京都「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」建築家村野藤吾が設計したホテルをレポート

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今回は京都にあるホテルザ・プリンス 京都宝ヶ池を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・ザ・プリンス 京都宝ヶ池を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・ザ・プリンス 京都宝ヶ池の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・ザ・プリンス 京都宝ヶ池の建築的な見どころや注目ポイント

ちなみに京都のおススメ近代建築・現代建築についてはこちらの記事でもレポートしていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。
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・京都で建築巡り!おススメの近代&現代建築30選を紹介

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1.京都に建つ村野藤吾の晩年の傑作ホテルを訪問

今回訪れたザ・プリンス 京都宝ヶ池は、京都駅から市営烏丸線に乗って20分、緑豊かな宝ヶ池公園に隣接して建つホテルです。

宝ヶ池は江戸時代に溜池としてつくられ、豊かな自然と景観で知られるエリアです。
1966年には日本初の国立の国際会議場である国立京都国際会館が建設され、京都議定書の採択を始めとする様々な国際的な会議の場となってきました。

この国立京都国際会館は、建築家大谷幸夫が設計を手掛け、日本のモダニズム建築の中でも高い評価を得ています。
そんな国立京都国際会館での国際会議の出席者の宿泊施設として1986年に建てられたのがザ・プリンス 京都宝ヶ池で、設計を手掛けたのは建築家の村野藤吾氏。
村野氏といえば以前このブログでも取り上げた千代田生命保険本社ビル(現・目黒区庁舎)や重要文化財にもなっている世界平和記念聖堂など数々の名建築を生み出した昭和を代表する建築家です。
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・目黒区総合庁舎がスゴい!村野藤吾の傑作建築を徹底レポート

京都国際会館駅をでて、京都国際会館を左手に見ながら数分歩くと、今回の目的地であるザ・プリンス 京都宝ヶ池が見えてきます。
このホテルはドーナツ状の平面となっていて、宝ヶ池の雄大な自然や京都の山々と呼応するようなカーブを描いたデザインが特徴です。

建物のデザインは、円や弧による有機的な形が多用されていて、大きな自然に包まれるようにエントランスに案内されます。

ドーナツ状の平面をしているので建物の真ん中は中庭となっていて、その中庭を取り囲むようにロビーや受付、レストランや客室が円形に並んでいます。

外装だけでなく内装も、有機的な曲線や円形のモチーフが使われていて、村野建築に共通する優雅で艶やかな空間がとても印象的でした。

ドーナツ状の平面の中には吹抜けによる大空間があったり、村野氏が得意とする精巧なデザインの階段があったりと見どころが満載で、建築ファンならずとも思わず見とれてしまうこだわりの内装が堪能できます。

2.包み込まれるような建築の中で素敵な宿泊体験を

客室のある2階以上の階もドーナツ上になっているので、客室へはカーブする廊下を通ってアクセスします。

壁の端部も丸みを帯びたデザインになっていたりと徹底しています。
力強く直線的な要素でつくられている京都国際会議場と対比的に、このホテルでは包み込むような曲線と円による調和が感じられます。

また、廊下から見える中庭と対角のカーブした壁面も迫力があり、一つの小宇宙をみているようです。

今回宿泊したのはデラックスフロアツインと呼ばれる39.6㎡のお部屋。
部屋の中は思った以上に広々していて、2人で宿泊するには十分な広さでした。
天井には照明が一切なく、ライトはすべて間接照明なことも部屋を広くスッキリ見せています。

窓の外には宝ヶ池の豊かな自然と景観が広がっています。
ちなみに奥に見えるのは京都国際会議場です。

アメニティや設備も基本的なものはすべて揃っていて、加湿空気清浄機やコーヒーメーカーなどのプラスαのアイテムが用意されているのも嬉しいポイントです。

唯一気になったのはユニットバス。ザ・プリンス 京都宝ヶ池は共用の大浴場はないので、お風呂は各部屋ごとのユニットバスとなっているのですが、トイレと一緒になっているのが個人的にはマイナスポイントでした。
トイレはきれいな温水便座なのですが、電気を使うトイレとお風呂の組み合わせはちょっと不安でした。

水回りでは洗面台が2面の特大鏡となっているのはとてもよかったです。

また、室内でも写真のような丸いドアノブを始めとして、曲線や円によるデザインが徹底しているのが素敵です。

3.自然と一体となった至高の建築を最後まで満喫

館内ではこちらの日本庭園に面したカフェ水の音や、本格中華が味わえる桃園日本料理店、夜のみ営業しているバーアスコットなど複数の飲食施設があります。

2階には無料で開放されているフィットネスルームがあったりと、それぞれの場所で豊かな空間と外部の自然を満喫できます。

中庭はロビーやレストランに光や景観をもたらすだけでなく、自由に中に入ることもできます。
下から見上げる円形のホテルは、優雅で堂々としていてかなりの迫力がありました。
巨大な人工物ですが、角が取られて柔らかい印象が強いので、圧迫感はあまり感じません。

こちらはエレベータの天井。館内はどこをみても丁寧で迫力のデザインが施されているので、宝探しをしているように素敵なデザインに出会えます。

西側の日本庭園には本格的な数寄屋造りの茶寮が建てられています。
この日は中には入れませんでしたが、フォーマルな会合にも使える施設となっています。

また、私が訪れた時期はちょうど紅葉の季節だったので、日本庭園の木々が美しく色づいていました。

大きな自然の中にある人工物としての建築が、その自然と見事に一体となるようなデザインに惚れ惚れしてしまいます。

自然と建築、それぞれがお互いを引き立たせるような見事な建築をたっぷりと堪能して、今回の建築巡りも大満足なものとなりました。
とてもオススメのホテルなので、皆さんも機会があれば是非宿泊してみてくださいね。

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ザ・プリンス 京都宝ヶ池
設計:村野藤吾/村野・森建築事務所+竹中工務店
所在地:京都府京都市左京区岩倉幡枝町1092-2
アクセス:国際会館駅より徒歩約7分
竣工:1986年
公式HP:https://www.princehotels.co.jp/kyoto/


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