今日は長野県にある蓼科親湯温泉に宿泊してきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・蓼科親湯温泉を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・蓼科親湯温泉の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
1.多くの作家や文化人が過ごした老舗旅館を訪問
今回訪れたのは東京新宿から特急列車で2時間ちょっとのところにある長野県の茅野市にある蓼科親湯温泉です。
近年大規模な改修工事が行われ、3万冊の蔵書を有するラウンジや、蓼科ゆかりの文豪をイメージした客室デザインなどで大きな話題を呼んだ旅館です。

茅野市の北側エリアにある蓼科は泉質や効能が異なるいくつもの源泉が湧き、戦国時代には甲斐の武将であった武田信玄の隠し湯として武田軍の傷を癒したことでも知られる温泉です。
また、近代では太宰治が新婚旅行で訪れたり、映画監督の小津安二郎が仕事場として使ったりと多くの作家や文化人がこの地を訪れました。
今回宿泊する宿は茅野駅から送迎バスで30分ほど進んだところにありますが、道中には小津安二郎が暮らし、訪れる来客者をもてなしたという「無藝荘」をみることができました。
今でこそ多くの温泉宿が建つことで知られる蓼科ですが、蓼科新湯温泉は今からちょうど100年前の大正15年に創業した老舗の旅館です。

創業100周年を前に大規模なリニューアル工事が行われた建物は、昭和の雰囲気を色濃く残した古き良き温泉宿とスタイリッシュで訪れた人を驚かせるしかけの両方を併せ持った旅館となっています。
チェックインはこちらのロビーラウンジでおこないますが、ラウンジには約3万冊の蔵書が並ぶ壮観の空間となっています。

伊藤左千夫や島木赤彦、斎藤茂吉など多くの作家や歌人達が滞在し、有形文化財に指定された句もある蓼科新湯温泉において、本に囲まれた空間はとてもしっくりきます。
蔵書は歌や詩から小説、ビジネス書、絵本、理工書まで様々な本が並べられていて、自由に読むことができます。

山間の老舗の旅館ということもあってか壁面は様々な方向に伸び、複雑な形状の建物となっていますが、そんな建物の形に沿うように並べられた本棚はとても魅力的です。
メインのラウンジの他にも、客室に向かう長い廊下には岩波文庫がぎっしりと並んだ「岩波文庫の回廊」があります。

岩波文庫の創業者である岩波茂雄氏はすぐ近くの諏訪市の出身であるそうですが、複雑に伸びる老舗宿の通路と本に囲われた空間がマッチして、本好きにはたまらない空間となっています。

2.文豪をイメージしてリデザインされた客室を満喫
共用部だけでなく客室のデザインにも注目です。
客室の一部は2019年にリニューアルしていて、今回宿泊したプランではかつて蓼科 親湯温泉に滞在した10人の文人たちをイメージした客室に宿泊しました。

私が宿泊したのは大正時代のアララギ派歌人 島木赤彦をモチーフにしたお部屋。
暖炉のある広々としたリビングルームとゆったりとしたベットルームが特徴の約55㎡のセミスイートルームは、お部屋に入った瞬間に思わず声がでてしまうような素敵なお部屋でした。

窓の外には雪のちらつき、蓼科の山々が聳えています。
窓の近くには暖炉があり、パチパチと音を立てて燃える炎を傍で読書や物思いに耽ることができます。

昔から変わらない古き良き時代の雰囲気と、令和の時代のフレッシュな空気がミックスした客室にテンションがあがります。

ちなみにどの文人の部屋に宿泊するかは当日まで分からないですが、他にも著名な作家では太宰治や幸田文をイメージしたお部屋があります。
水回りも清潔で広々しているのも嬉しいポイントです。
十分な広さの洗面台の奥には浴槽とシャワーブースが完備。

お風呂は大浴場や貸切り風呂があるので客室のお風呂やシャワーは使いませんでしたが、小さなお子さんがいたりすると便利かもしれません。
3.信州ゆかりの料理と温泉、本が並ぶラウンジを味わい尽くす
日が暮れた後の楽しみは信州の食材をふんだんに使った夕飯です。
旅館内のレストランも2018年のリニューアル工事で全室個室に改装されました。 夕食でいただいたのは和フレンチ「蓼科 山キュイジーヌ」です。

信州牛を使ったステーキをはじめ、信州の食材のフルコースを堪能しました。

長野県は、日本一の長寿県としても知られますが、新鮮な野菜やフルーツ、味噌や漬物などの発酵食品によるこだわりのメニューは味も体にも優しい絶品料理でした。

長野らしいりんごジュースの飲み比べセットも堪能し、お腹も心も満たされました。
ちなみに朝ごはんは、地元の食材が豆皿に並ぶ「蓼科 山ごはん」を頂きました。

うっすらと雪が積もった景色を楽しみながら和の小鉢や焼き魚を楽しみました。
食後は温泉宿のメインである大浴場へ。
蓼科親湯温泉の浴室は、めずらしい畳敷となっていてとても居心地がよかったです。

こちらは浴室手前の待ち合い空間ですが、落ち着いた雰囲気の優雅なデザインがとても魅力的でした。

今回貸切り風呂がセットになったプランだったので、露天風呂も堪能しました。
マイナスの気温の中で入る温泉は別格の楽しみがありました。
夜は再びラウンジに籠って本と本の空間を楽しみます。

ラウンジにはみすずLounge & Barというバーが併設されていて、カクテルや珈琲を楽しめます。

素敵な調度品や照明の空間には著名な作家の全集から貴重本まで様々蔵書が並べられています。

静かな蓼科の夜を素敵な空間と共に堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメの旅館でしたので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。
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蓼科 親湯温泉
所在地:長野県茅野市北山蓼科高原4035
アクセス:茅野駅よりバスで約30分
創業:1926年
公式HP:https://www.tateshina-shinyu.com/
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