藤吾氏で、陰翳を巧みに操る外観にもその特徴を見ることが出来ます。
村野氏と言えば以前このブログでも紹介した旧千代田生命保険本社ビル(現目黒区庁舎)の設計者としても知られますが、エントランスの庇はまさに旧千代田生命保険本社ビルを思わせる軽やかで流れるような曲線となっていて、建築好きとしては思わずニヤリとしてしまいます。

関連記事
・目黒区総合庁舎がスゴイ!村野藤吾の傑作建築を徹底レポート【東京中目黒】

設計:村野藤吾
所在地:東京都千代田区麹町5-7-1
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約5分
竣工:1976年

4.倫理研究所紀尾井町第2ビル

坂を下った角地に建つ倫理研究所紀尾井町第2ビルは、ガラス張りのファサードに宙に浮かぶような階段が特徴的な建物で、一度見たら忘れられないインパクトがあります。
地上5階・地下1階の建物はコンクリートの壁に強固に守られながら、周りに纏うクリアな層が街との緩衝材にもなっている不思議な建物です。
今回は昼間に訪れたのですが、夜の照明に照らされ建物も美しいだろうと想像が膨らむので、次回は夕暮れ時に訪れてみようと思いました。

設計:内藤廣建築設計事務所
所在地:東京都千代田区九段南2-2-8
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約7分
竣工:2020年

5.紀尾井町南部ビル

倫理研究所の隣に建つ紀尾井町南部ビルは、先ほど紹介した麹町ダイビルと同じく村野藤吾氏が手掛けたオフィスビルです。
麹町ダイビルや他の村野作品と比べると凹凸が少なくてつるっとした印象ですが、他ではあまり見たこののないT字の窓が独特の外観を創り出していて面白いです。
麹町ダイビルや旧千代田生命保険本社ビルと同じくエントランスには美しくカーブする庇がデザインされていたりする共通点なんかも隠れた注目ポイントです。

設計:村野藤吾
所在地:東京都千代田区紀尾井町3-3
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約7分
竣工:1980年

6.紀尾井町パークビル

南部ビルのさらに隣に建つ紀尾井町パークビルは、1977年に建てられた旧耐震基準のテナントビルのリニューアルプロジェクトです。
このプロジェクトが革新的なのは、テナントビルの内部の工事による賃料の損失を抑えるため建物内部での補強工事を排して、建物の外部から外付けの補強材を取り付ける特殊な工法を実践していることが挙げられます。
改修で内部の柱に触れないことで「主要構造部の過半の工事」とせずに改修工事を進めている点は建築実務を行う者からするとコロンブスの卵ともいえとても興味深いです。収益性・工期短縮・デザイン性のすべてを満足させるプランテックの凄さを再確認できる建物です。
ちなみにテナントの1つとしてプランテックの東京事務所もこのビルに入居していたりします。

改修設計:プランテック総合計画事務所
所在地:東京都千代田区紀尾井町3-6
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約7分
竣工:1977年(2007年改修)

7.ESCALIER麹町

ESCALIER(エスカリエ)麹町は、大通りから一本入った番町文人通り沿い建つ地上5階建てのテナントビルです。
ESCALIER(フランス語で階段)の名前の通り、ずらした建物ボリュームの間を立体的に繋ぐ階段が特徴で、テラスや階段などの外部空間がそのまま建物の顔にもなり、豊かな共用部空間としても機能しています。
これまでのオフィスビルに求められていた均一性を伴った合理性に対して、余剰空間をフルに活用して新たな合理性と街との繋がりがクレバーにデザインされた注目の建物です。

設計:櫻井潔建築設計事務所・ETHNOS
所在地:東京都千代田区麹町6-4-16
アクセス:四谷駅より徒歩約3分
竣工:2021年

8.日本公営ビル

日本公営ビルは、地上12階地下1階建て建設コンサルタント会社の本社ビル。
日本工営といえば、民事再生手続きを行った黒川紀章建築都市設計事務所を子会社化したことでも話題になりましたが、この新本社ビルのデザイン監修も黒川紀章建築都市設計事務所が手掛けています。
外観は大小様々な格子を組み合わせた「翁格子」となっているのが特徴で、都会的なスマートさの中に障子などにみられるような日本的デザインとなっています。
その他にも街との連続感を感じるエントランス・ロビー空間など、随所に日本的な感性と環境との共生といった黒川建築のテーマが反映されています。

デザイン監修:黒川紀章建築都市設計事務所
設計:鹿島建設
所在地:東京都千代田区麹町5-4
アクセス:四ツ谷駅より徒歩約4分
竣工:2020年

【洋館好き必見のイチオシ漫画】

「数寄です!」などの建築漫画で知られる漫画家さんが、水色のかわいい洋館に一目惚れ。
土地ごと売却され、再開発さそれうになった近代建築をなんとか残そうと奮闘するルポ漫画

業者とのヒリヒリするやりとり、億単位のお金と多くの人を巻き込む責任など、建築保存のリアルな葛藤と闘いが生々しく描かれているイチオシ漫画です。

2023年の3月についに完結!取り壊される洋館がどんな運命を辿るのか、今なら現在進行形で楽しめます。
Amazonで詳細を見る

タイトルとURLをコピーしました